【初心者向け】美メロと絶叫の魅力~洋楽スクリーモの名曲を紹介
2020年代を半ばを過ぎた昨今、皆さんは「スクリーモ」という言葉を耳にしてどのようなサウンドを思い浮かべますでしょうか。
元々は1990年代のハードコアシーンから登場したジャンル名ですが、2000年代以降に世界的なブームを巻き起こし、メロディと絶叫を交互に繰り返すコントラストが生み出す魅力は今も愛され続けていますよね。
今や2010年代の音も「あの頃の」と語られてしまう時代において、本記事ではジャンル名を定着させた00年代前半から半ばのスクリーモを中心として、改めてその魅力を伝えるべく代表的なバンドの名曲を紹介しています。
後半には2010年代以降の曲も紹介していますが、最近スクリーモなるジャンルを知った方は、特に前半の20曲をぜひチェックしてみてください!
【初心者向け】美メロと絶叫の魅力~洋楽スクリーモの名曲を紹介(1〜10)
Buried Myself AliveThe Used

2000年代初頭のスクリーモ・シーンに熱い思いを持つ方なら、ザ・ユーズドの名前は特別な響きを持っているのではないでしょうか。
ホームレス生活といった壮絶な経験を経て制作されたデビュー・アルバム『The Used』は、2002年6月にシーンへ投じられ、まさに衝撃的でした。
この楽曲は、せつなく美しいメロディラインから、一転して喉が張り裂けんばかりの絶叫へと切り替わる展開が聴く者の感情を激しく揺さぶります。
自分を生き埋めにするかのような自己破壊的な衝動と、逃れられない閉塞感に苛まれる内面が描かれており、その苦悩はUSオルタナティブチャートで13位を記録するほど多くの共感を呼びました。
本作で美しさと激しさが同居するスクリーモの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
Understanding In a Car CrashThursday

2000年代初頭のポスト・ハードコア/エモシーンを語るうえで、サーズデイは絶対に外せない存在でしょう。
彼らにとって出世作となった2001年4月リリースの名盤『Full Collapse』に収録された、バンド初の公式シングルでもある名曲を紹介します。
静寂を切り裂くギターのアルペジオから、堰を切ったように感情が爆発する展開はまさに圧巻ですよね。
美しいメロディと魂を振り絞るような絶叫が織りなすこの楽曲の背景には、友人を交通事故で失ったというフロントマンの痛切な実体験があります。
単なるラウドミュージックではない、その奥底に横たわる深い悲しみと叙情性をぜひ真正面から受け止めてみてください!
Seven YearsSaosin

初代ボーカルと後任ボーカルという2人のカリスマを擁し、シーンに大きな影響を与えてきたポスト・ハードコアバンド、セイオシン。
この楽曲は2003年6月リリースの金字塔的デビューEP『Translating the Name』に収録された、彼らの原点ともいえる一曲です。
「7年」という時間を背負い、後悔と自己弁護の狭間で揺れる痛切な感情が、アンソニー・グリーンさんの美しいクリーンボイスと激情的な絶叫のコントラストで描かれていますよね。
繊細なギターのアルペジオから、感情を叩きつけるように雪崩れ込む展開はまさに圧巻。
2014年に初代ボーカルが復帰したツアーで本作が披露された時の熱狂は、今も語り草になっています。
スクリーモの持つ叙情性と破壊的なエネルギーが凝縮されたキラーチューンですよ。
JuneauFuneral for a Friend

ウェールズ出身、2000年代のUKポストハードコア・シーンを代表するバンドがフューネラル・フォー・ア・フレンドです。
繊細なギターのアルペジオから、感情が爆発するようなバンドサウンドへと雪崩れ込む展開に、心を鷲掴みにされること必至。
本作は、届かない想いや断ち切りたい過去への葛藤を描いているかのようで、クリーンボーカルの切ないメロディと絶叫が交錯しながら胸に迫ります。
この楽曲は、2003年7月に発売されUKシングルチャート19位を記録。
彼らの名をシーンに轟かせたデビュー・アルバム『Casually Dressed & Deep in Conversation』へと繋がる布石となりました。
叙情性と攻撃性の両方を味わいたいという向きには、間違いなく大推薦の一曲です。
Ride The Wings Of PestilenceFrom First To Last

2000年代中盤のスクリーモ・シーンにおいて、ネットを起点に絶大な人気を博し、象徴的な存在となったのがフロム・ファースト・トゥ・ラストでしょう。
彼らの初期衝動と魅力が凝縮されているのが、名盤『Dear Diary, My Teen Angst Has a Bodycount』に収められた本作です。
当時16歳だった、後にスクリレックスとして世界的に有名となるソニー・ムーアさんの透き通るクリーンボイスと、感情を叩きつけるような絶叫が激しく交錯する様に世界中の若者が熱狂したのです。
歌詞で描かれるのは、他者になりすましてしまうほど歪んだ執着心というダークな物語ですが、対照的にメロディはとびきりキャッチー。
2004年にこの楽曲はEpitaphの有名コンピ盤にも収められ、バンドの顔として広く知れ渡りました。
この甘美さと攻撃性の危ういバランスにこそ、彼らの真価が詰まっています。
Ohio Is for LoversHawthorne Heights

2000年代初頭にオハイオ州から登場し、エモ/スクリーモシーンを語る上で欠かせない存在となったホーソーン・ハイツ。
彼らの名を世界に轟かせたのが、2004年リリースのデビュー・アルバム『The Silence in Black and White』に収録された名曲です。
静かなクリーンギターのイントロを耳にすれば、その後の感情的な展開を予感させるはず。
美しく切ないメロディラインと、胸をえぐるような絶叫ボーカルが交錯するサウンドは、スクリーモの持つコントラストの魅力を体現しています。
この楽曲で描かれるのは、故郷を離れたことによるホームシックと、そこから生まれる心の葛藤。
衝撃的な言葉はあくまで比喩であり、その奥には純粋な愛情と孤独感が渦巻いています。
本作の成功も後押しとなりアルバムはゴールド認定を獲得。
メロディの美しさと感情の激しさ、その両方を味わいたいという向きには大推薦の一曲と言えましょう!
Smile In Your SleepSilverstein

美しくも悲痛なメロディと、感情が爆発するような絶叫のコントラスト。
これこそが00年代スクリーモの醍醐味ですよね。
その魅力を体現するのが、カナダ出身のバンド、シルヴァースタインでしょう。
本作は、穏やかな寝顔の裏に隠された裏切りを知ってしまった主人公の、愛と憎しみが渦巻く心情を歌ったものと解釈できます。
美しいクリーンボーカルから激情的なスクリームへと切り替わる瞬間は、まさに鳥肌もので、聴き手の心を激しく揺さぶります。
この楽曲が収録された2005年8月発売の出世作、アルバム『Discovering the Waterfront』は、全米チャートで34位を記録しました。
メロディの良さと激しさのどちらも楽しみたいという方にはぴったり。
失恋の痛みや裏切られた怒りを音楽で昇華したいときに聴いてみてはいかがでしょうか。





