バロック時代の作曲家、ヨハン・パッヘルベルによる『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調』の前半部分にあたるカノン、通称『パッヘルベルのカノン』は、タイトルは知らずとも誰もが一度は耳にしているのでは。
そんな『カノン』のコード進行ですが、実は多くのJ-POPヒット曲で用いられていることを、ご存じでしょうか。
本記事ではストレートにカノン進行を使った曲はもちろん、独自のアレンジを加えたさまざまなパターンも含めた作品を紹介していきます。
作曲について勉強したい方は必見です!
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SpeakingNEW!Mrs. GREEN APPLE

メジャー1stシングルとしてMrs. GREEN APPLEが2015年12月にリリースした、カノン進行を巧みに活用した楽曲です。
本作はテレビ東京系アニメ『遊☆戯☆王ARC-V』第76話からエンディングテーマに採用され、オリコン週間シングルランキング3位を記録。
歌詞はSNS時代のコミュニケーションに向き合ったもので、画面越しではなく目を見て本音を語り合う大切さをさわやかなメロディーに乗せて教えてくれます。
友だちと深く向き合いたいと感じている人にオススメの1曲です。
何度でもNEW!DREAMS COME TRUE

失敗や挫折をくり返しても立ち上がり続ける、その姿勢を力強く歌い上げたメッセージソングです。
DREAMS COME TRUEの2005年のシングルで、フジテレビ系ドラマ『救命病棟24時 第3シリーズ』の楽曲として起用。
オリコン週間3位を記録し、その後も映画『Mayu -ココロの星-』の主題歌としてや医療従事者支援プロジェクトなど、困難に立ち向かう人を支える歌として長く愛されている作品です。
サビ部分でカノン進行の前半部分を効果的に用いながら、後半は下行クリシェ的な展開に置き換えることで、倒れても再び立ち上がるというテーマに合致した循環的なハーモニーを実現しています。
青春の影NEW!チューリップ

1970年代のフォークロックシーンに大きな影響を与えたチューリップの代表作である『青春の影』。
カノン進行を取り入れた、日本のポップス史における重要な1曲です。
1974年6月にリリースされた本作は、フジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下』シリーズや映画『さよなら、クロ』の主題歌として採用。
結婚式の定番ソングとしても長く愛されています。
恋から愛へと変わる瞬間を描いたリリックが、別れとも誓いともとれる独特な余韻を残し、幅広い世代の心をつかみました。
ようこそジャパリパークへNEW!どうぶつビスケッツ × PPP

テレビアニメ『けものフレンズ』のオープニングテーマとして2017年2月にリリースされたこの楽曲は、大石昌良さんが作詞作曲、編曲を手がけたどうぶつビスケッツ×PPPのデビューシングル。
アップテンポなビートに乗せて明るく開放的なメロディーが展開される構成で、アニソン的な王道コード進行がAメロ、Bメロ、サビそれぞれにちりばめられています。
キャッチーなメロディーがテンションを上げてくれる、ポップナンバーです。
かわENEW!ヤバイTシャツ屋さん

映画『ニセコイ』の主題歌として2018年12月にリリースされた、ヤバイTシャツ屋さんの楽曲、恋する相手の魅力をアルファベットの順番で表現するユニークな歌詞が印象的な、ポップパンクナンバーです。
サビでカノン進行を全面的に採用しており、ベースラインと循環構造が感情の高まりを増幅させています。
Aメロは4度進行でシンプルに構成し、サビで王道のカノン進行に切り替えることで、恋心が一気に膨らんでいく感情線を強調。
何度聴いても飽きない1曲です。
青空NEW!ノクチル

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のアプリゲーム内で2024年1月に実装されたノクチルのユニット曲。
作詞を秋浦智裕さん、作曲編曲を渡辺徹さんが手がけた、透明感あふれるポップロックナンバーです。
イントロからAメロにかけて基本形のカノン進行が用いられている点が特徴で、ベースラインが階段状に移動していくアレンジがノクチルらしい瑞々しさをかもし出しています。
また、そんなサウンドと、日常の小さな幸せを積み重ねていくような歌詞のテーマがぴったり重なっているんですよね。
パラダイス銀河NEW!光GENJI

1980年代末期の日本に社会現象を巻き起こしたローラースケートアイドル、光GENJIの代表曲として知られるナンバーで、1988年3月に発売されました。
CHAGE and ASKAの飛鳥涼さんによる作詞作曲で、サビのコード進行がC、GonB、Am、Em7、F、ConE、Dm7、Dm7onGと展開される典型的なカノン進行で構成。
オンコードを多用することで滑らかなベースラインを実現しています。
カノン進行の循環する和声感がアイドルソングの高揚感と見事に融合した、昭和ポップスの金字塔といえるでしょう。





