宮城県で歌い継がれる美しき民謡|郷土の心を奏でる名作集
宮城県に息づく民謡の数々は、東北の文化と人々の暮らしを鮮やかに映し出す音の宝物です。
雄大な山々を舞台にした山唄から、豊かな海の恵みを歌い上げる漁師唄まで、大地と人々の営みが生み出した味わい深い歌声が今も各地に残されています。
この記事では、仙台を中心に受け継がれてきた宮城県の民謡を集めました。
四季折々の風景や祭りのにぎわい、農作業の喜びなど、先人たちの思いが込められてた優しい調べに、耳を傾けてみませんか?
宮城県で歌い継がれる美しき民謡|郷土の心を奏でる名作集(21〜30)
十三浜甚句

宮城県石巻市の太平洋上に浮かぶ島「金華山」の北部、桃生郡雄勝町の名振湾に面した十三浜地方に伝わる民謡『十三浜甚句』です。
この唄は、漁師が酒席の騒ぎ唄として歌っていたもの。
三陸沿岸一帯で知られる浜甚句の一種で、同じ宮城県の民謡『遠島甚句』などと兄弟の関係にあります。
宮城野盆唄

『宮城野盆唄』は、仙台市の宮城野住宅に住んでいた岩手県出身の民謡研究家、武田忠一郎さんによって、戦後まもなく作られた唄です。
その昔、伊達家三代目、綱宗の不行跡があり、わずか2歳の亀千代に跡目を譲る出来事がありました。
これにより伊達範では盆踊りなどが禁じられ、県下には盆踊りらしいものがほとんど見当たらなかったため、後に作られたこの唄は貴重な盆唄となっています。
長持唄

『長持唄』は、元は江戸時代の宿場などにいて駕籠を担いだ住所不定の「雲助」と呼ばれる人達が歌った『雲助唄』だったと言われています。
この唄を参勤交代の人足にかり出された農民が覚え、帰ったあとに伝えられたものがこの『長持唄』なのだそうです。
宮城馬子唄

『宮城馬子唄』は、長野県小諸市周辺発祥の民謡『小諸馬子唄』が移入され、宮城の馬子唄になったと言われています。
力強い低音で人気の民謡歌手、赤間政夫さんが昭和37年にレコードに吹き込んだことで、東北を代表する馬子唄になりました。
文字甚句佐藤寛一

「文字甚句」は、宮城県栗原郡栗駒村(現在の栗原市栗駒沼倉・栗駒松倉)の文字部落に伝わる民謡です。
この「文字甚句」と、「遠島甚句」「塩釜甚句」の3つが宮城県三大甚句と言われています。
唄う人が少なく消えて無くなってしまいそうな時もありましたが、地元の菅原信一さん一家が唄い踊りだし、文字甚句は再興されました。