洋楽ポストパンクの名曲。まずは聴いてほしい人気曲まとめ
70年代末から80年代初頭に現れた「ポストパンク」は、パンクロックの精神を受け継ぎながらも実験的で革新的なサウンドを追求した洋楽の重要なムーブメントです。
ダークでメランコリックな雰囲気、アート性の高い音楽性、そして社会への鋭い視点を持つ歌詞が特徴的なこのジャンル。
時代を超えて現代のバンドにも大きな影響を与え続けています。
「パンク」という言葉だけで聴いてみたら驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの記事では日本も含めて熱烈なファンも多く、00年代以降にリバイバルブームもあった「ポストパンク」の定番の名曲をご紹介。
初心者の方もぜひご覧ください!
- 【初心者向け】洋楽ポストロックの人気曲。おすすめの名曲まとめ
- 洋楽パンクの名曲。おすすめの人気曲
- 【洋楽】ポストロックのすすめ~基本の名盤・オススメの1枚
- ハードコアパンクの名曲。おすすめの人気曲
- 80年代の伝説の洋楽ロックの名曲・ヒット曲
- 洋楽の青春パンクの名曲。世界の名曲、人気曲
- 【洋楽】まずはこの1曲!オルタナティブロックの名曲・人気曲
- 【酩酊感】洋楽サイケデリックロックの名曲まとめ【初心者向け】
- 【邦楽】若手から伝説まで!日本の必聴オルタナティブロックバンド
- 【洋楽】ポストハードコアとは~代表的なバンドまとめ
- 洋楽のパンクバンド。熱き魂を継承する不滅の伝説たち
- 洋楽のおすすめスクリーモのバンド。海外の人気バンド
- 【2025】まずはここから!おすすめの洋楽ポストロックバンドまとめ
洋楽ポストパンクの名曲。まずは聴いてほしい人気曲まとめ(1〜10)
The Killing MoonEcho & the Bunnymen

ジム・モリソンさんを思わせる内省的な歌声が印象的な、イギリスのバンド、エコー&ザ・バニーメン。
1984年に発表された『The Killing Moon』は、バンド自身も最高傑作と誇る不朽の名曲です。
映画『ドニー・ダーコ』の象徴的なシーンで流れたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
ポストパンクの枠を超えた壮麗なストリングスと、どこか東欧を思わせるギターの旋律が織りなすネオサイケらしいサウンドは、まるで一本の映画のよう。
抗えない運命を歌った深遠な歌詞の世界が、イアン・マッカロクさんの深みのある歌声と共に、聴く人の心にじんわりと響き渡ります。
SpellboundSiouxsie And The Banshees

イギリスのバンド、スージー・アンド・ザ・バンシーズが1981年に放った名曲『Spellbound』。
イントロから鳴り響くジョン・マッギーさんの万華鏡のようにきらめくギターリフに、心を鷲掴みにされた方も多いのではないでしょうか。
目まぐるしく展開するアルペジオは、まるで抗うことのできない魔法の呪文のようです。
そこに力強いトライバルなドラムと、唯一無二の存在感を放つスージー・スーさんの歌声が重なると、一瞬でダークで幻想的な世界へと引きずり込まれてしまいます。
張り詰めた緊張感のなかに、不思議な高揚感が生まれるこの感覚は、彼らならではの魅力かもしれませんね。
Marquee MoonTelevision

ニューヨーク出身のバンド、テレビジョンが1977年に発表したポストパンク史に燦然と輝く大名曲です。
10分を超える演奏時間ですが、その長さを全く感じさせないほど聴き手を夢中にさせる魅力があります。
トム・ヴァーレインさんとリチャード・ロイドさんという二人の天才ギタリストが紡ぎ出す旋律は、まるで光の糸が複雑に絡み合うタペストリーのよう。
パンクの初期衝動とは一線を画す、知的でクールな緊張感がたまりませんよね。
都会の夜の風景が目に浮かぶような詩的な歌詞も素晴らしく、この曲が後の多くのバンドに影響を与えたのも頷けます。
一度聴いたら忘れられない、ギターが主役のロック史に残る傑作です。
洋楽ポストパンクの名曲。まずは聴いてほしい人気曲まとめ(11〜20)
Fairytale in the SupermarketThe Raincoats

ロンドンで結成されたポストパンクバンド、ザ・レインコーツの記念すべきデビューシングルです。
ニルヴァーナのカート・コバーンさんが熱烈に支持したことで知られ、映画『20センチュリー・ウーマン』の挿入歌として起用されていたのを覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
わざと崩したような危うい演奏と、独特の浮遊感を持つバイオリンの音色が印象的です。
日常の象徴であるスーパーマーケットを舞台に「誰も生き方を教えてくれない」と歌う姿。
決まった道筋のない人生を手探りで進む切実な思いが、荒削りなサウンドにのせて真っ直ぐ心に響いてきます。
Outdoor MinerWire

イギリスのポストパンクバンド、ワイヤーの名を広く知らしめた代表曲。
1979年にリリースされた当時、そのポップな響きで多くの注目を集めました。
ジャンルのイメージを覆すような、きらめくピアノと浮遊感あふれるギターサウンドがとても心地よいですよね。
実はこの美しいメロディに乗せて歌われるのは、葉を掘り進む小さな虫の視点なんです。
ミクロな世界の営みをアートに昇華した独創的な歌詞に、思わず深く引き込まれてしまいます。
実は彼らの中ではかなりポップな仕上がりゆえに、リードギタリストのブルース・ギルバートさんはこの曲をひどく嫌っていてステージで演奏する際に立ち去ってしまったという逸話もあるのだとか。
ともあれこの不思議な魅力は、たくさんのアーティストに影響を与え続けているんですよ。
A Song From Under The FloorboardsMagazine

英国のポストパンクバンド、マガジンが1980年に発表した楽曲です。
この曲がドストエフスキーの文学作品『地下室の手記』から着想を得ているのをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
冒頭から吐き出される強烈な自己嫌悪の言葉は、まさに地下室からの叫びのよう。
ハワード・デヴォートさんの演劇的なボーカルと、ジョン・マクギョーさんの鋭利なギター、そしてデイヴ・フォーミュラさんの冷ややかなシンセサイザーが織りなすサウンドは、知的でありながらもスリリングな緊張感に満ちています。
後にあのモリッシーさんがカバーしたことでも有名なこの名曲は、人間の内面に潜む複雑な感情をここまで赤裸々に描き出す世界観に、思わず深く考えさせられますね。
Swamp ThingThe Chameleons

イングランド出身のザ・カメレオンズが描く、内面に渦巻く葛藤を幻想的なサウンドで表現した楽曲です。
幾重にも重なるギターの響きは、まるで夢と現実の狭間を漂っているかのよう。
「沼の怪物」というタイトル通り、出口のない暗闇でもがく苦しい心情が伝わってきます。
どうしようもない状況に追い込まれ、自分が自分でないような感覚に陥ってしまった経験、あなたにもありませんか?
しかし、マーク・バージェスさんの切実な歌声と美しいメロディは、そんな闇の中に差し込む一筋の光のよう。
この音の渦に身を任せると、心の重荷が少しだけ軽くなるかもしれませんね。