南米アンデス地方の伝統音楽「フォルクローレ」。
アルゼンチンのアリエル・ラミレスさんやボリビアのエルネスト・カブールさんといった名手たちが織りなす、ケーナやチャランゴの繊細な調べは、悠久の歴史と豊かな文化を今に伝えています。
哀愁を帯びた「コンドルは飛んでいく」や情熱的な「シン・ティ」など、アンデスの大地から生まれた名曲の数々は、世界中の人々の心に深い感動を与え続けています。
南米の心と魂が息づく珠玉の音楽をご紹介します。
フォルクローレの名曲と歴史。南米アンデスの伝統音楽を解説(1〜10)
高原から密林へエルネスト・カブール

アンデスの雄大な自然を見事に音楽で表現した珠玉の名作です。
アルバム『Agua Y Tierra』に収録された本作は、ボリビア出身のエルネスト・カブールさんが、高原から密林へと広がる故郷の風景を、繊細なチャランゴの音色で描き出しています。
2007年にはアルバム『50 Años, Antología』にも収録され、彼の代表曲の一つとして愛され続けています。
1962年にラパスでチャランゴ博物館を設立したカブールさんは、独自の5本ネックを持つチャランゴ「ESTRELLITA」を考案するなど、革新的な音楽性で知られています。
アンデスの伝統音楽に触れたい方や、南米の壮大な自然を音楽で感じたい方におすすめの一曲です。
太陽の乙女たちロス・チャコス

ホルヘ・ブラーボ・デ・ルエダさん作曲のフォルクローレ「太陽の乙女たち」です。
南アメリカのペルーやボリビアを中心に栄えたインカ帝国。
タイトルは、インカ帝国の神殿に仕える巫女を指しています。
儀式に参列する太陽の乙女を描いた曲なのに、実らぬ恋心を歌った歌詞がついています。
コーヒー・ルンバウーゴ・ブランコ

アルパ奏者、ウーゴ・ブランコさんの演奏で大ヒットした「コーヒー・ルンバ」です。
原題は「モリエンド・カフェ」といって、「コーヒーを挽きながら」という意味を持っています。
邦題にはルンバとありますが、実際のリズムはルンバではなくオルキデアです。
日本でも人気の曲で、沢山の歌手にカバーされています。
ベニの浜辺でアレハンドロ・カマラ

ボリビア・マモレー河畔でのロマンスをモチーフに作られた曲、「ベニの浜辺で」です。
様式は「バルス」と呼ばれるもので、これはワルツのことです。
特にアレハンドロ・カマラさんがチャランゴで奏でる演奏は多くの人に愛されています。
ウマウアケーニョエドムンド・サルディバール

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のエドムンド・サルディバールさんが作ったか採譜したと言われている、アンデス地域のフォルクローレ「ウマウアケーニョ」です。
日本語タイトルは「花祭り」ですが、このタイトルは日本とフランスくらいでしか通用しないので、原題で覚えていた方がまちがいありません。
泣きながらロス・カルカス

ボリビアのフォルクローレグループ「ロス・カルカス」のメンバー、ウリーセス・エルモーサさんが作詞・作曲をした【泣きながら】です。
元はスペイン語の歌詞で失恋を歌にしたものですが、ブラジル人中心に結成されたフランスのグループ「カオマ」に盗用され、「ランバダ」として世界中に広まりました。
ミ・ボリビアサカンバヤ

ボリビアのグループ、サカンバヤの魂を揺さぶる壮大な演奏が、アンデスの伝統音楽の真髄を伝えます。
2004年にリリースされたアルバム『ミグランド』に収録された本作は、ティンクというリズムを用いて、力強くも繊細な情感を奏でています。
グループを代表するホルヘ・アキノさんを中心に、エドウィン・セバージョスさんら錚々たるメンバーが織りなすハーモニーは、まるで雄大なアンデス山脈の息吹を感じさせます。
グループの代名詞とも言えるケーナやチャランゴの音色が、ボリビアの文化と精神を見事に表現しており、アンデス音楽の真髄に触れたい方にぴったりの一曲です。





