【洋楽】レディ・ソウルのすすめ。素晴らしき女性ソウル・シンガー
アフリカ系アメリカ人が生み出したゴスペル、そしてブルースから発展した形で生まれたソウル・ミュージックというジャンルの中でも、最も偉大なシンガーの一人であるアレサ・フランクリンさんの名盤のタイトル通りに、女性シンガーのソウル・ミュージックを「レディ・ソウル」として親しまれているソウル好きは多いです。
今回の記事では、そんな女性のソウル歌手をテーマとして、一度は聴いておきたい海外の女性ソウル・シンガーを大特集!
ジャンルをまたがった音楽性のアーティストも多く、厳密に定義するのは難しいのですが、著名なソウル・シンガーを中心としてネオ・ソウルや00年代以降のシンガーも含めた幅広いラインアップでお届けします。
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【洋楽】レディ・ソウルのすすめ。素晴らしき女性ソウル・シンガー(6〜10)
That’s What Friends Are ForDionne Warwick

エレガントな歌唱で多くの名演、名曲を残し記録的なセールスやグラミー5冠といったシンガーとしての輝かしいキャリアを持ち、女優やTV司会などでも活躍、まさにアメリカのエンターテインメント界の生き字引のような存在のディオンヌ・ワーウィックさん。
1940年にニュージャージー州イーストオレンジにて誕生したディオンヌさんは、音楽大学時代に伝説的な作曲家のバート・バカラックさんと運命的な出会いを果たして歌手として本格的な活動を開始。
『小さな願い』や『恋よ、さようなら』といった、2020年代の今もスタンダードナンバーとして愛され続けているビッグヒットを多く飛ばしました。
キャリアとしての低迷期もありましたが、息子のデイモン・エリオットさんと組んでさまざまな企画に挑戦、2019年には80歳近い年齢でオリジナル・アルバム『She’s Back』をリリースしているのですから驚きですよね。
冒頭で述べたように、ソウル・シンガーとして著名ながらもポップスに適したエレガントでなめらかな歌唱は、いなたいソウルは苦手という方でもすんなり聴けるはず。
もちろん、アフリカ系アメリカ人としてのルーツを押し出した作品もリリースしていますから、掘り下げれば掘り下げるほど彼女の奥深い魅力のとりこになってしまうかもしれませんね。
余談ですが、彼女はあのホイットニー・ヒューストンさんの叔母にあたるのです!
すごい家系ですよね……。
New AttitudePatti LaBelle

パティ・ラベルさんは、多くの偉大な存在を生み出したソウル・ミュージックの歴史の中でも極めて異例の存在です。
1960年初頭の時点で、10代だったパティさんはザ・ブルーベルズというグループでプロ・デビューを果たしており、1962年にリリースした『I Sold My Heart to the Junkman』は全米トップ40入りを果たしています。
1970年代に入ってからは自らの名前を冠した「Labelle」というボーカル・グループを率いてファンキーなソウルを展開、1975年の『Lady Marmalade』は全米チャート1位に輝いています。
それだけでも十分なキャリアなのですが、彼女の本領が発揮されたのはむしろ低迷期を乗りこえた1980年代以降からの話。
1984年に41歳という年齢で放った起死回生のヒット曲『New Attitude』は、R&Bもロックも取り込んだ直球の80年代的サウンドであり、特徴的なハイトーン・ボーカルとトレードマークとなったツンツンのヘアースタイルが誕生した瞬間でもありました。
その後もジャンルの枠内に収まらない自由な活動で人気を博し、40代にして「クイーン・オブ・ロック&ソウル」の称号を得るまでに至ったのです。
レッテルを嫌う彼女のスタイルがゆえに、日本ではそれほど知られていない存在かもしれませんが、黒人のソウルというだけで何となくの先入観を抱いてしまう人にこそ、知ってほしい偉大なアーティストです!
I’m Every WomanChaka Khan

