【昭和歌謡】70年代にヒットした邦楽ラブソングまとめ
淡い初恋、切ない片思い、情熱的な愛の告白……70年代の邦楽ラブソングには、今聴いても胸がキュンとする名曲が数多く生まれました。
高度経済成長を経て、豊かな感性と自由な表現が花開いた時代だからこそ、激しいロックサウンドや演歌に歌謡曲、シティポップまでバラエティ豊かな音作りで、恋する気持ちがストレートに、そして繊細に歌い上げられています。
この記事では、そんな昭和歌謡の黄金期に生まれた珠玉のラブソングを紹介します。
懐かしさに浸りたい方も、当時を知らない方も、色あせることのない恋心の輝きをぜひ味わってみてくださいね。
【昭和歌謡】70年代にヒットした邦楽ラブソングまとめ(1〜10)
心の旅チューリップ

1973年4月にチューリップが東芝EMIから出した通算3枚目のシングルは、汽車に乗って旅立つ主人公の切ない心情を描いた名曲です。
財津和夫さんが作詞作曲を手がけ、姫野達也さんの甘い声が遠く離れる恋人への想いを優しく歌い上げています。
オリコン週間チャートで1位を獲得し、累計87万枚を売り上げた本作は、チューリップを代表するラブソングとなりました。
フジテレビ系番組「人情一本こころの旅」やトヨタ・カリーナのCM、JR西日本の卒業旅行キャンペーンなど数多くのタイアップでも使われ、旅立ちと別れの季節に胸がきゅんとする1曲です。
遠距離恋愛の方、卒業や転勤で大切な人と離れる方にそっと寄り添ってくれますよ。
手紙由紀さおり

1970年7月に発売されたシングル曲で、由紀さおりさんが前年のヒットに続いて本格派歌手としての評価を確立した代表作です。
別れを決意した女性が、二人の思い出を一つひとつ静かに片づけていく姿を描いた歌詞が胸に迫ります。
象徴的な描写の積み重ねが映像のように浮かび上がり、最後に涙で綴った別れの便箋へと収束する構成は文学性さえ感じさせますよね。
叙情的なメロディに重なる由紀さおりさんの透明感あふれる歌声が、感情を抑えた大人の別れを品よく表現しています。
オリコン週間1位を6週連続で獲得し、この年の日本レコード大賞では歌唱賞を受賞しました。
恋の終わりに向き合おうとしている方や、別れの儀式を静かに見つめたい方におすすめの一曲です。
あなた小坂明子

1973年12月に発売された小坂明子さんのデビュー曲は、高校2年生が授業中にわずか20分ほどで書いた歌詞と自宅でつけたメロディーが起源で、「もしも私が家を建てたなら」という仮定形から始まる切ない空想の恋物語です。
真紅のバラや白いパンジー、暖炉や小さなドアといった欧風の情景を丁寧に描きながら、叶わなかった愛の記憶を静かに回想する構成。
宮川泰さんの編曲によるストリングスと端正なピアノ伴奏が、祈りのような温もりを添えています。
リリース1ヶ月後にはオリコン週間1位を獲得し、7週連続で首位を維持する大ヒットとなり、累計出荷200万枚超を記録しました。
ドラマ主題歌のようなドラマチックな展開と、誰もが口ずさめる優しいメロディーは、大切な人との穏やかな暮らしを夢見るすべての方の心に響く名曲です。
危険なふたり沢田研二

1973年4月に発売された沢田研二さんの6枚目のシングルで、ソロとして初めてオリコン1位を獲得した記念碑的な作品です。
安井かずみさんの詞には、年上の女性と若い男性という禁断めいた関係性が織り込まれており、別れを告げられても諦めきれない切実な想いが都会的な言葉で紡がれています。
東海林修さんのアレンジは、ロックの鋭さと歌謡の甘さを見事に融合させ、タイトなリズムに重なるストリングスが背徳の香りを演出しているのではないでしょうか。
沢田さんの艶やかな歌声は、低音から高音へ跳躍するサビで一気に色気を解放し、危うい恋心のスリルを体現しています。
1973年の日本歌謡大賞や日本レコード大賞の大衆賞を受賞した本作は、大人の恋愛を歌い上げた昭和歌謡ロックの金字塔です。
木綿のハンカチーフ太田裕美

松本隆さんの詩情豊かな詞と筒美京平さんの洗練されたメロディが織りなす本作は、都会へ旅立った男性と故郷で待つ女性の往復書簡形式で描かれる切ない遠距離恋愛の物語です。
都会の華やかさに染まっていく男性と、変わらぬ愛を願う女性の心のすれ違いが、対話を重ねるごとに鮮明になっていきます。
最後に涙を拭うための素朴なハンカチーフを求める女性の姿には、物質的な豊かさよりも心のつながりを大切にする純粋さが表れており、胸を締め付けられます。
太田裕美さんの4作目のシングルとして1975年12月に発売され、オリコン年間ランキング4位を記録する大ヒットとなりました。
遠距離恋愛中の方や、すれ違いの切なさを味わいたいときにおすすめです。
雨のバラード湯原昌幸
1971年のグループ・サウンズ衰退期から歌謡バラードへの転換を象徴する1曲として、湯原昌幸さんのソロ代表作は欠かせません。
都会の雨景を背景に、去っていった恋人への未練を静かに歌い上げる本作は、中低域を活かした歌唱とストリングスが哀愁を際立たせます。
1971年4月に発売されたシングルで、もともとはスウィング・ウエスト時代にB面曲だった楽曲をセルフカバーしたもの。
10月には週間1位を3週連続で獲得し、オリコン年間8位を記録しました。
日本有線大賞のホープ賞も受賞し、湯原さんの歌手としての地位を確立した作品です。
雨の日にひとり、失った恋を振り返りたくなったときにぴったりの名曲です。
さよならをするためにビリーバンバン

人を好きになること、そして別れること、そのどちらも大切な時間だったと静かに認める境地を歌った、ビリー・バンバンの永遠の定番です。
1972年2月に芸音レコードから発売されたシングルで、日本テレビ系のドラマ『3丁目4番地』の主題歌に採用されました。
同年7月にはオリコン週間チャート1位を獲得し、年間3位にランクイン。
紅白歌合戦への初出場も果たし、兄弟デュオの清らかなハーモニーが日本中に響き渡りました。
別離を悲しむだけでなく、その出会いと時間に感謝する温かな眼差しが胸に沁みます。
大切な人との節目を迎えた方、人生の転換期を歩む方にそっと寄り添ってくれる一曲です。







