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未来はそんなに悪くないよ!音楽シーンの過去・現在・未来を考える 2/3

未来はそんなに悪くないよ!音楽シーンの過去・現在・未来を考える

第一回に続き今回も「CD売上の減少」を、今度は社会的現象の視点から振り返ってみたいと思います。

1982年の誕生からソフト・ハード面一体となり一気に普及したCDは、成熟期と言える1990年代に黄金時代を迎えます。

世界的情勢とガラパゴス化する日本

ガラパゴス

http://buppouryou.exblog.jp/7507921/

世界的なトレンドとしては完全にストリーミング・シフト。

市場規模としては2013年は前年比3.9%減の約150億ドル、世界2位の音楽市場である日本の停滞が指摘されています。

世界2位ながら、CDを含むパッケージ販売が占める割合が80%という高い数値を示す特殊な国が日本です。

「世界的にもCDは売れない、日本でもCDは売れない、だけど日本ではCD売上比率が高い」全体的にはストリーミングの方向にシフトはしつつ、CDも併存する形で残っていくのかも知れません。

しかし、売上高も販売数も、全体に占める比率も、全て下がっていくことはもはや間違いないと思われます。

「音楽もアートワークも含めたトータルパッケージ」としてのCD作品、私もそのど真ん中の世代ですので、その衰退には郷愁を感じずにはいられません。

しかし、「失われた20年」と言われる日本経済よりも長く30年以上に亘りその主役であり続けたCDは、十分その役目を果たし次代にバトンタッチする時期なのでしょう。

そしてバンドマンの夢は

2回にわたりCD売上の変遷について見てきましたが、「CDが売れなくなった」というより「1990年代に異様な程売れていた」のであり、嘆くことではなくある種身の丈にあってきた現在と捉えることができるのではないでしょうか。

「CDバブル」とも言えるその時代に築き上げられたスキームやエコシステムは、やはり現在には通用せずそれも身の丈にあった環境に再構築しなければなりません。

かつては「CD売上に支えられていたので、ライブ・コンサート事業では赤字を出しても全く問題がなかった」という時代もあったそうです。

時代は変わりました。

しかし、悲観することではなくこれはチャンスだとも思うのです。

実際、様々な方法で今の時代を切り開くアーティスト活動や支援活動も動き始めています。

「レコード会社からCDを出してメジャーする」バンドマンにとって確かにそれは夢でした。

その構図は崩壊したとはとまでは言わずとも、かつてのように単一の価値観ではなくそのロードマップも狭き道になっています。

しかし、「夢」は「CDを出すこと」ではなく「自分達の音楽をより多くの人に知ってもらい共感してもらうこと(プロを目指すならさらにそれをマネタイズすること)」のはずです。

CDはそのための手段の一つであり、誰にでも分かりやすいポップ・アイコンだったのだと思います。

だからと言って嘆くのではなく、「こんなやり方もある」「こんなアイデアはどうか」バンドマンそれぞれがベンチャーのように色んなアプローチが出来る、そしてYouTubeやSNS、ハイレゾ配信やアナログレコード、路上ライブやカフェライブ、クラウドファンディング等、デジタルでもフィジカルでも、オンラインでもオフラインでもやれることはアイデアの数だけあります。

大手レコード会社からのトップダウンではなく、バンドマンそれぞれからのボトムアップ、今の時代をそう肯定的に捉えたいと思います♪

ライタープロフィール

平田 浩康

ライブスポットラグ

平田 浩康

Live Spot RAGの平田浩康です。

15歳の時、音楽特にロックのカッコ良さに痺れギターとバンドを始めました。

生まれ故郷の高知県は、ライブハウスやコンサート会場も少なく生の音楽に触れる機会が少ない、当時は情報源も雑誌やCD、VHSビデオ(!?)という時代でしたが、音楽というとてもキラキラしたものに魅了され、勉強そっちのけでギターと音楽を楽しむ毎日でした。

大学進学から京都に移住し、大学では軽音楽部を卒業(笑)。

それまでは邦楽ロックや洋楽ハードロックを中心に聴いていましたが、先輩や同期から世の中にはもっとたくさんの音楽があることを知らされ、今では「いいな」と思えるものはジャンル隔てなく聴いております。

大学卒業後にRAGに入社、約6年のオフィスや約10年の音楽スタジオを経て、現在は創業39年の老舗Live Spot RAGにて勤務、主にプロモーション業務を担当しております。

日本トップミュージシャン達が奏でる「本物の音楽」に触れ、お客様に届けることで、あらためて音楽の煌めきを実感する日々です。

今でもギター、バンドはゆるく継続しており近年は今更ながら歌も歌ってみたりしています。

もうすっかりおっさんになってはしまいましたが、あの頃「音楽に描いた夢の向こう側」を、今後もみなさんと追っていければと思っています。

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