2010年代中盤から後半にかけて、ネット上で音楽ファンからひそかな人気を集め、現在は1つのジャンルとして定着した感のある「Lo-fi Hip Hop」をご存じですか?
ジブリの映画『耳をすませば』の一場面をループさせた映像で知られる、ローファイ・ヒップホップを代表するYouTubeの音楽チャンネル「ChilledCow」のサムネイル画像が気になっていた方、実は当時から結構いらっしゃったはず。
古いジャズやソウルなどをサンプリング、チルな雰囲気満載のビートはヒップホップ・リスナーならずとも、作業用BGMとしても大いに好まれているのですね。
今回は代表的なアーティストの名曲をリサーチ、初心者にもおすすめの内容でご紹介します!
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テレワークやおうち時間にも!Lo-Fi Hip Hopおススメの人気曲(1〜10)
Monday LoopTomppabeats

たった1分程度のトラックですが、ローファイ・ヒップホップの基本形がすべて詰まっているような王道の名曲ですね!
フィンランドはヘルシンキ出身のTomppabeatsさんが2015年に公開した『Monday Loop』は、YouTubeだけでも120万回をこえる再生数を誇る楽曲です。
ローファイ・ヒップホップのコンピレーション盤などにも収録されていますし、定番かつ人気の1曲と言えるでしょう。
アンニュイな女性ボーカルのサンプリングが印象的ですが、これはアメリカの伝説的なシンガー兼女優のドリス・デイさんによるもの。
1949年に発表されたポピュラーソング『Again』を引用しており、多くのアーティストがカバーしている中でもドリス・デイさんの録音したバージョンがとくに有名なのですね。
ほとんどがハミングで構成されており、ドリスさんの歌声はイントロの一瞬だけなのですが、だからこそ非常に印象深いものとなっているのが、Tomppabeatsさんの音楽的センスを感じさせます。
skateboard pElijah Who

ローファイ・ヒップホップと日本のアニメとの関係性はとても有名で、多くの楽曲がさまざまな日本のアニメを映像に用いたり、楽曲をサンプリング・ソースとして使用したりしていますよね。
ポーランド在住のビートメイカー、Elijah Whoさんの楽曲『Skateboard P』では国民的にアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』のフッテージがばっちり使われております。
Elijah Whoさんはローファイ・ヒップホップとされる界隈で人気のアーティストながら、こちらの曲はハワイはホノルル生まれで日本育ちという異色のラッパー、メイドインTYOさんがビッグ・ショーンを迎えて2017年に公開した楽曲『Skateboard P』をリミックスしたものであり、古いジャズやソウルからサンプリング・ソースを引っ張ってくる基本的なローファイ・ヒップホップとは違う路線のナンバーです。
それでいて、ノスタルジックな旋律はきっちりと盛り込んでくる点は一貫しているというのが興味深いですね。
5:32PMThe Deli

不思議なノスタルジーを呼び覚ますドット絵で構成された映像も印象的な、テキサス出身のビートメイカーによる楽曲です。
YouTubeの音楽チャンネル「Dreamwave」で2016年に公開されたこちらの楽曲は、何と1,800万回をこえる再生数を誇っているのですね。
初出は2014年にリリースされた『Vibes Vol. 2』に収録されたものということですから、時期的にもかなり早い段階でこういった楽曲を作り上げていたと言えますが、ローファイ・ヒップホップにおける神のような存在のJ・ディラさんを始めとして、ピート・ロックさんにマッドリブさんといった偉大なビートメイカーからの影響を感じさせるジャジーな雰囲気は、タイトル通り夕暮れ時のチルな時間帯にもぴったりですね。
引用元はあのビル・エヴァンスさんとジム・ホールさんが組んだ古典的名作『Undercurrent』の収録曲『Darn That Dream』とされており、本人のジャズに対する愛が伝わってくるというものでしょう。
SoulfulL’indecis

