【初心者向け】ガムランの名曲まとめ【入門編】
インドネシアの伝統楽器による壮大なアンサンブル、ガムラン音楽。
その神秘的な響きは、多くの作曲家や音楽家を魅了してきました。
青銅の打楽器を中心とした独特の音色と、複雑なリズムが織りなす音の世界は、聴く人を異次元の空間へと誘います。
この記事では、古くから伝わる伝統的な名曲から、現代の作曲家による革新的な作品、さらにはジャズやポップスなど、ガムランから影響を受けた様々なジャンルの楽曲まで、幅広くご紹介していきます。
まだガムラン音楽に触れたことがない方も、ぜひこの機会に魅惑的な音の世界への旅をお楽しみください!
【初心者向け】ガムランの名曲まとめ【入門編】(1〜10)
Kebyar Ding

『Kebyar Ding』は20世紀初頭に生まれた「ガムラン・ゴング・クビャール」というバリ島のガムラン音楽の有名なスタイルの中でも、最初期に生まれたという歴史的にも重要な作品です。
複雑に絡み合う構成やリズムパターン、圧倒的なダイナミクスが聴く人を瞑想の旅へと誘いますね。
日本で2009年にリリースされた『バリ島に於ける1928年録音 VOL.1』というCDで、初めて商用目的で録音されたという1928年当時のバリの音を楽しめる作品で『Kebyar Ding』も収録されていますから、ぜひチェックしてみてください。
Taruna Jaya

青銅の打楽器が複雑に絡み合い、聴く人を神秘的な音の世界へと誘うガムラン。
こちらの『Taruna Jaya』は「ゴング・クビャール」様式の代表的な舞踏曲の一つで、「勝利した若者」というテーマを持つその名の通り若々しいエネルギーと躍動感に満ちあふれていますよね。
北バリのゴン・クビャール様式に根差した強烈なリズムとダイナミックな響きは、生命そのものが爆発するような迫力を感じさせます。
作品の価値としては学術資料でも言及されるほど、バリ舞踊における代表的な一曲として知られているんですよ。
日常から離れて異国情緒に浸りたい時や、エネルギッシュな気分になりたい時にぴったりのナンバーです。
CendrawasihI Nyoman Windha

バリ島の伝統音楽に革新をもたらしたことで知られるインドネシアの作曲家、イ・ニョマン・ウィンダさんが手がけたガムラン作品。
本作は「極楽鳥」を題材に、つがいが優雅に舞い、戯れる生命力あふれる姿を音楽で見事に表現していますよね。
きらびやかな青銅打楽器の響きと、西洋音楽の影響を受けた流麗なメロディーラインの融合が秀逸です。
この楽曲は1987年にイ・ワヤン・ブラタさんとの共作として生まれ、バリ舞踊の演目として1988年2月に初演された背景があります。
ガムラン・トゥナス・ムカールのアルバム『Kembali Ke Bali』などで聴くことができますよ。
壮大で神秘的な音の世界に浸りたい時や、日常を離れて心を解放したい時にぴったりの一曲です。
Margapati

『Margapati』はバリ島のガムラン音楽の中でも非常に知名度も高く、1942年に=イ・ニョマン・カレールさんによって創作されたとされている作品です。
本作のテーマは、バリ舞踊の中でも勇壮さで知られる「森の王」。
幾重にも重なる青銅打楽器の響きが織りなす音の渦は、まるで王の威厳と躍動そのもので、聴く人を神秘的な儀式のただ中へと引き込みますよね。
女性が男性に扮して舞踏する様は非常に艶やかで力強くも美しく、音楽だけでも日常から離れて異次元のトリップを味わいたい時や、創造的な作業に没頭したい時にぴったりのナンバーです。
Prahu LayarKi Nartosabdho

休日の海辺へ誘われるような、陽気で軽快なメロディーが魅力的なナンバー。
インドネシアの伝統影絵芝居ワヤン・クリットの巨匠として知られ、生涯で600曲を超える作品を遺したキ・ナルトサブドさんの楽曲です。
本作は、友人たちと帆かけ船で沖へ出て、明日からの労働に備えて戻るという、楽しさと節度が描かれた歌詞の世界観も素敵ですよね。
コンピレーション盤『Gebyar Campursari 1』にも収められた楽曲で、現地の学校でも教材として親しまれています。
ガムラン特有の青銅打楽器が織りなすきらびやかな音色と、躍るような太鼓のリズムは、ガムラン音楽を初めて聴く方の心もきっと掴むはずです!
ドライブや休日のBGMにもぴったりの一曲ですよ。
Udan Mas

「黄金の雨」という美しい名前を持つ、ジャワの伝統的な楽曲です。
その華やかな名前とは対照的に、どこか物悲しく心に染み入るメロディが印象的ですよね。
儀式や舞踊の終わりを告げるフィナーレ曲として演奏されることが多く、賑やかな宴の後の静けさや、過ぎ去った時間への郷愁を感じさせます。
青銅の打楽器が織りなす神秘的な響きは、聴く人をまるで別世界へといざなってくれるようです。
学者のロバート・E・ブラウンが編纂し、1971年に録音された名盤『Javanese Court Gamelan』に収められた演奏は、本作の代表的な録音として知られています。
ガムラン音楽の幽玄な世界への扉を開くのにぴったりな一曲ではないでしょうか。
静かな空間でじっくりとその音に浸ってみるのがオススメです。
Kosalia AriniI Wayan Beratha

伝統と革新を繋いだインドネシアの巨匠、イ・ワヤン・ブラタさんによる1969年のゴン・クビャール様式の楽曲です。
本作の魅力はなんといっても劇的な楽曲展開にあって、静かな導入から突如として放たれる打楽器群の轟音、そして竹笛の柔らかな独奏へと移り変わる対比が鮮やかですよね。
わずかにピッチをずらした楽器が奏でる独特の音の「うなり」が、全体をきらびやかな響きで包み込みます。
アルバム『Explorer Series: Bali – Gamelan & Kecak』に収録されているほか、1998年に録音された演奏が世界的な音楽教材にもなっています。
異次元の音響空間に没入したい時にぴったりのナンバーです。