1960年代のアンダーグラウンドシーンから生まれたガレージロック。
ザ・デヴィル・ドッグスやホワイト・ストライプスといった異端児たちが、洗練された音楽とは一線を画す荒々しくも熱いサウンドを奏でてきました。
イギリスのザ・プリズナーズ、ニューヨークのザ・デヴィル・ドッグス、デトロイトのホワイト・ストライプスなど、世界中のアーティストたちが残した足跡をたどりながら、音楽の原点とも言えるガレージロックの魅力をお届けします。
ガレージロックの系譜。海外の異端児たちが残した足跡(1〜10)
Rock & Roll QueenThe Subways

イギリスのインディーロックシーンから飛び出したザ・サブウェイズが2005年6月にリリースした青春賛歌。
若さと情熱が溢れ出すエネルギッシュなギターリフと、力強いボーカルが印象的な一曲です。
デビューアルバム『Young for Eternity』からの代表曲として、UKチャートで22位を記録しました。
ハリウッド映画『ダイ・ハード4.0』や『ロックンローラ』のサウンドトラックに採用されたほか、人気ドラマ『The O.C.』では、バンド自身が出演して演奏するシーンも話題を呼びました。
2020年には15周年を記念して20か国語のバージョンを制作。
グラストンベリーやレディング&リーズなど、大型フェスでも定番となっている本作は、エネルギーを全開にしたい瞬間にぴったりの一曲です。
When The Sun Goes DownArctic Monkeys

2002年にアレックス・ターナーさん、ジェイミー・クックさん、マット・ヘルダースさん、ニック・オマリーさんなどを中心に結成されたイングランド出身のガレージロックバンドです。
ロンドンオリンピックの開会式でも演奏するほどの実力を持っているバンドです。
NaiveThe Kooks

ノスタルジックなギターリフとパワフルなリズムが交差する、2000年代のイギリスインディーロックを象徴する楽曲です。
イギリスのザ・クークスが2006年3月にシングルとしてリリースした本作は、恋愛の不安と期待が絡み合う青春のような輝きを放っています。
キャッチーなメロディと若者の感性を掴んだ歌詞により、イギリスのシングルチャートで5位を記録。
イギリス国内で年間19位の売上を達成しました。
アルバム『Inside In/Inside Out』からの4枚目のシングルとして選ばれた本作は、映画やテレビドラマのサウンドトラックとして多数採用され、若いリスナーを中心に幅広い支持を集めています。
友人との語らいや、心躍る恋愛の場面など、青春の1ページを彩る楽曲としてぴったりです。
I Love LAStarcrawler

荒々しくもキャッチーなガレージロックの正統派、スタークローラーさんが奏でるロサンゼルスへの情熱的なラブレター。
2018年1月に発売されたデビューアルバム『Starcrawler』に収録された本作には、70年代パンクやグラムロックの影響を受けた疾走感溢れるギターリフと、アロー・デ・ワイルドさんの挑発的なボーカルが響き渡ります。
BBCの音楽番組「Later… with Jools Holland」での演奏をきっかけに、欧米のロックファンから熱い支持を集めています。
ロサンゼルスの日常を切り取った映像美と相まって、若者たちの叫びと自由を体現した名曲として、反骨精神あふれるロックンロールを愛するすべての人におすすめです。
Sunday MorningThe Velvet Underground

ニューヨークのアンダーグラウンドシーンから誕生したヴェルヴェット・アンダーグラウンドによる夢幻的な楽曲は、穏やかな朝の情景を描きながら、孤独や不安といった都会的な感情を巧みに表現しています。
セレスタの浮遊感のあるサウンドとルー・リードさんの優しいボーカルが、聴く者を幻想的な世界へと誘います。
本作は1966年12月にシングルとしてリリースされ、翌1967年に発売されたアルバム『The Velvet Underground & Nico』の1曲目を飾りました。
2021年にはトリビュートアルバム『I’ll Be Your Mirror』でR.E.M.のマイケル・スタイプさんがカバーするなど、現代でも色褪せない魅力を放っています。
朝の静けさの中で一人きりの時間を過ごしたい時、心に寄り添ってくれる一曲です。
Louie LouieThe Kingsmen

オレゴン州ポートランド出身のガレージロックバンド、ザ・キングスメンが1963年に残した伝説的な1曲は、わずか数百ドルの予算で、たった1テイクで録音されました。
歯列矯正器具を装着したリードボーカルが不明瞭に歌うその歌声は、FBIが2年間にわたって調査を行うほど社会現象となりました。
アルバム『The Kingsmen in Person』に収録された本作は、チャート2位を記録し、6週間にわたってその座を維持。
その後、ローリング・ストーン誌の「世界を変えた40曲」で5位にランクインし、1999年にはグラミー賞の殿堂入りも果たしています。
シンプルなコード進行とリズム、荒々しくもエネルギッシュな演奏は、パンクロックやガレージロックの原点として、音楽の歴史に大きな足跡を残しました。
若々しい情熱とエネルギーにあふれる本作は、ロックの原点に触れたい音楽ファン必聴の1曲です。
Doing It To DeathThe Kills

荒々しい官能性と洗練されたサウンドが融合した英米混成デュオ、ザ・キルズが、アルバム『Ash & Ice』から贈る珠玉のナンバーです。
2016年3月に公開された本作は、メンバーのギター・リハビリを乗り越えて5年ぶりに完成した意欲作。
重厚なギターリフとミニマルなドラムビートが絶妙なバランスを保ち、アリソン・モシャートさんの冷静かつ魅惑的なボーカルが心を捉えます。
反復と疲弊をテーマに、欲望と快楽の循環を表現した楽曲で、ウェンディ・モーガン監督によるスタイリッシュな映像美も話題を呼びました。
ストイックなまでにロックンロールを追求したい方、そしてアンダーグラウンドな音楽を求める方におすすめの一曲です。