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【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲

ミニマル、という言葉を耳にしてあまり音楽に詳しくないという方であれば、おそらく「ミニマリスト」といった言葉などを連想するかもしれません。

今回の記事の主役である「ミニマル・テクノ」はテクノ・ミュージックの発展形であり、最小限の音数で1つのパターンを反復していくスタイルが1つの特徴なのです。

現代音楽から生まれたミニマル・ミュージックが必ずしも基盤となっているわけではなく、自然とミニマルの様式を導入したアーティストも多くいるのですね。

そんなミニマル・テクノというジャンルはかなり細分化されていますから、本稿では広義の意味での「ミニマル・テクノ」の名曲を集めてみました。

初心者の方も、ぜひお楽しみください!

【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲(1〜10)

Over the IceThe Field

The Field – Over the Ice ‘From Here We Go Sublime’ Album
Over the IceThe Field

スウェーデン出身のDJ、テクノ・ミュージシャンのアクセル・ウィルナーさんによるソロ・プロジェクトであるザ・フィールドは、ミニマル・テクノやアンビエント・テクノといったジャンルで質の高い作品を発表している人気のアーティストです。

アンビエント~エレクトロニカの愛好家にはおなじみのドイツの名門レーベル「Kompakt」の看板アーティストとしても著名であり、その独創的なサウンドがレーベル・カラーを決定付けたとも言われるほどの影響力を誇っています。

そんなザ・フィールドさんによる初期の名曲『Over the Ice』は、2006年に発表されたEP作品『Sun & Ice』が初出で、1年後の2007年にリリースされたデビュー・アルバム『From Here We Go Sublime』にもオープニング・トラックとして収録された、傑作と名高い代表曲の1つです。

ミニマル・テクノの方法論を用いながらも、どこか浮遊するシンセ・サウンドに北欧らしさを感じさせ、幻想的な音のレイヤードはリリース当時からテクノ・ファンのみならず、シューゲイザー・リスナーが好んで聴いていたというのも個人的には懐かしく思い出されます。

ミニマル・テクノの発展形として、こちらもぜひチェックしていただきたい作品及びアーティストですね。

余談ですが、ネット・カルチャーに詳しい方であれば、東方Projectの二次創作作品「走るチルノ」のテーマのような形で使われている曲、と言えば「あの曲か!」と思い当たるかもしれませんね。

Quadrant Dub IBasic Channel

Basic Channel – Quadrant Dub I – 1994
Quadrant Dub IBasic Channel

ベーシック・チャンネルは1990年代においてドイツのアンダーグラウンド・シーンが生んだ伝説的なデュオ、レーベル名です。

モーリッツ・フォン・オズワルドさんとマルク・エルネストゥスさんの2人で1993年に結成されたプロジェクトであり、モーリッツさんは80年代のジャーマン・ニューウェーブにおいてもバンドのパーカッショニストとして活動、90年代以降にエレクトロ・ミュージックへと移行した経歴の持ち主なのですね。

ミニマル・テクノの最大の特徴である同一のフレーズが延々と繰り返されるテクノ・サウンドに加えてダブの要素を持ち込み、後のミニマル・テクノやミニマル・ダブといったジャンルへ多大なる影響を及ぼしたのです。

そんなベーシック・チャンネルが1993年に発表した名作シングル『Quadrant Dub』は、タイトルの通りダブ・テクノの先駆けにして傑作と名高い逸品。

A面とB面でIとIIが分かれており、本稿では便宜上A面の「I」を取り上げていますが、2つの『Quadrant Dub』を聴いて初めて楽曲の本質が掴めるものでしょう。

ディープかつダビーな音響空間、反復するミニマリズムがA面で15分間、B面で20分近く展開する極上のダブ・テクノ~ミニマルが織り成す極上の音楽的体験は、ミニマル好きのみならずとも一度は味わっていただきたいですね!

