演歌歌手のデビュー曲
演歌といえば日本人の心の音楽として、老若男女を問わず親しまれてきました。
そして、数多くのスター歌手が誕生したジャンルでもあります。
今回はそんな演歌歌手のデビュー曲の特集です。
今では大御所と呼ばれるような歌手たちの初々しい一面も垣間見えます。
演歌歌手のデビュー曲(1〜10)
あなたが憎い柾木祐二

1982年12月にワーナー・パイオニアから発売された柾木祐二さんのデビュー作は、芸名「不知火五郎」名義で放たれた演歌です。
宇山清太郎さんの詞と四方章人さんの曲による本作は、憎しみという強い言葉を冠しながらも、その奥に潜む愛情の残滓と未練が交錯する心情を描いています。
こぶしや溜めを効かせた歌唱で情念の揺れを表現する王道の演歌スタイルが魅力。
ぜひじっくりと聴いてみてください!
白鳥の歌が聴こえますか武山あきよ

1987年7月にリリースされた『白鳥の歌が聴こえますか』は、北国の孤独な暮らしを励ます歌として作られた心温まる演歌です。
寂しさや悲しみを抱えた人の心に寄り添うような優しい言葉がつづられており「泣くだけ泣いたら明日が見える」という希望のメッセージに慰められます。
作詞は吉岡治さん、作曲は武山さんの師匠である市川昭介さんが手がけました。
寂しい夜、1人きりの時間に聴くと、歌声が心にしみわたるはずです。
玄界灘段田男

荒波が押し寄せる玄界灘を舞台に、東京へと旅立つ若者の決意と父とのきずなを描いた、段田男さんの1作目のシングル曲。
吉田旺さんが詞を手がけ、市川昭介さんが曲を担当したこのナンバーは、男の哀愁と誇りを情感たっぷりに表現しています。
伸びやかな歌声が迫力のある曲調とよく合っているんですよね。
1987年にはアルバム『男華』に収録、その後オンデマンド盤として再流通されました。
故郷を離れる日の切なさと希望を思い出したい方にオススメの、力強い演歌です。
演歌歌手のデビュー曲(11〜20)
いのち花真木柚布子

1989年11月にリリースされたデビューシングル『いのち花』です。
本作は新宿歌謡祭で銅賞を受賞、演歌歌手としての本格的な活動の起点となりました。
石本美由起さんの作詞、市川昭介さんの作曲という黄金コンビが手がけた本作。
男女の愛と運命を花や舟といった自然のイメージで詩的に描き出しています。
人生の節目を迎えた方、運命的な出会いや別れを経験した方の心に静かに響く1曲でしょう。
カモメお前なら神野美伽

1984年3月に神野美伎さんがリリースしたデビュー作『カモメお前なら』は、鳥井実さんが作詞を、市川昭介さんが作曲を手がけました。
カモメに語りかけるような歌詞が印象的で、港町の情景や旅立ちへの思いが込められています。
演歌らしい節回しを持ちながらも、フォーク風味を帯びた親しみやすい曲調で、演歌初心者の方でも歌いやすい1曲です。
神野さんはデビュー年に第3回メガロポリス歌謡祭新人賞をはじめ、多数の新人賞を獲得しています。
別れ愛若山かずさ

1984年4月に日本コロムビアからリリースされたこの曲は、作詞を荒川利夫さん、作曲を三木たかしさんが手がけた演歌バラードです。
情感たっぷりの歌声で切ない別れの情景を描いたこの曲は、横浜音楽祭で審査員特別賞を受賞、若山かずささんの歌手人生の原点となりました。
別れを受け入れながらもなお未練を残す女性の心理が丁寧につづられています。
そして叙情性を重視した三木たかしさんならではの旋律と、若山さんの抑揚を効かせた節回しが絶妙にマッチしているんですよね。
失恋の痛みを経験したことのある方なら、きっとこの曲に寄り添ってもらえるはずです。
女の人生待ったなし長保有紀

1985年6月にアポロンからリリースされたデビュー曲。
惚れた男性にすがる女性の姿を通して、恋に生きる女の覚悟と切なさが描かれています。
タイトルが示す通り、人生の限られた時間の中で逃せない恋の機会、その焦りと情熱が歌詞に込められているんですね。
長保有紀さんは本作でデビューを果たした後、1987年には全日本有線放送大賞新人賞を受賞。
その後も『しのび川』『惚の字傘』といったヒット曲を生み出し、1994年にはNHK紅白歌合戦への出場も果たしました。





