RAG MusicDance Music
おすすめのクラブ・ダンスミュージック
search

ノイズミュージックの名盤。~インダストリアルからジャパノイズまで

通常の音楽的な楽曲構成や音作りを無視したような手法で、時には純粋な楽器ではなく金属物や自然界に流れる音のサンプリング、その他ありとあらゆる方法を駆使したアーティストたちの自由な発想で生まれる「ノイズ・ミュージック」は、言葉通り聴く人を不快にするほど非音楽的なものです。

本稿では、ノイズ・ミュージックを語る上では欠かせない「インダストリアル・ミュージック」と呼ばれるジャンルの代表的なバンドの名盤を中心として、世界的に「ジャパノイズ」として高い評価を受ける日本のアーティストたちの作品も紹介していきます。

雑音の中にしか得られない特別な感覚を、ぜひこの機会に味わってみてください。

ノイズミュージックの名盤。~インダストリアルからジャパノイズまで(1〜20)

Endless Summer

Endless SummerFennesz

あの坂本龍一さんとのコラボレーション作品なども手掛け、2000年代以降の電子音楽~音響~エレクトロニカといったジャンルにおける異才、クリスチャン・フェネスさん。

Fennesz名義での活動が特に有名なフェネスさんといえば、やはり2000年に発表された大傑作アルバム『Endless Summer』の存在は欠かせませんね。

タイトルから想起されるようなノスタルジックな景色が目に浮かぶような、あまりにも美しいフォーキーなエレクトロニカは多くのアーティストたちに影響を与え、2000年代に盛り上がりを見せた美メロ重視のエレクトロニカ、フォークトロニカの先陣を切ったエポックメイキング的な作品としてまさに永遠となった1枚です。

同時に、単にメロディが美しいエレクトロニカというだけではなく、本作は実験的かつ先鋭的な電子音楽の名盤を多くリリースしているオーストリアの名門レーベル、Megoからリリースされた代物であり、ちりばめられたグリッチ・ノイズなどの要素も多く含まれることから、レコード・ショップなどでノイズ~アバンギャルドのコーナーに置かれている場合もあるのです。

広義の意味でのノイズ・ミュージックの発展形として、本作のようなアルバムが存在していることも、ぜひ知っていただきたいところです。

Masonna Vs. Bananamara

SoqlueitMASONNA

MASONNA ‘Masonna Vs. Bananamara’ LP 1989 29 Tracks (FULL ALBUM) Classic Japanese Noise Masterpiece!
SoqlueitMASONNA

非常階段やメルツバウと並び称される「ジャパノイズ」の代表的な存在の1人であり、破滅的なライブ・パフォーマンスでも知られる京都の音楽家、山崎マゾさんのソロ・ユニットであるマゾンナ。

すべてにおいて極限までエクストリームな表現を提示し続ける様は世界で高く評価されますが、あまりにも激しいパフォーマンスゆえに山崎さんが体調を崩してしまい、マゾンナとしての活動は一時期停止状態でした。

2012年には活動25周年を記念した作品『EVIL BLACK DISC』がリリースされるはずでしたが、凶暴極まりないサウンドへのこだわりのために作業が難航、4年を過ぎた2016年にリリースされたというエピソードも強烈ですよね。

本稿で紹介している『MASONNA VS.BANANAMARA』は、1989年にリリースされたマゾンナのデビュー・アルバムで、日本が世界に誇るジャパノイズの金字塔的な作品です。

多重録音なし、全編モノラル録音という本作は筆舌に尽くしがたいノイズと絶叫が矢継ぎ早に襲い掛かるプリミティブな音の塊であり、こういう世界を知らない方が聴いたら雑音にしか聴こえないでしょう。

同時にアングラなノイズ・ミュージック愛好家のみならず、ソニック・ユースやベックといったオルタナティブロックの代表的なミュージシャンたちにも影響を与えていることを踏まえた上で、オルタナ好きな方も一度はこのノイズを体感してみてはいかがでしょうか。

Total Sex

Total SexWhitehouse

AMY WINEHOUSE #shorts #amywinehouse
Total SexWhitehouse

「かつて存在したもっとも激しく冷淡な音楽」と自称、その言葉にふさわしい先鋭的なシンセを使った暴力的なノイズが吹き荒れるデビュー・アルバム『Birthdeath Experience』でノイズ史にその名を刻んだホワイトハウス。

1980年にボーカルとシンセサイザーを担当するウィリアム・ベネットさんを中心としてイギリスで結成された彼らは元祖パワー・エレクトロニクスとも呼ばれ、インダストリアル・ミュージック~ノイズ・ミュージックの歴史において欠かせない存在として知られています。

そんな彼らがデビュー・アルバムのリリースからたったの2ヵ月後にリリースしたセカンド・アルバム『Total Sex』は、マルキ・ド・サド著作『ソドムの120日』を引用した英文が書かれたジャケットもさることながら、一般的な音楽のフォーマットからは著しく逸脱したシンセによるノイズが延々と繰り出され、加工されたボーカルがアジテイトするサウンドは間違いなく一般のリスナーはお断りといった逸品です。

ノイズ・ミュージックに興味がある方であれば必読の名著『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!』を執筆された持田保さんの言葉を借りるなら、まさに「ノイズ・ミュージック=反社会的」というイメージを作り上げたグループ」による禍々しく忌まわしい傑作として、一度は体験すべき音であると言えましょう。

Spotted Pinto BeanThe Residents

レジデンツは1970年代前半に活動を開始したアメリカの音楽グループで、素顔や本名を秘密にしていることで知られています。

「Spotted Pinto Bean」は1974年にリリースされたアルバム「Meet The Residents」の収録曲です。

The Boys Are Leaving TownJapandroids

ジャパンドロイズはブライアン・キングとデヴィッド・プラウズによるカナダのバンドで、2006年に結成されました。

「The Boys Are Leaving Town」は2009年のアルバム「Post-Nothing」に収録されています。