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【洋楽】ヒップホップ史に残る名盤!押さえておきたい基本の1枚

ヒップホップの歴史は長く、その影響力は他のジャンルはもちろんカルチャーやファッションにいたるまで及ぶものです。

ここ日本でも、素晴らしいアーティストが商業的に成功を収めている実績も多く見られますが、まだまだある種のイメージで敬遠している方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、今や海外においてはポピュラー音楽の中心といっても過言ではないヒップホップの、その時代時代におけるエポックメイキング的な作品を中心とした名盤を集めてみました。

進化し続けるヒップホップという音楽を、この機会にぜひ味わってみてください!

もくじ

【洋楽】ヒップホップ史に残る名盤!押さえておきたい基本の1枚(1〜20)

The Marshall Mathers LP

Stan (ft. Dido)Eminem

Eminem – Stan (Long Version) ft. Dido
Stan (ft. Dido)Eminem

ヒップホップの枠内をこえて、2000年代以降の音楽シーンにおける最強のスター、最も売れたアーティスト、最も売れたラッパーとして2020年代の今も強烈な存在感と影響力を誇るエミネムさん。

俳優としても活躍しており、2002年に公開された半自伝的な主演作の『8 Mile』を見て、ラッパーを志したという方は多いのではないでしょうか。

ロック畑の音楽ファンも、エミネムさんをきっかけとしてヒップホップを聴き始めたという方、私の世代では多いように感じます。

そんな多方面に影響を与え続けるエミネムさんが2000年にリリースしたメジャー第2弾となった『The Marshall Mathers LP』は、発売後1週間で179万枚を売り上げるなど驚異的な記録を持つエミネムさんの代表作にして、ヒップホップ史上最も売れたアルバムです。

前作のように「Slim Shady」という別人格をタイトルに冠していたのとは真逆で、本名をタイトルとした本作に込められた徹底した怒り、侮蔑的な表現、ポップカルチャーへの揶揄や自己批判はリリースから20年以上が過ぎた今も強烈すぎるインパクトを放ち、アメリカの闇を時にシリアスに、時にユーモラスにラップするエミネムさんの卓越したスキルとストーリーテラーとしての才能は、超名曲『Stan』で頂点を迎えます。

ロックやポップ好きの方にも、一度は聴いてほしい傑作です!

Straight Outta Compton

Straight Outta ComptonN.W.A

アメリカはカリフォルニア州、コンプトンという全米でもとくに治安の悪い地域で結成された伝説的なヒップホップ・グループが、N.W.Aです。

「主張する黒人たち」という意味を持つグループ名だけでも分かるように、ストリートの現実を過激なリリックに託した音楽性はとてつもないインパクトを放ち、抑圧された若者たちに多大なる影響を与えました。

アイス・キューブさんやドクター・ドレ―さん、若くして亡くなったイージー・Eさんなどまさに伝説級のメンバーが多く在籍しており、彼らの結成から解散、再結成までの軌跡を取り上げたドキュメンタリー映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』も記憶に新しいですよね。

1988年にリリースされた同名のデビュー・アルバムはまさにギャングスタ・ラップの古典であり、ドクター・ドレ―さんとDJ・イェラさんによる見事なトラック・メイキング、3人のMCによる切れ味鋭いラップと自分たちのタフでリアルな実情を描いた歌詞は、いつの時代であってもその説得力を失うことはないでしょう。

当時は過激すぎて放送コードに引っかかる、MVが放送中止となるなどの話題も提供しましたが、2017年にはアメリカ議会図書館の「国家保存重要録音登録制度」に登録され、文化芸術としての偉大な価値を多くの人が認める作品となったのです。

3 Feet High and Rising

Me, Myself And IDe La Soul

De La Soul – Me Myself and I (With Intro) (Official Music Video) [HD]
Me, Myself And IDe La Soul

キャラ立ちしたトリオのジャケットだけを眺めても、なんだか陽気な雰囲気が感じられますよね。

ニューヨークはロングアイランドにて1987年に結成されたデ・ラ・ソウルは、長きに渡り2MC+1DJという不動のメンバーで活躍する人気ヒップホップ・トリオです。

2006年には英国のバーチャル・バンドのゴリラズと共演した楽曲『Feel Good Inc.』でグラミー賞を受賞するなど、その人気はヒップホップ・ファンのみならずロック好きにも広がっています。

そんなの記念すべきでデビュー・アルバム『3 Feet High and Rising』は1989年にリリースされ、ハードコアな世界観のヒップホップとは一線を画す、ロックやポップス、ジャズにソウルやファンクといった多彩な音楽をミックス、巧みなサンプリングで鮮やかな世界を作り上げた傑作!

