【日本のロックの夜明け】70年代邦楽ロックバンドのデビュー曲まとめ
70年代は、日本のロック史に革命的な転換をもたらした時代です。
サイケデリックやハードロック、洗練された後のシティポップまで日本人アーティストたちが独自の表現を模索し、新しい音楽の可能性を切り開いていきました。
その時代に誕生したロックバンドたちは、斬新なサウンドと大胆な歌詞で、それまでの邦楽の常識を覆していったのです。
この記事では、主に70年代に活躍した伝説的なバンドたちのデビュー曲を紹介します。
2020年代の今も活躍するレジェンドから知る人ぞ知るバンドまで、彼らの原点となった楽曲を聴いて日本のロック黎明期の熱量と革新性を感じてみませんか?
【日本のロックの夜明け】70年代邦楽ロックバンドのデビュー曲まとめ(1〜10)
うちわもめセンチメンタル・シティ・ロマンス

名古屋で結成され、現在まで活動を続けるセンチメンタル・シティ・ロマンス。
ウェストコースト・ロックとカントリーを融合させたサウンドで、日本のロックシーンに爽やかな風を送り込みましたよね。
こちらのデビュー曲は、恋人たちの何気ない日常の口論をテーマにしているのですが、そのサウンドは驚くほど洗練されています。
精密なコーラスワークと巧みなツインギターのアンサンブルは、細野晴臣さんがプロデュースを辞退したという1975年当時の逸話も納得の完成度です。
本作は、後にテレビドラマの主題歌にも起用されたナンバーで、センチの原点と言える魅力が詰まっています。
休日の昼下がりに、のんびりと聴きたくなる心地よいロックチューンではないでしょうか。
空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ四人囃子

海外のバンドに匹敵する圧倒的な演奏力で評判を呼んだバンド、四人囃子。
1975年9月に発売されたこのファーストシングルは、そんな彼らのユニークな魅力がつまった作品に仕上げられています。
歌詞は弟が銀色の円盤で空に去っていくという、シュールで少し切ない物語が描かれていますよね。
映画に出演した経験がないと乗せてもらえない、といった不思議なルールも登場し、聴き手を独特の世界へ引きこみます。
サウンドはプログレらしい複雑な構成なのですが、森園勝敏さんのギターが奏でるメロディはどこかポップで親しみやすいです。
本作は元々アルバム未収録でしたが、後に名盤『一触即発』のCD再発時に収録されました。
日本のロックの常識を塗り替えた革新的なサウンドを味わってみたい方は要チェック!
にっぽん賛歌外道

ギタリストの加納秀人さんを中心に1973年に本格始動したバンド、外道。
ライブでの圧倒的な爆発力と、のちのパンクにも通じる粗暴な演奏で、当時のロックシーンに衝撃を与えました。
この楽曲は1973年10月に発売された彼らの記念すべきデビューシングルです。
イントロに象徴的なメロディを忍ばせ、愛国的な言葉を逆手にとって国家への痛烈な皮肉を込めた、まさに反骨精神の塊のような一曲。
本作は、ライブ至上主義を掲げた彼らの所信表明ともいえる内容で、翌年にはライブ盤の名盤『外道』をリリースしています。
骨太でメッセージ性の強い日本のハードロックの原点に触れたい方は要チェックです。
【日本のロックの夜明け】70年代邦楽ロックバンドのデビュー曲まとめ(11〜20)
コンサートツアーめんたんぴん

「日本のグレイトフル・デッド」とも称される、めんたんぴんの記念すべきメジャーデビュー曲。
自ら機材をトラックに積み全国を巡ったという、彼らのDIY精神を象徴するナンバーです。
サザン・ロックやブルースを基盤とした土臭いグルーヴが心地よく、ツイン・ドラムやトリプル・ギターが織りなす重厚なアンサンブルが、どこまでも続く道を走り抜けるような高揚感を与えてくれます。
バンドが旅をしながらコンサートを開く姿を描いた本作は、音楽への純粋な情熱が伝わってくるようで心に響きますよね。
1975年6月に発売されたデビュー・アルバム『MENTANPIN』の冒頭を飾った楽曲で、ドライブのお供にすれば、最高のロードトリップ気分を味わえる、70年代邦楽ロックを語る上で欠かせない一曲です。
スウィート・ホーム大阪ファニー・カンパニー

「東のキャロル、西のファニカン」と称され、日本のロック史にその名を刻んだファニー・カンパニー。
桑名正博さんの泥臭くもソウルフルな歌声と、ブルースやサザン・ロックの影響を感じさせる本格的なバンドサウンドが融合したこの楽曲は、1972年11月に発売された記念すべきデビューシングルです。
地元大阪への愛情やそこを離れる寂しさが、温かみのある関西弁で綴られていて、聴いていると胸が熱くなりますね。
本作は翌年に発売されたアルバム『ファニー・カンパニー』にも収録されています。
70年代の日本のロックが持つ独特の熱気や、泥臭いかっこよさを体感したい方にはたまらない一曲ではないでしょうか。
故郷を思い出すときに聴くと、また違った味わいを感じられるかもしれません。
二人の夏愛奴

後にソロで大成する浜田省吾さんが在籍したバンドとして知られる愛奴。
吉田拓郎さんのバックバンドを務めるなどの話題を集めた彼らの原点といえるこのデビュー曲は、1975年5月に発売された作品です。
ビーチボーイズを思わせる美しいコーラスワークが印象的で、浜田省吾さんが描く過ぎ去った夏の恋の情景が目に浮かぶようです。
楽しかった日々を振り返る甘酸っぱさと、もう戻れない切なさが胸を締めつけます。
本作は、デビュー時にレコード会社がどちらをシングルカットするか迷うほど、モニター調査で40%以上の高評価を得たという逸話があります。
日本のロック黎明期に生まれた、爽やかでノスタルジックなサマーチューンを聴いてみたい方は要チェックです!
おそうじオバチャン憂歌団

「天使のダミ声」と称されるしゃがれた歌声が、聴く者の心をわしづかみにする憂歌団のデビューシングル曲。
本作は、ビルの清掃員として働く人物の日常と、内に秘めた切実な願いを赤裸々にえがいた日本語ブルースです。
日給2,000円という生々しい現実と、ささやかな夢とのギャップを、木村充揮さんの人間味あふれるボーカルと内田勘太郎さんの巧みなスライドギターが見事に表現しています。
この楽曲は1975年10月に発売された作品ですが、その衝撃的な歌詞の内容からわずか1週間で放送が制限されるという伝説も持ちます。
日々のやるせなさを抱えているとき、その心にそっと寄り添ってくれる温かさと力強さに満ちたナンバーです。





