17世紀初頭から18世紀半ばに生まれた「バロック音楽」。
ヨハン・セバスチャン・バッハやアントニオ・ヴィヴァルディ、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルといった大作曲家が活躍したバロック時代、音楽は主に宮廷や教会で演奏されており、庶民には手の届かない「貴族の楽しみ」として親しまれていました。
今回は、そんなバロック時代に生まれた音楽の中から、数百年の時を越えて愛され続けてきた時代を代表する作品をご紹介します!
【バロック音楽】時代を越えて愛され続ける代表作・有名曲を厳選
ヴァイオリン協奏曲「四季」Antonio Vivaldi

音楽の授業で必ず取り上げられることから、バロック音楽の中でも非常に知名度の高いアントニオ・ヴィヴァルディの『四季』。
1725年の出版から300年以上がたった現在でもなお、多くの者を魅了し続けているクラシックの傑作です。
春夏秋冬を美しい旋律で描いた4つの協奏曲は、季節の移ろいとともに変化する自然を音楽で感じさせてくれます。
情景を思い浮かべやすい作品なので、クラシック音楽にあまりなじみのない方でも飽きずに心地よく聴ける作品といえるのではないでしょうか。
カノンJohann Pachelbel

ヨハン・パッヘルベルの『カノン』は、言わずと知れたバロック時代の傑作!
その穏やかさと感情的な深みで、長きに渡って愛され続けている名曲です。
本作品は、3つのバイオリンとバッソ・コンティヌオの為に書かれたもので、その安定感のある和声進行は「カノン進行」と呼ばれ、後世の作曲家に大きな影響を与えてきました。
その影響はクラシックにとどまらず、ポップスやロックにも!
現代のヒット曲の中にもカノン進行を使った楽曲が数多くあるので、興味のある方はぜひ探してみてくださいね。
小フーガ ト短調 BWV578J.S.Bach

『小フーガ ト短調 BWV578』は、バロック時代を代表する作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハが手掛けたオルガン曲の中でも特に人気の高い作品。
1700年代初頭に作曲された作品といわれており、主題を異なる声部が追いかけるフーガ形式によって生み出される複雑なハーモニーが、時代を越えて多くの人々の心をとらえています。
フーガは、バッハの作品に多用されている音楽様式の一つ。
バロック音楽を象徴する形式でもあるので、バロック時代の音楽に興味のある方は、ぜひ声部の重なり方などにも注目しながら聴いてみてくださいね。
主よ、人の望みの喜びよJ.S.Bach

ヨハン・セバスティアン・バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』は、1723年に作曲された教会カンタータ。
洗練されたメロディとシンプルな和声進行が心を打つ名曲です。
カンタータは声楽曲の形式を指しますが、『主よ、人の望みの喜びよ』はその美しさから、弦楽アンサンブルやオーケストラ、ピアノ独奏、バイオリン独奏など、歌を含まない編成でもたびたび演奏されており、結婚式などのお祝いの場でも感動を呼ぶBGMとして使われています。
水上の音楽 ホーンパイプNEW!Georg Friedrich Händel

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルによる、王室の舟遊びを彩るための管弦楽組曲があり、その中の一曲は夏にふさわしい涼やかさと華やかさを兼ね備えています。
本作は、1717年7月のテムズ川での初演時、国王ジョージ1世があまりの素晴らしさに何度もアンコールを命じたという記録が残るほど、当時から人々の心をつかんでいました。
トランペットやホルンといった管楽器が躍動し、聴く者を晴れやかで祝祭的な気分へと誘います。
映画『いまを生きる』のワンシーンを彩ったことでも知られていますね。
蒸し暑い日々に爽快なひとときを求める方や、バロック音楽の持つ荘厳かつ軽快な魅力を気軽に楽しみたい方にはうってつけの一曲かと思います。