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【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲

ミニマル、という言葉を耳にしてあまり音楽に詳しくないという方であれば、おそらく「ミニマリスト」といった言葉などを連想するかもしれません。

今回の記事の主役である「ミニマル・テクノ」はテクノ・ミュージックの発展形であり、最小限の音数で1つのパターンを反復していくスタイルが1つの特徴なのです。

現代音楽から生まれたミニマル・ミュージックが必ずしも基盤となっているわけではなく、自然とミニマルの様式を導入したアーティストも多くいるのですね。

そんなミニマル・テクノというジャンルはかなり細分化されていますから、本稿では広義の意味での「ミニマル・テクノ」の名曲を集めてみました。

初心者の方も、ぜひお楽しみください!

【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲(21〜30)

data.matrixRyoji Ikeda

都会的な電子音とノイズ、そして細やかな生活音と環境音が空間を埋める非常に芸術的なアルバム。

普段の生活の中では特に気にも留めず、無意識に聴き流すような音が見事に編集され、ひとつの音楽を形成しています。

池田亮司さんは音楽だけでなく現代美術の世界でも活躍する生粋のアーティストで、もちろんその作風はミニマル。

音楽、芸術、そして文学の世界にもミニマルのスタイルは浸透していますが、彼のアルバムはミニマルアートの好例であると言えるでしょう。

PlumbiconMonolake

1969年にドイツはミュンヘンにて生まれたロバート・ヘンケさんは、ミュージシャンとしての作曲活動のみならず、サウンドデザインやソフト フェア開発、インスタレーションなどの分野で活躍、ベルリン芸術大学教授という顔も持つ多才なアーティスト。

ヨーロッパのテクノ・ミュージックやアート・シーンに大きな影響力を持つロバートさんが1995年にGerhard Behlesさんと始めたプロジェクトの「Monolake」は、ミニマル・ダブと呼ばれるジャンルにおける先駆的な存在として知られています。

本稿で取り上げている楽曲『Plumbicon』は、2005年にリリースされた通算6枚目のアルバム『Polygon-Cities』に収録されている楽曲で、翌年の2006年にはバージョン違いを収録した2枚の12インチ・シングルがリリースされた人気曲です。

さらに翌年の2007年には2つの12インチの収録内容をまとめた形で『Plumbicon Versions』のタイトルでCDとしてリリースされていますね。

ディープかつダビーな音響処理が特徴的なミニマル・サウンドを軸としながらも、軽やかと言ってもよさそうなリズムが導入され、少しずつ変化を見せる楽曲展開の中で効果的に鳴らされる奇妙な電子音も含めて、聴きやすいトラックと言えそうです。

MagnezeSurgeon

英国テクノの大ベテランにして鬼才、アンソニー・チャイルドさんによるソロ・プロジェクト「Surgeon」は、ハード・ミニマル~インダストリアル・ミニマルといったジャンルの先駆者として知られるレジェンド的な存在です。

多くのミニマル・クラシックな名曲の数々を世に送り出したサージオンのディスコグラフィの中でも、今回はサージオンと同じく英国ミニマルのパイオニアである「Regis」の名義で知られるKarl O’Connorさんが主催する「Downwards Records」より1994年に発表された初期の名作EP『Surgeon EP』の1曲目『Magneze』を紹介します。

数える程度の音数で構成されながらも、緻密な計算の上で成立したトラックの圧倒的な説得力、訴求力はリリースから30年近くがたった今も鮮烈の一言。

ハードミニマルという枠内をこえて、90年代のテクノ・クラシックの1つとしてぜひ体感してみてください。

SyllableSurgeon

Surgeon – Communications – Syllable
SyllableSurgeon

サージョンさんはイギリス出身ですが、その音楽スタイルはドイツの硬質なテクノやクラウトロック、そしてインダストリアル系のような印象を受けますね。

ご自身もテクノの持つ可能性として、さまざまな技法を用いて幅広い表現をするよう意識されているようです。

彼は特にライブを大切にされていて、DJ用の機材だけでなく楽器による生の音もたくさん取り入れるようになったのだとか。

そういう影響もあってか、『Communications』のドラムをよく聴いてみると、シンバルがところどころ非常に強烈に鳴っており、瞬間的に音割れしている部分もあることがわかります。

生バンドのライブ盤ではよくある表現がテクノロジーを通して表現されていて、面白いですね。

MasallaLUCIANO

チリのアーティストたちによる独自のミニマル・テクノ、日本における通称「チリアン・ミニマル」の代表格といえば、リカルド・ヴィラロボスさんとルチアーノさんでしょう。

ルチアーノさんはスイス出身で12歳の時に母親の出身校であるチリへと移住したという経歴を持ち、ラテン・ミュージックの要素を取り入れた独創的なミニマル・サウンドを鳴らす先鋭的なミュージシャンであり、トップDJでもあり、ミニマル~テック・ハウスと呼ばれるジャンルの大人気レーベル「CADENZA」を主宰するなど、まさにシーンの頂点に君臨する存在です。

今回取り上げている『Masalla』は、ミニマル・ハウスやテック・ハウスといったジャンルを定義づけたルチアーノさんが、2007年に発表した2枚組EP『Etudes Electroniques』のC面に収録された人気の1曲。

細かく刻まれていくトライバルなビートと美しさを感じさせるシンセのメロディが反復しながらも徐々に展開していく様が、実にドラマチックかつアブストラクトなクリック~ミニマルの名曲です!

12分近い大作ではありますが、このサウンドがいつまでも続いてほしいと感じてしまうほどに、独創的な音世界へと没入できることをお約束します!