フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説
南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。
アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。
哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。
南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。
フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(21〜40)
神への捧げものエルネスト・カブール

アンデスの伝統音楽に新たな風を吹き込んだボリビアの音楽家、エルネスト・カブールさんの魂が息づく珠玉の一曲です。
チャランゴの繊細な音色が織りなす神秘的なメロディーは、アンデス山脈の壮大な自然と先住民の祈りの心を見事に表現しています。
本作は1992年6月にリリースされたアルバム『緑の大木』に収録された楽曲で、伝統的なフォルクローレ音楽に革新的なアプローチを加えた傑作として高い評価を受けています。
静かな夜に一人で聴きたい瞑想的な楽曲であり、日常の喧騒から離れて心を癒やしたい方におすすめです。
チャランゴの名手として知られる彼の卓越した演奏技術と表現力が、アンデスの大地から湧き上がる深い情感とともに心に響きます。
風とケーナのロマンスホセ・ラミレス・トーレス
ボリビア出身のギタリスト、ホセ・ラミレス・トーレスさん作曲の「風とケーナのロマンス」です。
特にケーナ愛好者に人気が高く、フォルクローレの定番曲として愛されています。
見たこともないボリビアの景色の中に誘われるような曲調で始まり、タキラリ、ワイニョと形式を変え進んで行きます。
水辺の花サビア・アンディーナ

ケーナ奏者ならば誰もが憧れる「水辺の花」は、原題「フロール・デ・カーニャ」と言います。
カーニャとはアンデス高原に生い茂る大きな葦のような植物で、サトウキビのような形をしています。
様式はカルナバルで、6/8拍子のテンポの速い激しい曲です。
サンフランシスコへの道ダニエル・フェレイラ

映画「続・夕陽のガンマン」のテーマ曲で、南米で「サンフランシスコへの道」というタイトルがつけられています。
様式は馬の駆け足の音トロットから「トローテ」と呼ばれる比較的新しいもので、疾走感溢れる激しい雰囲気の曲のことを言います。
コンドルは飛んでいくサイモン&ガーファンクル
アンデスのフォルクローレの代表曲「コンドルは飛んでいく」です。
ペルーの作曲家で民俗音楽研究家のダニエル・アロミア=ロブレスさんが1913年に作曲しました。
第1部【ヤラビ】、第2部【フォックス・インカイコ】、第3部【ワイノ】の3部で構成された曲ですが、有名なのは物悲しい旋律の第1部だけです。