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フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説

南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。

アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。

哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。

南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。

フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(21〜30)

風とケーナのロマンスホセ・ラミレス・トーレス

ボリビア出身のギタリスト、ホセ・ラミレス・トーレスさん作曲の「風とケーナのロマンス」です。

特にケーナ愛好者に人気が高く、フォルクローレの定番曲として愛されています。

見たこともないボリビアの景色の中に誘われるような曲調で始まり、タキラリ、ワイニョと形式を変え進んで行きます。

水辺の花サビア・アンディーナ

ケーナ奏者ならば誰もが憧れる「水辺の花」は、原題「フロール・デ・カーニャ」と言います。

カーニャとはアンデス高原に生い茂る大きな葦のような植物で、サトウキビのような形をしています。

様式はカルナバルで、6/8拍子のテンポの速い激しい曲です。

緑の大木ルス・デル・アンデ

アンデス地方の伝統的な音色と革新的なアレンジが融合した魅力的な演奏を届けているボリビアのフォルクローレグループ、ルス・デル・アンデ。

1980年代に日本人音楽家の木下尊惇さんを中心に再編成され、独自の世界観を確立してきました。

アルバム『THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY 112』に収録された本作は、エルネスト・カブールさんが作曲した名曲を見事に演奏。

チャランゴやケーナが奏でる躍動感あふれるカーニバルのリズムと、アンデスの伝統楽器が織りなす豊かな音色が心を揺さぶります。

1992年にリリースされたアルバム『Peskha patac mara』でも証明された彼らの演奏力が存分に発揮された一曲で、南米の文化や音楽に関心のある方にお勧めです。

エル・ウマ・ウアケーニョロス・アタウアルパス

南米アンデス地方の伝統音楽を世界に届けるロス・アタウアルパスの演奏は、聴く人の心を優しく包み込みます。

2011年1月にアルバム『Sounds Around the World: Sound of the Andes』でデビューしたグループが奏でるメロディーは、アンデスの壮大な自然と人々の暮らしを映し出すかのよう。

アルゼンチン北西部のウマワカ渓谷をイメージした本作では、ケーナやチャランゴといった伝統楽器の音色が、澄み切った空気の中で響き渡ります。

明るく軽快なリズムに乗せて、大地の鼓動のように力強い打楽器が心を躍らせます。

アンデスの伝統を今に伝えるこの珠玉の一曲は、南米の文化や風景を紹介するドキュメンタリー番組でもたびたび使用され、多くの人々に感動を与え続けています。

二羽の小鳩ロス・インカス

アンデス地域の音楽で知られるロス・インカスの「二羽の小鳩」です。

アルゼンチン山間部のフォルクローレで、スローテンポなギターの音色から始まります。

そして掛け声と共にミディアムテンポへ、更に軽快なテンポへと変わり、アンデスの澄んだ空気を感じられるような曲となっています。

サンフランシスコへの道ダニエル・フェレイラ

「サンフランシスコへの道」リカルド en Tepito
サンフランシスコへの道ダニエル・フェレイラ

映画「続・夕陽のガンマン」のテーマ曲で、南米で「サンフランシスコへの道」というタイトルがつけられています。

様式は馬の駆け足の音トロットから「トローテ」と呼ばれる比較的新しいもので、疾走感溢れる激しい雰囲気の曲のことを言います。

素焼きの瓶グロリア・ハロ

Vasija de Barro (素焼きの甕)Gloria haro
素焼きの瓶グロリア・ハロ

3人の詩人と1人の画家が即興的に作った詩に、エクアドルの首都キトを中心に活躍していたゴンサロ・ベニテスさんとルイス・アルベルト・バレンシアさんが曲をつけてできたフォルクローレ「素焼きの瓶」です。

死んだら先祖と同じように、暗くて涼しい瓶の中に葬って欲しいと歌っています。