ブルースロックの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム
ブルースロックと呼ばれるジャンルは、文字通りブルースをバックグラウンドに持つロックの音楽スタイルの1つです。
ブルースの本場、アメリカの偉大なブルースマンに憧れたイギリスのミュージシャンたちが始めたとされており、後にアメリカでもブルースロックを鳴らすバンドが現れます。
そのジャンル自体は熱心な音楽ファンでないとあまり縁がないものかもしれませんが、実際には音楽好きならずとも聴いたことのあるくらいに有名なバンドやアーティストがブルースの影響を受け、自分たちなりのロックとして鳴らしているのですよ。
今回は、そんなブルースロックの基本的な名盤をご紹介!
本領発揮とも言えるライブ盤も含めて選出致しました。
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ブルースロックの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム(1〜10)
Cry BabyJanis Joplin

27歳という短い生涯を駆け抜けたジャニス・ジョプリンさんは類いまれな歌声の持ち主であり、圧巻のライブ・パフォーマンスと珠玉の作品群で音楽史にその名を永遠に刻んだロックシンガーの最高峰の1人です。
シンガーとしての強烈な存在感とは裏腹にシャイな性格の持ち主で、消えることのなかった疎外感や孤独感が彼女の歌声に宿る悲哀のブルースを保証していたのかと思うと、どうにもやりきれないですね。
とはいえ、残された映像の中では本当に楽しそうに歌っているジョプリンさんの姿も確認できますし、音楽をいかに愛し、歌う事への喜びを感じていたというのもまた事実なのだと感じます。
そんなジョプリンさんの代表作となった『Pearl』は、1971年にリリースされた名盤中の名盤です。
前年の1970年にジョプリンさんは亡くなってしまったので、遺作となってしまいました。
だからといって悲劇色だけを読み取るのではなく、全曲に込められた彼女の美しい魂のブルースを無心で味わってほしいですね。
Over Under Sideways DownThe Yardbirds

イギリスが生んだ60年代のロック・バンドを代表する存在の1つであり、あのエリック・クラプトンさんやジェフ・ベックさん、ジミー・ペイジさんといったギタリストの神様のようなプレイヤーが在籍していたことでも知られているのがヤードバーズです。
1962年の結成以来、度重なるメンバーチェンジもあり、どの時期のヤードバーズを聴くかで評価も変わってくるのですが、今回はテーマに沿ったブルースロックの名盤ということで、1966年にリリースされた『Roger the Engineer』を紹介します。
オリジナル・アルバムとしては通算2枚目となる作品で、ジェフ・ベックさんが在籍していた時期のアルバムでもあります。
ブルースへの憧れを軸としながらも、ブルースハープが鳴り響き、ベックさんのハードなギターがうなりを上げ、トラッドなフォークからインド音楽など多くの要素を盛り込んだ、実験的かつ60年代らしいサイケデリックさも兼ね備えたカッコいい1枚となっておりますよ。
『サイケデリックのエース』という邦題も、味わい深くていい感じです!
Better By You Better Than MeSpooky Tooth

英国のブルースロック・バンドには、本国よりもアメリカでヒットしたバンドというのがいくつか存在していますが、こちらのスプーキー・トゥースもそういったバンドの1つです。
後にハンブル・パイの創設メンバーとなるベーシストのグレッグ・リドリーさん、唯一のアメリカ人であり、メイン・ソングライターでもあったキーボーディストのゲイリー・ライトさんなどが在籍していたことでも知られており、世界的な成功を収めるまでには至りませんでしたが、根強い人気を誇るバンドなのですね。
そんな彼らの代表作と言えば、やはり1969年にリリースされたセカンド・アルバム『Spooky Two』でしょう。
アメリカでチャート50位内にランクイン、オランダでも大ヒットとなった本作は、ブルースロックを軸としながらも全体的にかなりヘビーなサウンドであり、ソウルフルなボーカルやゲイリーさんによる重厚なオルガン、重いギター・リフが実にカッコいい。
名曲『Better by You, Better Than Me』を、後にジューダス・プリーストがカバーしたという点も見逃せません。
ブルースロックの中でもとくにヘビーな音がお好きな方であれば、確実に気に入る1枚ですよ!
ブルースロックの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム(11〜20)
Statesboro BluesThe Allman Brothers Band

