2000年代の洋楽ロックバンドのデビュー曲
2000年代の洋楽ロックシーンは、インディーロックやガレージロックの復活、エモやポストハードコアの台頭など、新たな音楽の潮流が生まれた激動の時代でした。
イギリスやアメリカを中心に、個性的なサウンドとスタイルを持ったバンドが次々と登場し、音楽シーンに新しい風を吹き込みました。
そんな2000年代に活躍したロックバンドたちは、どのようなデビュー曲でシーンに登場したのでしょうか?
今でも色褪せることのない、彼らの原点となった楽曲の数々を紹介します。
2000年代の洋楽ロックバンドのデビュー曲(1〜10)
Hard To ExplainThe Strokes

2000年代初頭のガレージロック・リバイバルを牽引したバンドとして知られるザ・ストロークスのデビューシングル。
気だるく抑制されたボーカルと、まるで精密機械のようにタイトなビートが織りなすクールな質感が印象的ですよね。
シンプルながらも巧妙に絡み合う2本のギターからは、バンドが影響を受けた70年代のニューヨーク・パンクの空気を感じられます。
この楽曲は2001年6月に公開され、歴史的名盤『Is This It』に収録。
NME誌が「2000年代の10大曲」で第3位に選出したことでも、その存在感の大きさがうかがえます。
言葉にしがたい焦燥感やもどかしさを描いた世界観が光る、都会の夜にぴったりのロックナンバーです。
Brothers & SistersColdplay

2000年代のロック・シーンを語る上で欠かせない存在、コールドプレイ。
彼らがスタジアムを揺るがす前の、まさに黎明期を捉えたのがインディーズ時代の一作です。
1999年4月にわずか4日間で制作された本作は、後の壮大さとは異なる、荒削りで繊細なオルタナティヴ・ロックの魅力が凝縮されていますよね。
タイトルが示す仲間との連帯、そして古い慣習を打ち破り新たな一歩を踏み出そうとする若々しい決意が、ひしひしと伝わってきます。
この楽曲はUKチャートで92位を記録し、彼らの物語のまさに序章となりました。
後の名盤『Parachutes』へと繋がる才能の片鱗が随所に光っており、原点ならではのナイーブな雰囲気が残っているというのもポイントです!
Eddie’s GunThe Kooks

2000年代中盤のUKロックシーンに、とびきりポップでキャッチーなサウンドと共に現れたのがザ・クークスです。
デヴィッド・ボウイの曲名から名付けられたという逸話も、彼らの音楽的ルーツを物語っていますよね。
2005年7月にリリースされ、UKチャートで35位を記録した記念すべきデビュー曲は、後のプラチナ・アルバム『Inside In/Inside Out』へとつながる快進撃の第一歩となったのです。
この楽曲の魅力は、軽快なギターが生み出す弾むようなリズム感と、フロントマン、ルーク・プリチャードさんの少し気取ったような歌声が織りなす極上のポップセンス!
それでいて歌詞では男性の切実な悩みをユーモラスに歌い上げてしまうという、一筋縄ではいかない彼らの感性が光ります。
気分を上げたい休日のドライブなどにぴったりな、バンドの初々しい魅力が詰まった名曲ではないでしょうか。
Capricorn (A Brand New Name)30 Seconds to Mars

俳優としても世界的な知名度を誇るジャレッド・レトさんがフロントマンを務めるロックバンド、サーティー・セカンズ・トゥ・マーズのデビューシングルです。
1stアルバム「30 Seconds to Mars」に収録されているナンバーで、彼らの壮大な物語の幕開けを告げる一曲です。
重厚なギターリフとシンセサイザーが織りなす宇宙的なサウンドスケープは、まさに圧巻ですよね。
本作では「新しい自分に生まれ変わる」というテーマが掲げられ、自己探求への強い渇望が、ジャレッドさんの叫びにも似たボーカルを通して痛いほど伝わってきます。
この楽曲は2002年7月に公開されたバンド初のシングルで、米ビルボードのメインストリーム・ロック・トラックスで31位を記録しました。
現状を打ち破りたいときや、深く自分自身と向き合いたいときに聴くと、その背中を押してくれるような力強さを感じられるナンバーです。
Another NumberThe Cribs

双子のジャーマン兄弟と弟からなる3人組で、2000年代のUKインディーシーンを牽引したザ・クリブス。
DIY精神に貫かれたそのサウンドは、今も多くのリスナーを惹きつけています。
そんな彼らの原点となったデビュー曲がこちら。
ローファイで荒削りなガレージロックサウンドでありながら、どこか切なくキャッチーなメロディーが心に残るのではないでしょうか。
ざらついたボーカルで歌われるのは、自分がその他大勢の一人でしかないという焦燥感や、誰かとの繋がりを求める切実な想いのように感じられます。
本作の象徴である7音のギターリフは、ライブではファンが大合唱するアンセムになっているのも印象的ですよね。
2003年11月に7インチ盤で公開された作品で、わずか7日間で制作されたデビューアルバム『The Cribs』にも収録されている、初期衝動が詰まったナンバーです。
I Bet You Look Good On The DancefloorArctic Monkeys

2000年代半ば以降のUKロックシーンにおいて最大の出来事といえば、やはりアークティック・モンキーズのデビューが挙げられるでしょう。
10代の若さでインターネットも活用した草の根の活動で人気を博し、満を持して2005年に放たれたデビューシングル『I Bet You Look Good On The Dancefloor』はいきなりの全英一位を獲得。
踊れるポストパンクリバイバルをけん引して多くのバンドがこぞって彼らのスタイルを引用したことからも、その偉大さが伝わるはず。
改めて聴くと、シンプルな作りで圧倒的にキャッチーなメロディと同じくらい覚えやすいフック満載のリフは天才的としか言えませんよね。
まさに2000年代を代表するロックナンバーと言えるでしょう!
Rock’n’Roll LiesRazorlight

2000年代初頭のUKロックシーンといえば、ガレージロック・リバイバルの熱狂を思い出す方も多いでしょう。
その渦中から颯爽と現れたのが、ロンドン出身のレイザーライトです。
彼らが2003年8月に公開したデビューシングルは、まさにその時代の焦燥感とエネルギーを体現した一曲。
性急なドラムと切れ味鋭いギターリフが、聴く者の初期衝動をかき立てます。
本作で歌われるのは、ロックンロールへの憧れと、その裏に潜む嘘や裏切りへの反骨精神。
この若々しくもシニカルな視線こそが彼らの真骨頂ですよね。
この曲は、のちにUKアルバムチャートで成功を収めるデビューアルバム『Up All Night』にも収録されました。
彼らの輝かしいキャリアの幕開けを告げた、荒削りな魅力に満ちたキラーチューンと言えましょう。






