ポストロック、と呼ばれるジャンルの定義は曖昧ながら、従来のロックの枠組みを超えた実験的な音楽として世界的に注目を集めました。
ギターやドラムといった楽器編成はロックバンドと同じでありながらも独特のサウンドスケープと展開で、まるで映画のサウンドトラックのような広がりのある音楽性を持っていますし、大胆にエレクトロニクスを活用したバンドも多いですよね。
この記事では、現在も多くのバンドがその手法を取り入れ続けているポストロックという音楽ジャンルの中でも、本格的にジャンルが広まった90年代から00年代の代表的なバンドたちの人気曲や名曲を中心に、音楽の世界がぐっと広がるような作品をお届けします。
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Your Hand in MineExplosions in the sky

繊細なギターの旋律から、やがて感情が爆発するようなクライマックスへ。
まるで一本の映画のような物語を音だけで紡ぎ出すのが、アメリカのバンド、エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイです。
ご紹介する傑作は、静寂の中ではじまる美しいメロディが徐々に熱を帯び、幾重にも重なるギターとドラムが一体となって壮大な音の風景を描き出す感動的な1曲です。
歌詞がないからこそ、聴く人それぞれの物語を投影できるところが、この作品の大きな魅力でもありますよね。
2003年11月公開の名盤『The Earth Is Not a Cold Dead Place』に収められ、映画『Friday Night Lights』への起用を機に広く愛されるようになりました。
一人でじっくり物思いにふけりたい夜や、壮大な自然の中で聴くのにぴったりの作品です。
Last Day of WinterPELICAN

厳しい冬の終わりと、希望に満ちた春の訪れを音だけで描き出す壮大なインストゥルメンタルナンバーです!
アメリカ・シカゴ出身のバンド、ペリカンによるこの楽曲は、静かなアコースティックギターで幕を開け、徐々に重厚なサウンドへと展開していきます。
声がないからこそ、聴く人それぞれの物語が心に浮かぶのが魅力ですよね。
本作は、2005年5月に公開された名盤『The Fire in Our Throats Will Beckon the Thaw』に収録され、アルバムは音楽誌Decibelで年間第1位に輝きました。
彼らのアプローチはポストロック的手法を取り入れたメタルということで「ポストメタル」とも呼ばれますが、静と動を行き来するタイプの轟音ポストロック好きなら確実に気に入るはずですよ!
Svefn-g-englarSigur Rós

アイスランド出身のバンド、シーガー・ロスが紡ぐ、夢の中を旅しているかのような一曲。
ヨンシーさんの透き通るファルセットと、チェロの弓で奏でられるギターの幻想的な響きは、まさに癒やしの音景そのもの!
本作は、意図的に意味をぼかした歌詞によって、言葉を超えた感情が聴き手の心の奥まで直接響いてきます。
この曲は1999年6月に発表された名盤『Ágætis byrjun』に収録されており、映画『バニラ・スカイ』を彩ったことでも広く知られています。
静かな夜に一人でじっくりと耳を傾ければ、壮大なサウンドスケープに包まれて、まるで映画の主人公になったような気分を味わえるでしょう。
StormGodspeed You! Black Emperor

静寂と轟音が織りなす音の叙事詩で世界を圧倒する、カナダの音楽集団ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーの楽曲。
2000年10月に世に出た名盤『Lift Your Skinny Fists Like Antennas to Heaven』の幕開けを飾るこの楽曲は、言葉がないからこそ、聴き手の心に壮大な物語を映し出します。
穏やかな旋律から始まり、幾重にも音が重なり合って嵐のようなクライマックスへと到達する展開は圧巻の一言。
2025年12月には貴重な来日公演も決定している彼らですから、ポストロックに興味があるという方はぜひチェックしてみてくださいね。
Mogwai fear SatanMogwai

スコットランド出身のロックバンド、モグワイ。
静寂と轟音を巧みに操る彼らの音楽は、ポストロックというジャンルを象徴する存在ですよね。
デビュー・アルバム『Mogwai Young Team』の最後を飾る本作は、16分を超える壮大なインストゥルメンタルです。
歌詞はないものの、ベーシストの個人的な「悪魔への恐怖」というテーマが、静と動のコントラストをより劇的にしています。
可憐なフルートの旋律から、すべてを飲み込むような轟音の洪水へと展開する様は、まるで一本の映画のよう。
1997年10月に世に出たこの作品は、ドキュメンタリー映画『The 11th Hour』でも使用されました。
日常から離れてじっくり音楽の世界に浸りたい時や、壮大な物語を感じたい方にぴったりの一曲ではないでしょうか。
TNTTortoise

シカゴの音楽シーンから登場したポストロックの先駆者、トータス。
1998年3月に発売された彼らの名盤『TNT』に収録されているタイトル曲です。
歌詞のないインストゥルメンタル作品ですが、その代わりに多彩な楽器が物語を紡ぎ出すサウンドが大きな魅力ですよね。
本作は、クールなジャズの雰囲気から始まり、ギターやマリンバの音色が重なり合って、心地よいグルーヴを生み出していきます。
当時まだ珍しかったハードディスク上で演奏を編集するという手法で制作され、生演奏の温もりとデジタルな構築美が見事に融合しています。
音楽だけで情景が目に浮かぶような本作は、読書やドライブのお供にも最適。
普段あまりインスト曲を聴かない方にもぜひ体験してほしい、世界が広がる1曲ですよ。
Never MeantAmerican Football

絡み合う2本のギターが生み出す繊細なフレーズが、心の奥まで染み渡る感動的な1曲。
アメリカのインディ・ロック・バンド、アメリカン・フットボールが1999年に発表したアルバム『American Football』のオープニングを飾る楽曲です。
終わりかけの恋の切ない心情が描かれていますが、変拍子を基調としたアンサンブルと、終盤で静かに響くトランペットの音色が、感傷的な気持ちを優しく包み込んでくれますよね。
リリースから15年後の2014年に公式MVが公開され話題となりました。
この楽曲のように、過ぎ去った思い出に静かに浸りたい夜に聴けば、切なさの中にどこか温かいカタルシスを感じられるでしょう。