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フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説

南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。

アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。

哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。

南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(1〜10)

ウマウアケーニョエドムンド・サルディバール

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のエドムンド・サルディバールさんが作ったか採譜したと言われている、アンデス地域のフォルクローレ「ウマウアケーニョ」です。

日本語タイトルは「花祭り」ですが、このタイトルは日本とフランスくらいでしか通用しないので、原題で覚えていた方がまちがいありません。

泣きながらロス・カルカス

ボリビアのフォルクローレグループ「ロス・カルカス」のメンバー、ウリーセス・エルモーサさんが作詞・作曲をした【泣きながら】です。

元はスペイン語の歌詞で失恋を歌にしたものですが、ブラジル人中心に結成されたフランスのグループ「カオマ」に盗用され、「ランバダ」として世界中に広まりました。

チュル・チュルスエルネスト・カブール

アンデスの伝統音楽の真髄を伝える珠玉の一曲が、ボリビアが誇るチャランゴの名手エルネスト・カブールさんによって奏でられます。

アルバム『Villancicos Con Ernesto Cavour』に収録された本作は、軽快なリズムと哀愁を帯びたメロディーが絶妙に調和し、アンデス高地に暮らす人々の暮らしや文化を映し出す逸品です。

1980年に初来日し、日本のフォルクローレ・シーンにも大きな影響を与えたカブールさんは、幼少期からチャランゴに魅了され、10代でボリビア最高の奏者として名を馳せました。

本作は、自然と調和しながら生きるアンデスの人々の心情を優しく包み込むような温かな曲調で、穏やかな時間を過ごしたい方におすすめの一曲です。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(11〜20)

ラ・マイェロス・カルチャキス

南米アンデスの伝統が息づく美しい旋律が、心に深く染み入ります。

1960年にフランスで結成されたロス・カルチャキスが、アンデスの民族楽器を駆使して奏でる魂の調べは、はるか遠い大地からの贈り物のよう。

アルバム『La Flûte Indienne, Vol. 4』に収録された本作では、軽やかなフルートの旋律とギターの温かな伴奏が絶妙なハーモニーを生み出し、南米の豊かな風土と文化を鮮やかに描き出しています。

1974年のリリース以来、映画やドキュメンタリーでも数多く使用され、アンデス音楽の魅力を世界中に伝えてきました。

静かな夜のひとときや、心を落ち着かせたいときに聴きたい一曲です。

コージャ族のクエカアントニオ・パントーハ

アンデスの伝統が息づく名匠の至芸。

ペルー出身のアントニオ・パントーハさんが紡ぎ出す、アルゼンチン北西部の優美な舞曲「クエカ」が心に染み入ります。

繊細な木管ケーナの音色に乗せて、アンデス高原に暮らす先住民コージャ族の暮らしと精神が静かに語られていきます。

1975年に来日した際は、愛娘のマルタさんやチャランゴ奏者のホルヘさんらと共に、この楽曲を披露。

観客を魅了しました。

アルバム『Coplas Quebradeñas』に収録された本作は、ゆったりとした3拍子のリズムに乗って、はるか彼方の山々へと私たちを誘います。

静かな夜や穏やかな休日に、アンデスの風を感じながら聴きたい一曲です。

アミーゴグルーポ・フェメニーノ・ボリビア

アンデスの大地から響き渡る情熱的なメロディー。

グルーポ・フェメニーノ・ボリビアさんは、1983年にラパスで結成された女性だけのフォルクローレグループです。

ワイニョのリズムに乗せて、友情の尊さと人々の絆を歌い上げた本作は、ケーナやチャランゴといった伝統楽器の繊細な音色と、豊かな女性ハーモニーが見事に調和しています。

1997年の発表後、アルバム『20 Años 1983 – 2003 Colección De Oro』にも収録され、アンデス音楽の真髄を今に伝える珠玉の一曲となりました。

温かな友情を歌った歌詞と、伝統的なサウンドが織りなす美しい世界観は、心に癒しを求める人々の心を優しく包み込んでくれることでしょう。

ブランカ・ロサフェルナンド・ヒメネス

アンデスの哀愁漂うフォルクローレのスタンダード曲「ブランカ・ロサ」です。

ラテンアメリカのリズムに物悲しいケーナの音色が冴えます。

多くの演奏家によって奏でられていますが、ボリビアを代表するサンポーニャ奏者、フェルナンド・ヒメネスさんの演奏をぜひ聴いていただきたいです。