後のジャズ・ヒップホップやオルタナティブ・ヒップホップにも影響を与えたと言われており、色あせない珠玉の楽曲群は多くの音楽ファンにアピールできる魅力を持っています。

残念ながら、当時のリリース元のレーベルとサンプリングの権利関係で揉めており、現時点でいまだにデジタル配信が解禁されてない作品なのですが、デジタル音源の配信を待たずとも、CDやレコードでぜひ手に入れることをオススメします。

It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back

Bring The NoisePublic Enemy

Bring The Noise – Public Enemy ( Original Video )
Bring The NoisePublic Enemy

問答無用、ヒップホップ史上最も影響力のある作品の一つであり、強烈なメッセージの数々は混迷を極める現代社会であればこそ、ますます鋭利な刃の如き切れ味を発揮するのです。

カリスマティックなMC、チャック・Dさん率いるパブリック・エナミーは、ニューヨーク出身でシリアスなメッセージ性を持つヒップホップ・グループの代表的な存在。

そのリリックや斬新なプロダクションもさることながら、時代に呼応した柔軟な姿勢で活動の幅を広げ、ロックやメタル・バンドとのコラボレーションやツアーを実施するなど、ジャンルをこえた影響を与えた偉大なグループなのですね。

そんなパブリック・エナミーが1988年にリリースしたセカンド・アルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』は、プロダクションを担当したボム・スクワッドによるノイジーかつファンキーな骨太サウンドがとにかく強烈で、初期メンバーのターミネーターXさんによるスクラッチの存在感もすさまじい。

どれか1つが欠けても成立しない、才能あるミュージシャンたちと1980年代後半という時代が生み出した必然の1枚と言えるのではないでしょうか。

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやリンキン・パークといったバンドが好きなロック・ファンも、一度は聴くべき大傑作です!

The Chronic

Fuck wit Dre Day (And Everybody’s Celebratin’)Dr. Dre

エミネムさんをはじめとする多くの人気ラッパーを世に送り出し、ヒップホップの歴史において最も著名かつ成功したプロデューサーであり、自身も西海岸ヒップホップの生き字引として、いわゆるGファンクと呼ばれるジャンルを生み出したパイオニアとしても知られるドクター・ドレ―さん。

伝説的なグループ、N.W.Aのメンバーとして名を上げたドレ―さんは人気の絶頂期にグループを脱退、多くの名曲を生み出し才能あふれる若手をサポートするプロデューサーとして活躍しながら、2020年代の現在までにソロ名義としては3枚のアルバムを残しています。

今回取り上げている『The Chronic』は、1992年にリリースされた初のソロ・アルバムです。

説明不要のヒップホップ・クラシックであり、先述した「Gファンク」サウンドを定義づけた大ヒット・アルバムの本作は、まさに優れた音楽プロデューサーであり卓越したセンスを持つエンジニアとしてのドレ―さんの本領発揮といった趣。

オールドスクール譲りの巧みなサンプリングはもちろん、生の楽器を使用することで今までにないプロダクションを作り上げ、永遠に色あせない作品を見事に作り上げたのですね。

デビュー当時のスヌープ・ドッグさんが全面的に参加していることでも有名で、まさに90年代西海岸ヒップホップ黄金期の幕開けの如き様相を呈しているのです。

Raising Hell

Walk This WayRun-D.M.C.

RUN DMC – Walk This Way (Official HD Video) ft. Aerosmith
Walk This WayRun-D.M.C.

ロックとヒップホップが革新的な融合を果たした歴史的な名曲『Walk This Way』は、おそらくヒップホップに興味がない方でも多くの人が耳にしたことがあるでしょう。

原曲を作り上げたエアロスミスも出演したMVは、多くのパロディが生まれるほどに有名となりました。

そんな楽曲を世に送り込んだ伝説的なヒップホップ・ユニットが、1980年代の初頭から活動を始めたRun-D.M.C.です。

貧困層の若者たちではなく、クイーンズ出身の中産階級であったメンバーはアディダスの3本ラインのジャージとスーパースターという特徴的なスタイルで、ヒップホップ史上においてさまざまな記録を作り上げました。

そんな3人組が1986年にリリース、先述した『Walk This Way』も収録されているサード・アルバムが『Raising Hell』です。

本作はヒップホップ史上初のマルチ・プラチナを記録、MTVで初めてMVが放映されるなど、まさにエポックメイキング的なアルバムとして永遠に語り継がれる名盤中の名盤なのですね。

文句なしのクラシックなヒップホップ・アルバムであり、サンプリングという手法を世に広め、ロック・リスナーをも巻き込んでヒットを飛ばした本作は、ヒップホップを聴く上で避けては通れない作品の1枚というのは誰もが認めるところでしょう。