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【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲

ミニマル、という言葉を耳にしてあまり音楽に詳しくないという方であれば、おそらく「ミニマリスト」といった言葉などを連想するかもしれません。

今回の記事の主役である「ミニマル・テクノ」はテクノ・ミュージックの発展形であり、最小限の音数で1つのパターンを反復していくスタイルが1つの特徴なのです。

現代音楽から生まれたミニマル・ミュージックが必ずしも基盤となっているわけではなく、自然とミニマルの様式を導入したアーティストも多くいるのですね。

そんなミニマル・テクノというジャンルはかなり細分化されていますから、本稿では広義の意味での「ミニマル・テクノ」の名曲を集めてみました。

初心者の方も、ぜひお楽しみください!

【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲(21〜30)

Faith In StrangersAndy Stott

ミニマル・ダブ~実験的なテクノ・サウンドを独自の感性で生み出し、多くの電子音楽ファンから高い評価を受けているのが、イギリスはマンチェスター出身のアンディ・ストットさんです。

2010年代以降におけるテクノ・シーンでも孤高の存在感を放つアンディさんが発表するアルバムはどれも一筋縄ではいかないもので、どの作品を聴いても特異な才能に驚かされるのですが、本稿では2014年にリリースされた通算3枚目のアルバムにして人気作『Faith In Strangers』の表題曲を取り上げます。

クラブユースで機能的なダンス・ミュージックとは一線を画す、妖しげな電子音とソリッドなビート、どこかポスト・パンク的な雰囲気を持ち合わせた印象的なベース・ライン、不協和音やノイズがダウナーな世界観を演出しており、アルバム全体的にも大きな比重を占めるアリソン・スキッドモアさんの気だるげなボーカルがリスナーをディープな世界へと誘います。

音を聴くという行為で抜け出せない世界へと沈みこみたい、といった願望のある方はぜひ一度体感してみてください!

data.matrixRyoji Ikeda

都会的な電子音とノイズ、そして細やかな生活音と環境音が空間を埋める非常に芸術的なアルバム。

普段の生活の中では特に気にも留めず、無意識に聴き流すような音が見事に編集され、ひとつの音楽を形成しています。

池田亮司さんは音楽だけでなく現代美術の世界でも活躍する生粋のアーティストで、もちろんその作風はミニマル。

音楽、芸術、そして文学の世界にもミニマルのスタイルは浸透していますが、彼のアルバムはミニマルアートの好例であると言えるでしょう。

SuddenlyMatthew Herbert

HERBERT – Suddenly (Official Video) – Matthew Herbert
SuddenlyMatthew Herbert

英国の電子音楽家、マシュー・ハーバートさんはさまざまな名義を駆使しながら独創的なサウンドを作り出し、プロデューサーとしても多くの大物アーティストを手掛けている存在です。

1つのジャンルに固執しているタイプではないですが、今回はミニマル・テクノのハウス的な要素を取り入れたミニマル・ハウスにおける重要人物という観点でのハーバードさんの楽曲を紹介しましょう。

こちらの『Suddenly』は、2001年にリリースされた電子音楽系の名門レーベル「!K7 Records」よりHerbert名義で発表された傑作『Bodily Functions』に収録されている楽曲。

ハーバートさんの飛躍に大いに貢献したシンガー、ダニ・シシリアーノさんのアンニュイでクールなボーカルが美しく聴きやすいナンバーと言えますが、エレクトロ・ミュージックにジャズ的な要素を取り入れ、さらには日常の生活音などがサンプリングされた奥深いトラックの妙は今もなおその輝きを失うことはありません。

ハーバートさん独自の政治哲学といったような思想が歌詞や楽曲すべてに込められており、そういった楽曲の背景を知れば知るほど、ハーバートさんの音楽に対する理解も深まることでしょう。

ミニマル、ハウス、エレクトロニカといったテクノ・ミュージック好きはもちろん、多くの音楽ファンに聴いて頂きたい芸術作品です!

