ブレイクビーツの名曲~ルーツから近年の人気曲まで【2025】
1980年代のニューヨークで生まれたブレイクビーツは、ドラムソロのブレイク部分をサンプリングしたことから始まった革新的な音楽制作における手法、ジャンルです。
当時のクラシックなファンクやジャズのレコードから切り取られたリズムパターンは、ヒップホップの基礎を築き、その後のエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えました。
90年代にはドラムンベースやビッグビートなど、新たなジャンルを生み出すきっかけにもなりました。
今なお進化を続けるブレイクビーツシーンで、サンプリング元から歴史に残る名曲、そして最新のトレンドまで、音楽の革新性と魅力が詰まった楽曲の数々をご紹介します。
ブレイクビーツの名曲~ルーツから近年の人気曲まで【2025】(1〜10)
Funky DrummerJames Brown

ヒップホップの歴史はこのドラムから始まったと言っても過言ではない!
アメリカの伝説的アーティスト、ジェームズ・ブラウンさんによる、音楽史に刻まれるファンクナンバーです。
1970年3月に公開された本作は、セッション中に「ドラマーに任せろ」という指示から生まれた即興のドラムブレイクが、あまりにも有名です。
歌詞がなくとも、その場の熱気と高まっていくグルーヴがひしひしと伝わってきます。
このビートは後にPublic EnemyやN.W.A.など数多くのアーティストにサンプリングされ、ヒップホップの礎を築いたのですね。
アニメ『パワーパフガールズ』のテーマで、このリズムを耳にした記憶がある方も多いのでは?
ブレイクビーツの源流に触れたい方にピッタリ!
ぜひ歴史を変えたビートに体を委ねてみてくださいね。
N.T.Kool and The Gang

ブレイクビーツのルーツとも言える、1970年代初頭のクール&ザ・ギャングのファンクナンバー。
ブレイクビーツというと切り刻まれたヒップホップのビートやレイヴィーなイギリスのエレクトロニックダンスミュージックを思い浮かべる人も多いかもしれません。
ですが、初期のブレイクビーツとはブラックミュージック、とくにこのようなソウルナンバーが由来しています。
後にワンバースをループさせてラップをのせたものがヒップホップのルーツとして成り立ちます。
ContactKelela

クラブへ向かう高揚感を、もっと刺激的に体験してみたいと思いませんか?
アメリカ出身のアーティスト、ケレラさんの『Contact』には、夜が始まる瞬間のドキドキするような期待感がギュッと詰め込まれています。
この曲のカッコよさの秘密は、ファンクの名曲、リン・コリンズさんの「Think (About It)」から引用された伝説的なブレイクビーツ。
このクラシックなリズムにUKガラージのビートが融合し、洗練されたダンス空間を生み出す様子は鳥肌ものです!
「クラブに行く前のウォームアップ」というコンセプトが、まさに音になったような一曲。
この曲をかければ、フロアに足を踏み入れる前から気分は最高潮に達するはずです。
Block Rockin’ BeatsThe Chemical Brothers

90年代の音楽は世界的に見ても陰鬱な雰囲気の曲がとても人気でした。
グランジロックや、Gファンクなどなんとなく暗い印象のジャンルがよく流行していたように感じます。
こちらはイギリスのテクノミュージックユニット、マイ・ケミカル・ブラザーズの『Block Rockin’ Beats』という1曲です。
激しいブレイクビートにエートーナルなベースラインと、たくさんのノイズが入りまじったカオスな1曲です。
この手の音楽が流行していた当時、彼らはその頂点に君臨していました。
テクノが好きなら外せない1曲です。
Voodoo PeopleThe Prodigy

強烈なギターリフと呪術的なブレイクビーツが聴く者の本能を揺さぶる、パワフルなナンバーです。
イギリス出身の革新的グループ、ザ・プロディジーは、レイヴカルチャーを背景にロックの攻撃性を取り入れたサウンドで世界を熱狂させました。
本作は、繰り返される呪文のような声が聴く者をトランス状態へと誘い、まるで魔法にかかった人々が一体となって踊り狂う儀式を想起させるのだとか。
1994年9月に発売され、全英1位を獲得した名盤『Music for the Jilted Generation』にも収録されています。
日常の理性を吹き飛ばし、内なる衝動を解放したい夜に、ボリュームを最大にしてその圧倒的なエネルギーに身を任せてみてくださいね。
Boy’s a liar Pt. 2PinkPantheress, Ice Spice

TikTokをきっかけにBillboardチャートTOP3入りという驚異の記録をたたき出した、イギリスのピンクパンサレスさんとアメリカのアイス・スパイスさんによるコラボ曲です。
UKガラージやジャージークラブの要素を感じさせる軽快なブレイクビーツに乗せて、嘘つきな相手への本音を歌う二人の掛け合いを聴いた方も多いのでは?
ささやくような歌声とクールなラップが織りなすグルーヴは、まさに新世代ポップのセンスの塊!
2分強という短い時間に凝縮されたこの中毒性の高いビートに合わせて、あなたも思わず体を揺らしてしまうこと間違いなしです!
Amen BrotherThe Winstons

わずか7秒間のドラムソロが音楽の歴史を永遠に変えてしまった、アメリカのファンク・ソウル・グループ、ザ・ウィンストンズの伝説的な楽曲です。
1969年5月に公開されたシングルのB面に収録された本作は、ゴスペルの荘厳さとファンクのエネルギッシュなグルーヴが見事に融合したインストゥルメンタル。
その中で突如として現れるドラムブレイクの強烈なインパクトと生々しい響きに、思わず心を奪われてしまう人も多いのだそう。
このリズムパターンは後に「Amen Break」と呼ばれ、ヒップホップからドラムンベースまで数千の曲でサンプリングされる音楽のDNAとなりました。
アニメ『Futurama』のテーマ曲に採用されたことでも知られています。
音楽の創造性が爆発する瞬間に触れてみたい、そんな知的好奇心を満たしてくれる1曲です。