アメリカはジョージア州出身のオールマン・ブラザーズ・バンドは、サザンロックとも呼ばれる南部特有のサウンドを軸としながらも、アメリカのルーツ・ミュージックを独自に解釈したサウンドで人気を博したバンドです。
ギタリストのデュアン・オールマンさんと、弟でありバンドのフロントマンであるグレッグ・オールマンさんというオールマン兄弟を中心として1969年に結成。
そんな彼らの名前を一躍世に知らしめたのが、こちらの名ライブ盤『At Fillmore East』です。
ニューヨークのフィルモア・イーストで行われた4公演を抜粋したもので、商業的な成功を収めただけでなく、1970年代を代表する作品の1つとして高い評価を受けています。
リリース直後に24歳という若さで事故死してしまったデュアンさんのスライド・ギターが強烈な存在感を放ち、骨太なバンド・アンサンブルの素晴らしさは、スタジオ録音では味わえないライブ盤ならではの魅力に満ちていますよ。
Train to NowhereSavoy Brown

ここ日本ではフリートウッド・マック、そしてチキン・シャックを「三大ブルース・バンド」と呼ぶことがあり、その一角を占めるのが本稿で紹介するサヴォイ・ブラウンです。
1965年、当時18歳だったギタリストにして唯一のオリジナル・メンバーであるキム・シモンズさんを中心として結成され、長い活動歴の中で紆余曲折ありながらも一貫して「ブルース」を基盤としたサウンドを鳴らし、2020年代の今もバリバリの現役として活動を続ける生ける伝説のようなバンドなのですね。
彼らは本国イギリスよりもアメリカでの人気が高く、後にアメリカに拠点を置いて活動したということも特徴です。
そんなサヴォイ・ブラウンが1969年に発表したサード・アルバム『Blue Matter』は、初めてアメリカのチャートにランクインした彼らにとっては出世作と言える1枚。
A面の5曲がスタジオ音源、B面の3曲がライブ音源という変則的な作品となっているのも、いかにも60年代らしい雰囲気ですね。
どちらの音源もブリティッシュ・ブルースロックの粋を楽しめる逸品です!
Dixie ChickenLittle Feat

ルーツ色の強いアメリカン・ロックは、日本ではあまり受けないと言われ、本国では有名なバンドであっても、知名度的に少々寂しいものがある、というのは残念ながらよくあることです。
1969年に結成されたリトル・フィートも、大ヒット曲があるというわけではなく、一般的に知られているバンドとは正直言えません。
とはいえ、あのサザンオールスターズの桑田佳祐さんが大きな影響を受けているなど、ミュージシャンズ・ミュージシャンとしても高い評価を受ける彼らは、アメリカンロックの歴史において重要なバンドの1つです。
そんな彼らの代表作である『Dixie Chicken』は、いわゆるニュー・オーリンズ・サウンドを軸としながらブルースやR&B、ロックをファンキーにごった煮したような音で、1970年代を代表する傑作として名高い1枚。
土着的な、いなたい音に対して苦手意識を持っている方であっても、西海岸と南部の音を見事に融合させた本作のスタイルは洗練されており、比較的聴きやすい音となっているのではないでしょうか。
I’m Going HomeTen Years After

直訳すれば「10年後」という意味を持つテン・イヤーズ・アフターは、1960年代の英国ブルースロックを代表するバンドの1つであり、その攻撃的なギター・スタイルは後のハードロックへも多大なる影響を及ぼしています。
前身バンドを経て1966年にテン・イヤーズ・アフターと改名、本格的にデビューを果たした彼らの作品の中で今回紹介するのは、1968年にリリースされたライブ盤の『Undead』です。
1968年のデビュー・アルバムの翌年にさっそくライブ盤がリリースされたのは、彼らのライブ・パフォーマンスのすさまじさを裏付けるものと言えるでしょう。
中心人物のアルヴィン・リーさんによる強烈なギターの速弾きは今聴いても刺激的で、ブルースやジャズからの影響も感じさせるバンド・アンサンブルの素晴らしさは、ライブ録音だからこそ味わえる魅力ですよね。
当時の英国ロックにどれほど素晴らしいプレイヤーがいたのかを知るという意味でも、ぜひ聴いてもらいたいアルバムです。
いかにも60年代らしい、サイケデリックなアートワークもいい感じです!