まずはここから!海外のサイコビリーの名曲・代表曲まとめ
ロカビリーとパンクが衝突して生まれた「サイコビリー」という音楽ジャンルをご存知ですか?
1970年代末から80年代にかけて欧米で開花したこの音楽は、ダブルベースの轟音とホラー要素を取り入れた独特の世界観で多くの音楽ファンを魅了してきました。
荒々しさの中にも洗練された音楽性と、時にユーモアを感じさせる歌詞が特徴的なサイコビリー。
この記事では、ジャンルの成り立ちから魅力まで、音楽好きなあなたも思わず引き込まれる名曲の数々をご紹介していきます。
まずはここから!海外のサイコビリーの名曲・代表曲まとめ(1〜10)
Johnny Remember MeThe Meteors

亡くなった恋人の「忘れないで」という声が聞こえ続ける、そんな切なくも恐ろしい物語を描いた楽曲!
元は1961年にヒットしたゴースト風ポップスですが、サイコビリーの始祖The Meteorsの手にかかると、全く別の表情を見せます。
この楽曲は、オリジナルが持つ哀愁を、パンクの衝動と叩きつけるようなアップライトベースで塗り替えた過激なサウンドが特徴です。
主人公の悲しみは狂気じみたエネルギーに昇華され、聴く者の心を激しく揺さぶります。
1983年1月当時にリリースされた本作は、名盤『Wreckin’ Crew』の冒頭を飾り、ライブの定番としても愛され続けています。
ホラー映画のようなスリルと攻撃的なロックンロールを同時に味わいたい夜に聴いてみてはいかがでしょうか?
Human FlyThe Cramps

自分がブンブンと音を立てる蝿だと叫ぶ、倒錯的な世界観が魅力の楽曲です!
ガレージ感満載の歪んだギターと、地の底から響くようなボーカルが絡み合い、まるで主人公が本当に怪人へと変身していくかのよう。
社会の片隅で疎まれる存在であることの叫びを、醜い虫けらに自身を重ねて表現しているのかもしれませんね。
本作は1979年7月、名盤EP『Gravest Hits』に収録された一曲で、日産のテレビCMでカバー版が起用されたことでも知られています。
常識や綺麗事にうんざりした夜、退廃的で刺激的な世界観に浸りたい時にピッタリといえるのではないでしょうか?
King RatGuana Batz

ロカビリーにパンクの毒を注入したGuana Batzのキラーチューン。
社会の底辺から成り上がったネズミの王様を思わせる、不気味で攻撃的な歌詞の世界観が頭から離れない、中毒性の強い楽曲です。
地を這うようなウッドベースのスラップ音と性急なギターリフ、叫ぶようなボーカルが絡み合うダークなサウンドは一度聴けば病みつきに!
本作は1985年にリリースされたデビューアルバム『Held Down To Vinyl …. At Last!』収録の人気曲。
そのすさまじいエネルギーをより深く実感したい方には、ライブ盤『Live Over London』で熱狂の渦に飛び込むのがオススメ!
荒々しいビートに身を任せれば、ますます曲のとりこになっていくでしょう。
Miss TakeHorrorPops

まるで失敗ばかりのヒロインが、開き直ってステージの主役になったみたい!
Horrorpopsが2004年2月リリースのデビュー盤『Hell Yeah!』に収めたこの楽曲は、「間違い」と「お嬢さん」をかけた遊び心満載の一曲です。
ウッドベースが唸る痛快なサイコビリーに、軽快なスカやサーフロックが融合し、映画『Punk Rock Holocaust』やコンピ盤『Punk-O-Rama 10』にも収録されました。
落ち込んだ気分をカラッと吹き飛ばしたい時にピッタリで、どんな失敗も笑い飛ばせる元気をくれること間違いなし!
Transvesitite BluesDemented Are Go

社会の「普通」からはみ出してしまう切なさと、それでも自分を曲げられない衝動を歌っているのが特徴的!
ウェールズが誇るサイコビリーの重鎮、Demented Are Goが奏でる本作は、アップテンポなロカビリーサウンドに乗せて、マイノリティのブルースを描き出します。
その姿は、周りと違うことに悩む私たちの心にも、どこか重なるかもしれませんね。
この曲は、1986年当時のデビュー盤『In Sickness & In Health』に収録された一曲。
アルバムの9割がファーストテイクという逸話通り、荒々しい初期衝動が真空パックされています。
窮屈な日常に風穴を開けたい夜、少しだけ悪い気分に浸りながら聴くのがオススメですよ!
American NightmareMisfits

けたたましいギターリフと手拍子が強烈なインパクトを放つ、Misfitsを象徴する一曲!
わずか1分42秒という短い時間に、悪夢に追われるような焦燥感と狂気が凝縮されています。
本作から感じられるのは、歌詞が描く暴力的な光景だけでなく、社会そのものが内包する闇なのかもしれません。
この音源は1981年6月に一発録りでレコーディングされたという逸話も。
公式には、1985年9月に発売のコンピレーション・アルバム『Legacy of Brutality』で初めて収録されました。
この曲こそサイコビリーの元祖と評価する声も多く、ホラー映画のようなゾクゾクするスリルを味わいたい夜に、ピッタリといえるのではないでしょうか?
Destination Zulu LandKing Kurt

King Kurtが叩きつける、最高に愉快なパーティーアンセムはいかがでしょう。
アフリカンなビートと疾走するロカビリーが衝突したサウンドを聴けば、もう気分は最高潮!
歌詞では、未知の土地「ズールーランド」を目指す探検家の冒険が描かれていますが、そこにあるのは恐怖ではなく、ハプニングさえも笑い飛ばすような底抜けのポジティブさです。
この楽曲は、1983年10月当時のUKチャートで36位を記録したヒットシングルで、名盤『Ooh Wallah Wallah』にも収録されています。
音楽番組で披露された際は、そのハチャメチャなステージングも大きな話題となりました。
何もかも忘れて騒ぎたい夜に、この痛快なサウンドで踊り明かしてみるのもよいかもしれませんね。