【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集
ジャズのスタンダードナンバーと言われて、皆さんはどのような楽曲を思い浮かべますでしょうか。
実はテレビのCMやデパートの店内BGMなどで一度は耳にしている楽曲の多くが、ジャズのスタンダードナンバーであったりするのですね。
今回はジャズ・ミュージックとして長年愛され続けている「スタンダードナンバー」をテーマとして、映画用に作られてそのままジャズ界のアーティストたちに繰り返しカバーされた名曲から、ジャズ・ミュージシャン自身が作曲したナンバーまでを一挙ご紹介。
戦前の有名曲から戦後のモダン・ジャズ、70年代のフュージョン系の名曲に80年代のポピュラー音楽などにも目を向けた幅広いラインアップでお届けします!
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【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(21〜30)
Maiden VoyageHerbie Hancock

80歳をこえた2020年代においてもバリバリの現役、ミュージシャンとしての卓越した技術と既存のスタイルにとらわれない感性でジャズ・シーンの最先端を走り続けるハービー・ハンコックさん。
ジャズ史に残るマスターピースを生み出し続けてきたハンコックさんは、作曲家としても後続のアーティストたちの多くがカバーとして取り上げるスタンダードナンバーを多く発表していますが、今回はハンコックさんが1965年に発表した傑作アルバム『Maiden Voyage』の表題曲を取り上げます。
『処女航海』という邦題でも知られるハンコックさんの代表作の1つにして超有名曲であり、ジャズ・ミュージックの歴史上の名曲というランキングがあれば大抵上位に食い込む楽曲ですね。
アルバムのジャケットやタイトルからも分かるように「海」をテーマとした作品であり、あまりにも有名な冒頭のピアノのフレーズから始まり、雄大な海の景色が浮かんでくるようなスケールの大きさと優美さとが織り成す楽曲展開、管楽器によるメイン・テーマ……キャッチーで親しみやすいメロディというわけではないのですが、この楽曲が持つ独自の世界観は聴けば聴くほど味わい深いものがありますね。
2000年代以降のジャズ・シーンをリードするピアニスト、ロバート・グラスパーさんも自身の作品の中でこの楽曲を取り上げていますから、そちらもぜひチェックしてみてください!
Round MidnightThelonious Monk

なんというか『’Round Midnight』というタイトルだけ見ても、実にクールな雰囲気を感じ取れますよね!
もちろん楽曲自体も最高にクールで美しい名曲『’Round Midnight』は、即興による独特のピアノ・スタイルと多くのスタンダードナンバーを生み出した作曲家として著名なジャズ界の巨人、セロニアス・モンクさんが作曲して1944年に発表した楽曲です。
モンクさんの録音としては1947年のものが初とされており、そちらは1951年にリリースされた『Genius of Modern Music: Volume 1』で聴くことができます。
また、あのマイルス・デイヴィスさんが好んでこの楽曲を取り上げていたことでも知られており、1956年にリリースされた名盤『’Round About Midnight』ではオープニング・ナンバーとして収録されていますね。
そんなジャズのスタンダードナンバーとして最も有名な楽曲の1つであるこちらの『’Round Midnight』なのですがいろいろと謎も多く、原曲となったバージョンはモンクさんが19歳の時に作曲したものとも言われており、初めてこの楽曲を録音したのはクーティ・ウィリアムスさんが率いる楽団によるもので、かつスタンダードナンバーとして知られているバージョンはモンクさんによるオリジナルとは違う、というのも興味深いですよね。
Summer TimeBillie Holiday

オペラやミュージカルに映画音楽、管弦楽曲や協奏曲などさまざまなジャンルの楽曲を手掛け、ポピュラー音楽とクラシック音楽の両分野において活躍して「アメリカ音楽を作り上げた作曲家」とも呼ばれているのがジョージ・ガーシュウィンさんです。
彼の生み出した多くの名曲の中でも、今回はジャズに限らずソウルやポップスなどあらゆる音楽ジャンルの中でカバーされ続けている永遠のスタンダードナンバー『Summertime』を紹介しましょう。
こちらは1935年に初演された、キャスト全員が黒人という当時としては画期的なオペラ作品『ポーギーとベス』のためのアリアとして作曲された曲で、劇中ではヒロインが子守唄として歌唱しています。
前述したように膨大な数のカバーが存在している名曲なのですが、世間的にヒットを記録したのは女性ジャズ・シンガーの伝説的な存在であるビリー・ホリデイさんが1936年に歌唱したバージョンが最初であると言われています。
白人アーティストによるカバーとしては、やはり伝説的なロック・シンガーであるジャニス・ジョプリンさんによる歌唱があまりにも有名ですね。
歌詞が重要な楽曲であるにもかかわらず、インストゥルメンタル・バージョンとしても多くのジャズ・ミュージシャンがカバーしていることから分かるように、普遍的なメロディの素晴らしさがミュージシャンたちの、そしてリスナーの心をとらえて離さないということでしょう。
The Girl from IpanemaStan Getz & Joao Gilberto

ジャズ・ミュージックにボサノバの要素を持ち込んだ、1962年リリースの記念碑的作品『Jazz Samba』をチャーリー・バードさんとともに作り上げ、アメリカにおけるボサノバ・ブームの火付け役となったスタン・ゲッツさん。
1964年にはブラジル出身の著名なボサノバ歌手ジョアン・ジルベルトさんと組んだ『Getz/Gilberto』を発表して大ヒットを飛ばし、グラミー賞を受賞するなど高い評価を得ました。
そんな『Getz/Gilberto』に収録曲であり、ジョアン・ジルベルトさんとアストラッド・ジルベルトさんが歌唱を担当してシングルとしてもヒットした『イパネマの娘』はボサノバのジャンルにおける最も有名なスタンダードナンバーであり、ジャズ・ミュージシャンにも愛されている楽曲です。
ブラジル音楽界の代表的な作曲家であるアントニオ・カルロス・ジョビンさんが1962年に作曲、詩人であり翻訳家や外交官、ジャーナリストなどさまざまな顔を持つヴィニシウス・ヂ・モライスさんがオリジナルのポルトガル語での作詞を手掛けた楽曲で、前述したゲッツさんとジルベルトさんによる『イパネマの娘』は世界的に見て最も有名なバージョンと言われているのですね。
その後も多くのジャズ系のアーティストが好んで取り上げていますから、それぞれチェックしてみることをオススメします!
Spring, Spring, SpringJohnny Mercer

春の生命力が躍動する陽気なメロディーと、ウィットに富んだ歌詞が魅力的な一曲。
アメリカを代表する作詞家ジョニー・マーサーさんが描く春の情景は、カエルやカモなどの生き物たちの姿を通して、自然界の喜びと再生を温かく表現しています。
1954年6月にM-G-Mスタジオオーケストラによってリリースされ、同年のミュージカル映画『掠奪された七人の花嫁』で主要なシーンを彩りました。
本作は、1976年にはビング・クロスビーさんとフレッド・アステアさんによるデュエットでも取り上げられ、新たな輝きを放っています。
朝の散歩や春の行楽のお供に聴いていただきたい、心温まるジャズスタンダードです。


