高齢者との会話に役立つ言葉。昔使われていた言葉
懐かしい昔の言葉には、その時代の風景や温かさが詰まっています。
それらを会話に取り入れると、自然と場が和み、相手との距離が縮まることもあるかも。
例えば、「おあいそ」や「行きしな」など。
普段使わない言葉を使えば、若い世代には新鮮に映り、高齢者の方とは懐かしさを共有できますね。
今回は、高齢者との会話に役立つ昔使われていた言葉をご紹介します。
使い慣れない言葉があるかもしれませんが、その場を明るくしコミュニケーションを図るために使ってみませんか?
高齢者との会話に役立つ言葉。昔使われていた言葉(1〜5)
べっぴん

「べっぴん」とは別嬪と書きます。
もともと京ことばで「特別によい品物」という意味の「別品」から由来したという説があるそうですよ。
現在では美しい女性や美人な人を指しますが、本来は品物だけを指す言葉だったんです。
それが後に優れた人物という意味で使用されるようになったそう。
ちなみに当時は女性だけではなく、男性にも使われる言葉だったということで、驚きです。
高齢者の方では日常的に「あなた、べっぴんさんやね」と使われている方もいますね。
あきんど

「あきんど」という言葉の由来は「秋に穀物を収穫して売ること」と言われています。
秋と言えば昔から実りの季節と言われ、穀物や作物が多く実る季節ですよね。
この実りの秋に収穫された作物で商売することから「あきびと」と呼ばれるようになり「あきんど」へと変化していったようです。
そのため、若い頃に商売されていた高齢者の方から「あきんど」という言葉が出てくるかもしれませんね。
昔はどのような仕事をされていたのかなどと伺うと、昔話に花が咲きそうです。
物取り

「物取り」とはその名の通り、物を盗み取ることや、泥棒のことを指しています。
「物取りに入られた」という言葉は「泥棒に入られた」ということを意味しています。
認知症を患っている高齢者の方によくみられる妄想のひとつに「物取られ妄想」があります。
財布や通帳を盗まれたと思い込んで「物取りにあった」とパニックになられる高齢者の方がいた場合は、まずは否定せず、訴えの内容をよく聞き共感の態度を示すことが大切ですよ。
パニックに陥った高齢者の方に「自分の話を受け入れてもらった」と感じていただくと、安心して落ち着かれる場合が多くあるためです。
ぜひ対応方法も含めて、参考にしてくださいね。
ズボン下

「ズボン下」は、男性用のズボンの下に履く下着のことです。
ふくらはぎから足首ぐらいの長さがあり、肌にはぴったりとしたタイプですよ。
最近の衣類には、内側にもこもこのボアが付いてるといった保温効果が高いものがありますよね。
高齢者の方がズボンをはいた際に寒さを感じた場合、裏地に防寒対策があるものや、女性ならタイツを履くなどして対策をします。
男性なら、保温効果を上げるためにズボン下を履きますよ。
暑い時期なら、吸汗や通気性も得られるそうです。
えもんかけ

「えもんかけ」は広く、衣類をかけるためのハンガー全般を指しているそう。
その昔、着物が一般的に着用されていた時代では、今のハンガーとは見た目が異なっていました。
当時のえもんかけは衣服の袖部分に細くて短い棒を通し、その棒にひもを通してつるしていたんですよ。
えもんかけを知らない方でも、着物屋さんなどで見たことがあるかもしれませんね。
高齢者の方のなかには、本来の着物をつるしていたえもんかけとは異なった意味でえもんかけという言葉を使っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、洋服をかけるためのハンガーと解釈して良さそうです。