19世紀のヨーロッパで広がった新しい音楽の潮流「ロマン派」。
「クラシック音楽史上最も華やかな時代」ともいわれるロマン派時代には、ショパンやリストをはじめとする多くの作曲家が、後世に語り継がれることとなる数多くの名作を遺しました。
本記事では、そんなロマン派時代の作品のなかでも、特に知名度や人気の高い有名作品をピックアップ。
作曲家の特徴や曲が生まれた背景、作品の聴きどころなどの情報とともにご紹介します!
【ロマン派の名曲】魂を揺さぶる珠玉の有名作品を一挙紹介!(1〜20)
愛の夢 第3番Franz Liszt

ピアノの魔術師フランツ・リストが1845年に歌曲として作曲し、1850年にピアノ独奏版に仕上げた『愛の夢 第3番』。
深い愛をテーマにしたこの曲には、リストの恋愛経験が色濃く反映されているといいます。
ロマンティックな響きや劇的な盛り上がりから、リストの恋愛が情熱的なものであったことがうかがえますよね。
深夜の静寂の中、星空を眺めながらこの曲に耳を傾ければ、日々の忙しさを忘れ、魂の安らぎを見いだせるかもしれません。
オペラ「夏の夜の夢」より「結婚行進曲」Felix Mendelssohn

『夏の夜の夢』の劇付随音楽の中でも特に知られる1曲。
ロマン派を代表する作曲家、フェリックス・メンデルスゾーンが17歳の時に最初に作曲した序曲を基に、1842年に完成させました。
古典的なソナタ形式を採用しつつ、妖精たちの軽やかな動きやロバのいななきを表現するなど、幻想的な世界観を巧みに音楽で描写。
特にプロイセン王子とイギリス王女の結婚式で演奏されたことをきっかけに広く知られるようになり、今日では結婚式の定番曲として親しまれています。
本作の壮大でロマンティックな雰囲気は、人生の門出を祝福するのに最適。
クラシック音楽の入門としてもオススメできる、メンデルスゾーンの代表作です。
ハンガリー舞曲 第5番 嬰ヘ短調Johannes Brahms

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ヨハネス・ブラームス。
彼の代表作の一つである『ハンガリー舞曲集』は、伝統的なハンガリーの民謡をもとに作曲された全21曲からなる舞曲集です。
その中でも特に第5番は速いテンポと印象的なメロディで知られ、聴く者を興奮と熱狂の渦に巻き込みます。
豊かなオーケストレーションと鮮やかな色彩感は、ハンガリーの文化的な豊かさと多様性への賛辞となっています。
クラシック音楽ファンのみならず、情熱的な音楽を求める全ての方にオススメしたい1曲です。
劇的物語「ファウストの劫罰」より「ラコッツィ行進曲」Hector Berlioz

『ラコッツィ行進曲』は、もともとハンガリーの民謡で、作曲者は不明とされています。
エクトル・ベルリオーズがこの曲を劇的物語『ファウストの劫罰』のなかで用いたことで、有名になりました。
この物語は、ドイツの作家ゲーテの著書『ファウスト』に基づいた作品で、ハンガリーの軍隊行進曲としても使われています。
パガニーニによる大練習曲 S.121 第3番「ラ・カンパネラ」Franz Liszt

ピアノの魔術師と呼ばれたフランツ・リストによる練習曲集『パガニーニによる大練習曲 S.121 』のなかでも特に知名度、人気ともに高い第3番『ラ・カンパネラ』。
思わず「え?練習曲?」と言いたくなってしまうような難易度の高さと芸術性に、多くの方が練習曲とは認識していないのが正直なところかもしれませんね。
数多くの超絶技巧曲を作ってきたリストですが、この曲はニコロ・パガニーニのバイオリン曲をピアノ用に編曲したもの。
その演奏技術のあまりの巧みさに「悪魔に魂を売った」とまでいわれた鬼才・パガニーニと魔術師リスト……超絶技巧のオンパレードになるのもうなずけます。