PlumbiconMonolake

1969年にドイツはミュンヘンにて生まれたロバート・ヘンケさんは、ミュージシャンとしての作曲活動のみならず、サウンドデザインやソフト フェア開発、インスタレーションなどの分野で活躍、ベルリン芸術大学教授という顔も持つ多才なアーティスト。

ヨーロッパのテクノ・ミュージックやアート・シーンに大きな影響力を持つロバートさんが1995年にGerhard Behlesさんと始めたプロジェクトの「Monolake」は、ミニマル・ダブと呼ばれるジャンルにおける先駆的な存在として知られています。

本稿で取り上げている楽曲『Plumbicon』は、2005年にリリースされた通算6枚目のアルバム『Polygon-Cities』に収録されている楽曲で、翌年の2006年にはバージョン違いを収録した2枚の12インチ・シングルがリリースされた人気曲です。

さらに翌年の2007年には2つの12インチの収録内容をまとめた形で『Plumbicon Versions』のタイトルでCDとしてリリースされていますね。

ディープかつダビーな音響処理が特徴的なミニマル・サウンドを軸としながらも、軽やかと言ってもよさそうなリズムが導入され、少しずつ変化を見せる楽曲展開の中で効果的に鳴らされる奇妙な電子音も含めて、聴きやすいトラックと言えそうです。

SyllableSurgeon

Surgeon – Communications – Syllable
SyllableSurgeon

サージョンさんはイギリス出身ですが、その音楽スタイルはドイツの硬質なテクノやクラウトロック、そしてインダストリアル系のような印象を受けますね。

ご自身もテクノの持つ可能性として、さまざまな技法を用いて幅広い表現をするよう意識されているようです。

彼は特にライブを大切にされていて、DJ用の機材だけでなく楽器による生の音もたくさん取り入れるようになったのだとか。

そういう影響もあってか、『Communications』のドラムをよく聴いてみると、シンバルがところどころ非常に強烈に鳴っており、瞬間的に音割れしている部分もあることがわかります。

生バンドのライブ盤ではよくある表現がテクノロジーを通して表現されていて、面白いですね。

MasallaLUCIANO

チリのアーティストたちによる独自のミニマル・テクノ、日本における通称「チリアン・ミニマル」の代表格といえば、リカルド・ヴィラロボスさんとルチアーノさんでしょう。

ルチアーノさんはスイス出身で12歳の時に母親の出身校であるチリへと移住したという経歴を持ち、ラテン・ミュージックの要素を取り入れた独創的なミニマル・サウンドを鳴らす先鋭的なミュージシャンであり、トップDJでもあり、ミニマル~テック・ハウスと呼ばれるジャンルの大人気レーベル「CADENZA」を主宰するなど、まさにシーンの頂点に君臨する存在です。

今回取り上げている『Masalla』は、ミニマル・ハウスやテック・ハウスといったジャンルを定義づけたルチアーノさんが、2007年に発表した2枚組EP『Etudes Electroniques』のC面に収録された人気の1曲。

細かく刻まれていくトライバルなビートと美しさを感じさせるシンセのメロディが反復しながらも徐々に展開していく様が、実にドラマチックかつアブストラクトなクリック~ミニマルの名曲です!

12分近い大作ではありますが、このサウンドがいつまでも続いてほしいと感じてしまうほどに、独創的な音世界へと没入できることをお約束します!

CelestialLUCIANO

サンバのような躍動的なドラムのパターンと美声が繰り返され、聴いていて晴れやかな空のイメージが浮かんできます。

パーティでこのアルバムをかければ盛り上がること間違いなしですね!

同じフレーズを、速度を変えて再利用したりと、ミニマルテクノらしい細やかな配慮が行き届いています。

とっても壮大な作品に聴こえますが、ドラムにおいても同じ音が別の場面で再利用されていたりと、よく聴くと無駄な音が極力減らされていることがわかります。