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【印象主義音楽】クラシック音楽史を彩る印象派の名曲を一挙紹介

20世紀初頭のフランスに興った新たな音楽の潮流「印象主義」。

印象派を代表するクロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェルをはじめとする作曲家らが、光の指し方や色彩の濃淡を音楽で表そうと、多くの繊細な作品を世に送り出しました。

本記事では、そんな印象主義音楽のなかでも、今日に至るまでさまざまなアーティストによって演奏されて親しまれてきた名曲をピックアップ!

曲の特徴や作曲の背景とあわせてたっぷりご紹介します。

【印象主義音楽】クラシック音楽史を彩る印象派の名曲を一挙紹介(1〜10)

ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

Debussy: Claire de Lune ドビュッシー「月の光」 ピアノ
ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

ドビュッシーの名曲『ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」』。

はじめから終わりまでほとんどがピアニッシモで構成されている、静かで穏やかな心癒やされる作品です。

月明かりがぼんやり浮かぶ静かな夜をイメージさせる曲調ですが、実はもとのタイトルは『感傷的な散歩道』。

こちらのタイトルを知ると、悲しみに暮れながらしょんぼり歩く後ろ姿を連想させる曲にも聴こえてきませんか?

ぜひ、そんな曲の背景も頭に浮かべながら聴いてみてくださいね。

喜びの島Claude Debussy

大胆な表現力と鮮やかな色彩感に満ちあふれた作品。

画家ジャン・アントワーヌ・ヴァトーの作品『シテール島への巡礼』からインスピレーションを得て作曲されたといわれています。

若い男女の恋人たちが集い、愛の女神ヴィーナスの島シテール島への船出にこぎ出そうするシーンを描き出したものであり、官能的な雰囲気や出航する喜びが感じられる作品です。

映像 第1集 第1曲「水の反映」Claude Debussy

2010入賞者記念 小塩 真優/ドビュッシー:映像 第1集より 「水の反映」
映像 第1集 第1曲「水の反映」Claude Debussy

美しく揺らめく水面に反射する光のきらめき……絵画的なイメージを想起させる美しい楽曲ですね。

水をテーマとしたクラシックのピアノ曲としては、直接的な影響を受けたフランツ・リストの『エステ荘の噴水』、そしてモーリス・ラヴェルの『水の戯れ』と並んで有名な曲として知られるクロード・ドビュッシーの『水の反映』。

ピアノ曲集『映像 第1集』として発表された楽曲で、水の動きそのものに着目した世界観が、作者の繊細な感性によって見事に描き出されています。

古典的な作法から外れた自由な作曲方法で知られるドビュッシーの曲ですから、がちがちのクラシック曲は苦手……という方もぜひチェックしてみてください!

【印象主義音楽】クラシック音楽史を彩る印象派の名曲を一挙紹介(11〜20)

夜のガスパールMaurice Ravel

ラヴェル: 夜のガスパール pf.篠永紗也子:SayakoShinonaga
夜のガスパールMaurice Ravel

近代のクラシックに絶大な影響を与えたフランスの偉大な作曲家、モーリス・ラヴェル。

フランスの作曲家は芸術性の高い繊細なサウンドを得意としている傾向がありますが、ラヴェルもまたその1人で、他の作曲家には見受けられない圧倒的な個性と芸術性を秘めています。

そんなラヴェルの作品のなかでも、非常に難易度の高いピアノ作品といわれているのが、こちらの『夜のガスパール』。

全曲を合わせると相当な難しさで、芸術性を維持したまま、弾きこなせるのは一部の上級者だけです。

神聖な舞曲と世俗的な舞曲Claude Debussy

Debussy’s Danse sacrée et danse profane, featuring Gulnara Mashurova
神聖な舞曲と世俗的な舞曲Claude Debussy

クロード・ドビュッシーの作品の中でも印象主義の要素が色濃く表れている作品の一つである『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』。

ハープの新しい可能性を引き出すために作曲われたこの作品で、ドビュッシーは、自由な形式と調和の探求を通して、従来の音楽の枠組みからの脱却を試みたとされています。

厳かな「神聖な舞曲」と軽快な「世俗的な舞曲」の2つの対照的な部分から成り立つ本作は、静寂や自然、抽象的なイメージを音で表現するドビュッシーの才能が存分に発揮された1曲といえるでしょう。

交響組曲「寄港地」Jacques Ibert

Ibert: Escales ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Alain Altinoglu
交響組曲「寄港地」Jacques Ibert

フランスの作曲家ジャック・イベールは、色彩豊かで洗練されたスタイルの音楽で知られています。

彼の代表作の一つである『交響組曲「寄港地」』は、地中海クルーズの体験から生まれた音楽的な旅行記です。

各楽章は訪れた港町の風景を鮮やかに描写しており、異国情緒あふれる雰囲気と躍動感のあるリズムによって、若い頃に感じた冒険心や好奇心が見事に再現されています。

クラシック音楽に親しみのある方はもちろん、異国の地への旅行気分を味わいたい方にもオススメの1曲です。

組曲「鏡」第4曲「道化師の朝の歌」Maurice Ravel

森本 隼太/ラヴェル:組曲「鏡」より「道化師の朝の歌」(入賞者ガラコンサート)Ravel: “Alborada del gracioso” (from the Suite “Miroirs”)
組曲「鏡」第4曲「道化師の朝の歌」Maurice Ravel

印象主義音楽の代表的存在であるモーリス・ラヴェルの音楽は、工芸的な緻密さと形式の完璧さで知られています。

『組曲「鏡」第4曲「道化師の朝の歌」』は、1905年に完成したピアノ組曲の一部で、後にラヴェル自身によってオーケストラ版も発表されています。

この曲は、スペイン音楽の影響を受けたリズムや楽器の使い方が特徴的。

演奏会やコンクールでもたびたび取り上げられる人気作品で、ラヴェルの革新的な音楽性に触れたい方にオススメです。