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フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説

南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。

アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。

哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。

南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(1〜10)

泣きながらロス・カルカス

ボリビアのフォルクローレグループ「ロス・カルカス」のメンバー、ウリーセス・エルモーサさんが作詞・作曲をした【泣きながら】です。

元はスペイン語の歌詞で失恋を歌にしたものですが、ブラジル人中心に結成されたフランスのグループ「カオマ」に盗用され、「ランバダ」として世界中に広まりました。

チャリャエルネスト・カブール

ERNESTO CAVOUR(エルネスト・カブール) ;CHALLA(チャリャ)
チャリャエルネスト・カブール

南米アンデスの哀愁と情熱が響き渡る名演を聴かせてくれるのは、ボリビア出身のエルネスト・カブールさんです。

伝説のチャランゴ奏者として知られる彼の演奏は、アンデスの伝統音楽の魂を現代に伝える珠玉の一曲。

繊細な音色と革新的な奏法が織りなす美しい旋律は、壮大な自然と豊かな文化が息づく南米の大地を彷彿とさせます。

アルバム『Canto del Viento』に収録された本作は、1979年のリリース以来、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

1980年の初来日を機に日本でも高い評価を受け、多くのフォルクローレファンを生み出しました。

穏やかな夜のひとときや、心を落ち着かせたい時に、ぜひ耳を傾けてみてください。

君の影になりたいロス・ロメロス

南米の伝統音楽の真髄を伝える珠玉のメロディーが、スペイン系アメリカ人のギター四重奏団ロス・ロメロスによって優美に奏でられます。

セフェリーノ・ロメロさんが1960年に結成した「ギターの王族」と称される彼らは、3人の息子たちと共に世界中で活躍してきました。

本作は、ベネズエラのワルツ形式で作られた伝承曲で、3/4拍子と6/8拍子が織りなす独特のリズムが印象的です。

揺れるような躍動感と共に、愛する人への想いが繊細なギターの音色に乗せて表現されており、南米の心と魂が息づく名曲として多くの人々に愛され続けています。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(11〜20)

平原の魂ペドロ・エリアス・グティエレス

ペドロ・エリアス・グティエレスさん作曲の「平原の魂」は、ベネズエラの第2の国歌とされています。

ジャノスという平原に住む人々の心意気が歌われています。

ベネズエラのポピュラーな様式のホローポで、その中でも最も有名な名曲です。

チュル・チュルスエルネスト・カブール

アンデスの伝統音楽の真髄を伝える珠玉の一曲が、ボリビアが誇るチャランゴの名手エルネスト・カブールさんによって奏でられます。

アルバム『Villancicos Con Ernesto Cavour』に収録された本作は、軽快なリズムと哀愁を帯びたメロディーが絶妙に調和し、アンデス高地に暮らす人々の暮らしや文化を映し出す逸品です。

1980年に初来日し、日本のフォルクローレ・シーンにも大きな影響を与えたカブールさんは、幼少期からチャランゴに魅了され、10代でボリビア最高の奏者として名を馳せました。

本作は、自然と調和しながら生きるアンデスの人々の心情を優しく包み込むような温かな曲調で、穏やかな時間を過ごしたい方におすすめの一曲です。

高原から密林へエルネスト・カブール

ERNESTO CAVOURエルネスト・カブール;DE LAS MONTAÑAS A LA SELVA 高原から密林へ
高原から密林へエルネスト・カブール

アンデスの雄大な自然を見事に音楽で表現した珠玉の名作です。

アルバム『Agua Y Tierra』に収録された本作は、ボリビア出身のエルネスト・カブールさんが、高原から密林へと広がる故郷の風景を、繊細なチャランゴの音色で描き出しています。

2007年にはアルバム『50 Años, Antología』にも収録され、彼の代表曲の一つとして愛され続けています。

1962年にラパスでチャランゴ博物館を設立したカブールさんは、独自の5本ネックを持つチャランゴ「ESTRELLITA」を考案するなど、革新的な音楽性で知られています。

アンデスの伝統音楽に触れたい方や、南米の壮大な自然を音楽で感じたい方におすすめの一曲です。

ラ・マイェロス・カルチャキス

南米アンデスの伝統が息づく美しい旋律が、心に深く染み入ります。

1960年にフランスで結成されたロス・カルチャキスが、アンデスの民族楽器を駆使して奏でる魂の調べは、はるか遠い大地からの贈り物のよう。

アルバム『La Flûte Indienne, Vol. 4』に収録された本作では、軽やかなフルートの旋律とギターの温かな伴奏が絶妙なハーモニーを生み出し、南米の豊かな風土と文化を鮮やかに描き出しています。

1974年のリリース以来、映画やドキュメンタリーでも数多く使用され、アンデス音楽の魅力を世界中に伝えてきました。

静かな夜のひとときや、心を落ち着かせたいときに聴きたい一曲です。