クリスマスに聴きたいクラシック音楽。神聖なるクリスマスソング
街中を彩るデコレーションにキラキラのイルミネーション……思わずワクワクしていますクリスマスですが、もともとはイエス・キリストの降誕を祝う神聖な日。
ヨーロッパではミサに参加し、家族でゆっくり過ごすのが一般的だそうです。
そんなクリスマスには、古くからたくさんの曲が作られてきました。
そもそもクラシック音楽の始まりは教会音楽だったことを思えば、どの曲もふさわしいと言えるのかもしれませんが、今回はとくにおすすめの曲を集めました。
華やかなパーティ向けではありませんが、厳かなヨーロッパの聖夜に思いをはせてみるのもステキだと思いませんか?
クリスマスに聴きたいクラシック音楽。神聖なるクリスマスソング(11〜20)
Coventry Carol

厳粛なヨーロッパの聖夜に想いを馳せるなら、この曲をぜひ。
16世紀にイングランドで生まれた伝統的なキャロルで、中世の宗教劇に起源を持つ曲です。
悲哀に満ちた調子で、母親たちが幼い子供を守ろうとする無力さを表現しています。
三声のハーモニーを持つ静かな子守唄で、主にア・カペラで歌われますよ。
1940年のクリスマス、第二次世界大戦中のコヴェントリー爆撃後、破壊された大聖堂でBBCが放送したのがきっかけで広く知られるようになりました。
クリスマスシーズンのテレビ番組や映画のサウンドトラックでよく使用されていますし、多くのアーティストがカバーしています。
静かに祈りを捧げたい方におすすめですよ。
Christmas Eve: Orchestral SuiteNikolai Rimsky-Korsakov

リムスキー=コルサコフが手掛けたこの作品はオペラから編曲された管弦楽組曲で、星空の煌めきや魔女のダンスなど、幻想的な情景が華やかに描かれています。
1895年に初演されたオペラを元に作られた本作は、ウクライナの民話を題材にした物語。
若い鍛冶屋の恋物語が、超自然的な要素と共に展開されるんですよ。
ロシアの民謡やクリスマスの歌を取り入れつつ、色彩豊かなオーケストレーションが魅力的。
厳かな聖夜に思いを馳せながら、ファンタジックな音の世界に浸りたい方におすすめです。
Christmas Prelude for Chamber OrchestraVítězslava Kaprálová

街中が華やかな雰囲気に包まれるクリスマスの時期にぴったりの楽曲が、ヴィチェスラヴァ・カプラーロヴァの手による本作です。
1939年にパリのラジオ局のために作曲されたこの曲は、わずか3分ほどの短い作品ながら、クリスマスの神秘的な雰囲気を見事に表現しています。
ホルンやオーボエが奏でる牧歌的な旋律に、弦楽器の繊細な響きが重なり、まるで雪景色の中を歩いているかのような情景が浮かんできますよ。
チェコ出身の女性作曲家として注目を集めたカプラーロヴァさんの才能が光る一曲です。
静かなクリスマスの夜に、家族や大切な人と過ごす時間のBGMにいかがでしょうか。
マニフィカトJ.S.Bach

バロック音楽の巨匠であり、宗教音楽をたくさん作ったバッハが1723年に作った曲がこちらです。
その後彼はこの曲を調を変えて改訂したのですが、改定前の変ホ長調で書かれたバージョンにはクリスマス用の挿入曲が4曲入っています。
神への喜びに満ちた、トランペットやティンパニが活躍する華やかな曲は、クリスマスの気分を盛り上げてくれるでしょう。
初稿と改訂版の両方を聴き比べてみるのも楽しいので、ぜひ聴いてみてほしいです。
HodieRalph Vaughan Williams

毎年クリスマスの季節が近づくと、街の空気も変わって活気づくものですよね。
そんな季節にぴったりなのが、ラルフ・ヴォーン・ウィリアムズさんが1954年に発表したクリスマス・カンタータです。
聖書の物語や詩人の作品を織り交ぜた壮大な合唱曲で、クリスマスの神聖さと喜びが見事に表現されています。
ソプラノ、テノール、バリトンの独唱に加え、混声合唱や児童合唱、管弦楽まで登場する大規模な作品ですから、本格的なクリスマス音楽を楽しみたい方にはうってつけ。
イギリスの民謡風の旋律も随所に感じられ、親しみやすさも魅力です。
ゆったりとした気分でクリスマスを過ごしたい方は、ぜひこの曲をBGMに神聖な時間を迎えてくださいね。