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フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説

南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。

アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。

哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。

南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(21〜30)

ビバ・トリニダードサビア・アンディーナ

南米ボリビアが誇るフォルクローレグループ、サビア・アンディーナの心温まる楽曲です。

1975年の結成以来、アンデス地方の伝統音楽を大切に守り続けてきた彼らが、ベニ地方の魅力を優美に描き出しています。

トバやタキパヤナクといった伝統的なリズムを基調に、ケーナやチャランゴの繊細な音色が織りなすメロディーは、豊かな自然と人々の暮らしを鮮やかに映し出します。

アルバム『Viva Bolivia』に収録された本作は、同グループの代表作として高い評価を受けています。

エディ・ナビアさんの卓越したチャランゴ演奏とヘラルド・アリアスさんの透明感のある歌声が、南米の心と魂を見事に表現した珠玉の1曲です。

アンデスの伝統音楽に触れてみたい方や、異国の文化に興味をお持ちの方にぜひおすすめしたい1曲です。

ミシオネーラデスペルタル

アルゼンチンのピアニスト、フェルナンド・ブスタマンテさんが作曲した「ミシオネーラ」です。

アルゼンチンの州の1つであるミシオネス州、この地の娘「ミシオネス州の娘」の意味があるタイトルになっています。

6/8拍子のガローパ様式で作られていて、アルパで演奏されることが多いです。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(31〜40)

コンドルは飛んでいくサイモン&ガーファンクル

アンデスのフォルクローレの代表曲「コンドルは飛んでいく」です。

ペルーの作曲家で民俗音楽研究家のダニエル・アロミア=ロブレスさんが1913年に作曲しました。

第1部【ヤラビ】、第2部【フォックス・インカイコ】、第3部【ワイノ】の3部で構成された曲ですが、有名なのは物悲しい旋律の第1部だけです。

ベンセレーモスインティ・イリマニ

チリのフォルクローレグループ、インティ・イリマニの演奏が有名な「ベンセレーモス」です。

1960年から1970年代にかけて存在した左翼政党連合「チリ人民連合」が勝利を得るまでの間、人々の支えになっていた曲です。

虐殺されるその時までこの歌を歌い続けている者もいたという話もあります。

谷間のカーニバルザ・アバロス・ブラザーズ

サンディアゴ・デル・エステロ州で活躍した5人兄弟、ザ・アバロス・ブラザーズの「谷間のカーニバル」です。

ボリビアでは「ワイニョ」、ペルーでは「ワイノ」と呼ばれる音楽形式の曲で、この形式はアンデス地域の大衆音楽の中心となっています。

チョグイ鳥ピタグア

pajaro campana pajaro chogui 鐘つき鳥 チョグイ鳥
チョグイ鳥ピタグア

アルゼンチン・コリエンテス州出身のピアニストが作ったと言われるパラグアイの代表曲「チョグイ鳥」です。

主にパラナ川からパラグアイ川にかけてのラ・プラタ地域とブラジルに住んでいたグアラニー族の、オレンジが好きだった少年の伝説をモチーフにしています。

素焼きの瓶グロリア・ハロ

Vasija de Barro (素焼きの甕)Gloria haro
素焼きの瓶グロリア・ハロ

3人の詩人と1人の画家が即興的に作った詩に、エクアドルの首都キトを中心に活躍していたゴンサロ・ベニテスさんとルイス・アルベルト・バレンシアさんが曲をつけてできたフォルクローレ「素焼きの瓶」です。

死んだら先祖と同じように、暗くて涼しい瓶の中に葬って欲しいと歌っています。