鬼束ちひろの名曲・人気曲
鬼束ちひろさんは2000年にデビューし、同年リリースした楽曲『月光』でブレイクしました。
少しハスキーでありながらもきれいに出る高音の歌声が大変魅力的ですよね。
また彼女の楽曲の魅力としては歌詞が大切にされているということが挙げられますが、それは彼女のこだわりであり、曲作りの際にも詩を先に書いてから曲を書くそうです。
代表曲から隠れた名曲までピックアップしましたので、ぜひじっくりと聴いてみてください。
鬼束ちひろの名曲・人気曲(1〜10)
infection鬼束ちひろ

2001年に発売された5枚目のシングルです。
ドラマ『氷点2001』の主題歌にも起用されました。
ピアノとストリングスで構成されるサウンドと自分の中の苦しみを思わせる歌声が印象的です。
弱くなっていく自分への葛藤、少しずつ壊れていく心、それを自分でせめたてる様子を描いた、人間の弱い部分を表現したような楽曲です。
楽曲の終盤に向かってサウンドと歌声が強くなっていく点も、感情がこらえきれないようすを表現しているようで、心に響きます。
シャイン鬼束ちひろ

「大丈夫、私がすべてを撃ち殺してあげる」という強烈なキャッチコピーとともに発表されたデビューシングル曲。
学校の閉塞感を歌った歌詞とストリングスをフィーチャーしたアレンジが、どこか危うさと悲壮感に満ちたイメージを作り出しています。
また、1stアルバム『インソムニア』ではアルバムバージョンとしてピアノ演奏のみの歌唱となっており、そちらを知っているという方も多いかもしれませんね。
牢屋にいるかのような重々しい空気感が鬼束ちひろさんの世界観を表現している、その高い表現力や音楽センスを感じさせるダークなナンバーです。
sign鬼束ちひろ

初期の鬼束さんのシングル曲の中では、とくにポップで比較的明るいメロディ、軽やかなバンド・アンサンブルが耳に残るナンバーです。
当時は「J-PHONE」と呼ばれていたソフトバンクの携帯電話キャリアが発売、東芝が開発を担った「J-T08」および「J-T09」のCM曲でもあり、携帯を「点滅」という言葉で表現する鬼束さんならではのレトリックも注目してください。
世間に流布しているイメージだけで鬼束さんをとらえようとすると、直情的なタイプで情念を歌う……といった先入観を持っている方は意外と多いのではないでしょうか。
この『Sign』のように、少年の純粋な思いを描いた小さな恋物語を、見事に歌詞として落とし込んでポピュラリティの高いポップソングとして表現する才能を持つシンガーソングライターであることを、あらためて知っていただきたいですね。
鬼束ちひろの名曲・人気曲(11〜20)
Cage鬼束ちひろ

2000年に発売された3枚目のシングルです。
ひとりになった時におそってくる強い不安、欠けてしまった心を埋めるように、過去の良かったことにすがろうとするようすなど、不安定な感情を描いた歌詞が印象的です。
軽やかなピアノの音色が取り入れられた、アップテンポなサウンドもまた印象的です。
歌詞の暗い雰囲気との対比で、今の場所からはやく逃げ出したいと焦る気持ち、感情が定まらず揺れ動いているようすを表現しているようにも感じます。
私とワルツを鬼束ちひろ

『私とワルツを』は人気ドラマ『トリック3』の主題歌として起用され、東芝EMI時代における最後のシングル曲となった楽曲です。
リリース当時をよく知っている世代であれば、鬼束さんはこの曲までのイメージが強いという方も多いかもしれませんね。
初期の鬼束さんの世界において欠かせない存在の音楽プロデューサー、羽毛田丈史さんによるピアノ・アレンジと限りなく美しいメロディ、繊細でいて力強さが同居した歌声という鬼束さんの王道中の王道を行くナンバーと言えそうです。
楽曲の中盤でワルツのリズムが用いられ、MVではそのリズムとともに1人で踊る裸足の鬼束さんの姿も印象的でしたね。
余談ですが、タイトルにある「私」という漢字ですが実際の歌詞では「あたし」と歌われています。
蛍鬼束ちひろ

2008年に発売されたシングルです。
映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』の主題歌にも起用されました。
タイトルの蛍は季節を表すものではなく、はかなさの象徴として使用されています。
大切な時間が一瞬で過ぎてしまうことへの悲しさ、いつまでも続いてほしいと願う気持ちを蛍の一瞬の輝きと重ねて表現しています。
一瞬で過ぎてしまうからこそ、今というこの瞬間を大切にしたいと思わせてくれる、やさしさやあたたかさ感じる楽曲です。
This Silence is Mine鬼束ちひろ

2013年に発売された20枚目のシングル、ゲーム『ドラッグ オン ドラグーン3』のテーマソングとして書き下ろされた楽曲です。
壮大でありながら暗く不気味な雰囲気があるサウンド、ふりしぼるような苦しげな歌声が、バッドエンドで終わるシナリオも多く含まれるこの作品のダークな世界観によりそっているように感じます。
心が寒い感じがする曲だとご本人が語られているように、正体のわからない不安や恐怖を表現したような楽曲です。