ローファイ・ヒップホップにおいて代表的なアーティストにして先駆的な存在の1人であり、オリジナル・アルバムをフィジカル・リリースして高い評価を受けているL’indecisさん。
フランを拠点とするトラックメイカーであるL’indecisさんの代表曲の1つである『Soulful』は、YouTube上では4,000万回以上も再生されている驚異的な曲であり、あのウィル・スミスさんがインスタグラム上におけるBGMとして取り上げたということも話題となりました。
ローファイ・ヒップホップの代表的な名曲であることは間違いありませんが、哀愁を帯びたギターのアルペジオやソロ、ノスタルジックな空気感とメロウネスは確実に日本人好みであり、ちょっとした遊び心を感じさせる洗練されたトラック・メイキングは美メロなエレクトロニカがお好きな方にも大推薦ですね!
この楽曲が気に入った方は、2019年にCD化された『PLAYTIME&PLETHORIA』をぜひ手に取ってみてください。
Summer’s Day [Version 2]Jinsang
![Summer's Day [Version 2]Jinsang](https://i.ytimg.com/vi/rRr-DZmYER0/sddefault.jpg)
カリフォルニア在住の若き東洋系アメリカ人ビートメイカー、Jinsangさんによる、まさに遠い夏の日への郷愁を感じさせるような名曲です!
アナログなレコード・プレイヤー、もしくはラジカセから聴こえてくるような、まさにローファイで古びた音像がノスタルジックな空気感を演出しています。
ローファイ・ヒップホップという言葉の定義やブームが広がるまでの流れを詳細に説明した第一人者、スチールギター奏者のbeipanaさんのブログによれば、2019年の時点でJinsangさんの年齢は20歳であったそうですから、その若さと才能の輝きがうかがえますよね。
本人は必ずしもヒップホップからの影響でトラック作りを始めたわけではないそうで、アニメ作品『千と千尋の神隠し』のBGM『One Summer’s Day』を大胆にサンプリングするセンスも含めて、あまりヒップホップというジャンルを意識せず楽しめる作風となっている、と言えるかもしれません。
Againwun two

2000年代のジャジーなインスト・ヒップホップやビート・ミュージックを好んで聴いていた方であれば、現代のローファイ・ヒップホップに既視感を覚える方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
以前からこのようなジャンルに近い音は存在しており、2003年頃から音楽制作を始めたというドイツ在住のWun Twoさんのサウンドも、まさにそういったものの1つ。
ご本人によれば「気づけばローファイ・ヒップホップと呼ばれていた」とのことですが、シーンの盛り上がりとはフラットな距離感を保ちつつ、個性的な音楽を作り続けているビートメイカーなのですね。
そんなWun Twoさんが2014年に公開した『Again』は、往年のシンガー兼女優のドリス・デイさんによる楽曲をサンプリングしたもので、メロウな旋律と古いレコードから流れてくるような質感はまさに王道のローファイ・ヒップホップといった趣です。
この『Again』という楽曲は他のビートメイカーもサンプリングとして用いており、ローファイ・ヒップホップ的に心をくすぐられる魅力があるのかもしれませんね。
another perspectiveIdealism

リラックス目的であったり心の安らぎを求めてローファイ・ヒップホップというジャンルを聴くのであれば、ぜひチェックして頂きたい癒しの名曲!
物悲しげなピアノの旋律と雨や街のざわめきなどのフィールドレコ―ディングを組み合わせ、静ひつなアンビエント~エレクトロニカ的な美しい音楽を作り上げるフィンランド出身のビートメイカー、Idealismさんが2016年に公開した楽曲です。
ローファイ・ヒップホップたらしめているビートを用いていますが、先述したように彼の音楽はアンビエントやダウンテンポといったジャンル寄りで、この楽曲については古いレコードのサンプリングといった手法も使われていません。
ご本人は日本のカルチャーにかなりお好きとのことで、ジャケットのアートワークやタイトルなどにもその影響が伺えますよ。