FarencountersThe Advent

The Adventは、コリン・マクビーンさんとシスコ・フェレイラさんが1994年にロンドンで結成したテクノユニットです。

彼らが1995年にリリースしたアルバム『Elements Of Life』では、疾走感のあるハードなミニマム・テクノサウンドを楽しめますよ。

残念ながら1999年にコリン・マクビーンさんが脱退しましたが、それ以降もシスコ・フェレイラさんの単独ユニットとして精力的に活動を続けています。

【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲(11〜20)

SleepchamberH&M

ジェフ・ミルズさんとロバート・フッドさんという、ミニマル・テクノをオリジネイター的な存在でありアンダーグラウンド・レジスタンスとして活動をともにした盟友でもある2人が組んだH&Mは、ミニマル・テクノの創成期において最重要と言えるユニットです。

ジェフさんとロバートさんはデトロイト・テクノに独自のミニマリズムを導入、控えめな音数で反復していくトラックはまさにミニマル・テクノの源流と呼ぶべきものでしょう。

本稿で紹介している『Sleepchamber』は、1992年にジェフさん本人が主催するレーベル「AXIS」より発表されたEP作品『Tranquilizer EP』の1曲目に収録された楽曲で、後のミニマル・テクノへと結びつくサウンド・メイキングでありながらも、有機的な要素を持ったデトロイト・テクノの名残りを感じ取れるというのが興味深いですね。

最初期のミニマル・テクノというのはもちろん、初期テクノ・ミュージックの名曲として歴史を深掘りしている方なら確実に押さえておくべき珠玉の名曲だと言えましょう。

96:01 01:00Richie Hawtin

「ミニマル・テクノの帝王」と呼ばれることもあるリッチー・ホウティンさんは、イギリスはオックスフォードシャー出身で幼い頃にカナダのオンタリオ州に移住、対岸に位置するデトロイトのテクノ・シーンにも大きな関わりを持つ偉大なアーティストです。

さまざまな名義を使い分けるタイプのアーティストであり、1990年代初頭にはアシッドハウスの進化形とも言えそうなサウンドを作り上げる傍らで、クリックやミニマルといったサウンドにも大きな影響を与えた実験的な音を展開、ミニマル・テクノに興味を持たれた方であれば確実にチェックすべき「MINUS」や「PLUS 8」といったレーベルも運営するリッチーさんは、幅広い意味でのエレクトロニック・ミュージックをけん引し続ける存在なのですね。

本稿ではミニマル・テクノがテーマということで、リッチーさんが1996年に毎月リリースしていたタイトル通りのコンセプチュアルな12インチ・シリーズ『Concept』の第一弾となった『Concept 1』収録の楽曲『96:01 01:00』を紹介します。

ご本人が自身のキャリアの中でも最重要の転機だったと位置付ける作品シリーズの楽曲であり、その実験的かつ当時のリッチーさんの心象風景が刻印されたようなトラックは、ミニマル・テクノを深掘りしていく上でも必ずや聴くべき歴史的な名曲だと言えましょう。

Théorème D’ArchimèdeRicardo Villalobos

南米チリ出身のDJ兼ミュージシャン、リカルド・ヴィラロボスさん。

子どもの頃からコンガとボンゴなど打楽器を演奏していましたが、15歳のときにイギリスのニューウェーブバンド、ディペッシュ・モードの音楽に出会ったことて徐々にテクノなど電子音楽に転向。

1998年から本格的にDJを初め、2004年にはアルバム『The au Harem d’Archimède』をリリースしました。

音自体はシンプルでありながら、複雑に変化していくサウンドが楽しめますよ!

Dump TruckCobblestone Jazz

ミニマル・テクノ~テック・ハウスといったジャンルであっても、アーティストによって鳴らされる音はさまざまです。

カナダ出身のコブルストーン・ジャズは、ミニマル・テクノにジャズの即興性を落とし込んだ独創的なエレクトリック・ミュージックで高い評価を得るトリオ。

最新のものからアナログの機材を自在に操り、ジャズ・ミュージシャンとしてのスキルを持つメンバーも在籍している彼らは2022年の現時点でアルバムのリリースは2枚のみですが、どちらも素晴らしい傑作ですからぜひチェックしてもらいたいですね。

今回は彼らのディスコグラフィの中でも、カナダの名門レーベル「Wagon Repair」からは初のリリースとなった2006年の傑作シングル『Dump Truck』を紹介します。

2008年にリリースされたデビュー・アルバム『23 Seconds』にも収録されており、粘っこいベース・ラインとファンキー・ジャズのような軽やかな鍵盤のフレーズが典型的なミニマル・テクノとは一線を画すオリジナリティを発揮!

メロディも感じ取れますし、ミニマル・テクノが持つある種の無機質な面が聴き慣れないという初心者にとっても入りやすい音と言えるかもしれません。