1980年代以降におけるソウル~R&B、ダンス・ミュージック界の女王チャカ・カーンさん。
1953年にアメリカはイリノイ州シカゴにて生まれたチャカさんは、11歳にしてボーカル・ユニットを結成するという早熟な才能を持ち、ソウルはもちろんジャズからの影響を色濃く受け継いだ歌唱スタイルで1973年には人種混合のファンク・バンドである「ルーファス」のボーカリストとしてデビューを果たし、スティーヴィー・ワンダーさんが提供した『Tell Me Something Good』をヒットさせます。
グループとしての活動中の1978年にはソロ・デビューを果たし、ホイットニー・ヒューストンさんのカバー・バージョンでも有名な楽曲『I’m Every Woman』をデビュー曲として発表。
ルーファスが1982年に解散後はソロ活動に専念、ラッパーのメリー・メルさんを迎えて早くからヒップホップの要素を取り入れたプリンスさんのカバー曲『I Feel for You』を1984年にリリースして大ヒットを記録します。
ソロ・アーティストとしての40年以上に及ぶキャリアの中で、ヒットを連発した80年代のイメージが強い方も多いかもしれませんが、むしろ2000年代以降の活動に目を向けていただきたいですね。
衰えを知らないソウルフルなハイトーン・ボーカルは健在で、2019年には完全なオリジナル・アルバム『Hello Happiness』をリリースしており、現代的なクラブ・ミュージックと見事な融合を果たしています。
ホイットニー・ヒューストンさんやメアリー・J・ブライジさんなど、多くのシンガーに影響を与えたソウル・ディーバの変わらぬソウル、ファンクネスをぜひ味わってみてください!
A Long WalkJill Scott

2000年代以降にデビューした女性ネオ・ソウル~R&Bシンガーの代表的な存在の1人が、フィラデルフィア出身のジル・スコットさんです。
20年以上のキャリアの中でリリースしたオリジナル・アルバムは5枚ということで、どちらかといえば寡作なタイプのシンガーではありますが、どの作品も圧倒的なクオリティを誇り、まさに「ネオ・ソウルの女王」として圧倒的な支持を集める存在なのですね。
2000年にリリースしたデビュー・アルバム『Who Is Jill Scott? Words and Sounds: Vol. 1』は、ジャズやヒップホップといったジャンルの要素を盛り込みながらもすでにベテランのような落ち着いた雰囲気を漂わせるネオ・ソウルで、全米で250万枚という売り上げを記録しています。
2004年の次作『Beautifully Human:Words and Sounds Vol. 2』は全米チャート3位を記録、サード・アルバム『The Real Thing:Words and Sounds Vol. 3』が4位、4枚目と5枚目のアルバムはそれぞれチャート1位に輝きました。
彼女の音楽性は大きく変わるようなことはなく、クラブ世代から古き良きソウル・ファンまでをとりこにする唯一無二の魅力はどのアルバムにおいても備わっています。
ちなみに、エリカ・バドゥさんをボーカルに迎えたザ・ルーツの名曲『You Got Me』の作詞を手掛けたのも、ジルさんということで、作詞家としての才能にもぜひ注目してみてください。
Love HangoverDiana Ross

ソウル・シンガーとしての才能はもちろん、ポップスのフィールドで大きな成功を収めたダイアナ・ロスさん。
1944年にミシガン州デトロイトで生まれたダイアナさんは、ハイスクール時代の1959年にザ・プライメッツを結成、その後改名して1961年に名門レーベルのモータウンと契約を果たしたザ・スプリームスは、アフリカ系アメリカン人のグループとして大人気を博しました。
『愛はどこへ行ったの』や『恋はあせらず』『ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ』といった歴史に残る名曲の数々は、日本でも多くのアーティストがカバーしているスタンダードナンバーとなっていますよね。
1970年にダイアナさんはグループを脱退、ソロ・シンガーとして同年のデビュー・シングル『Ain’t No Mountain High Enough』が全米チャート1位を記録するなど、グループ時代と変わらない成功を収め続けます。
ダイアナさんは女優としても高い評価を得ており、女優として初出演、初主演となった1971年のビリー・ホリディさんの伝記映画『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』でゴールデングローブ賞新人賞を受賞しました。
1990年代以降は目立った音楽活動はしていないダイアナさんですが、スプリームス時代を含めて彼女が歌った名曲の数々は、その多くが大ヒットして今も愛され続けている楽曲ばかりです。
伸びやかな美声は聴いていて疲れませんし、あまりソウル・ミュージックを聴いたことがないという方でも心地良く聴けるでしょう。