リヒャルト・シュトラウスの名曲。人気のクラシック音楽
リヒャルト・シュトラウスはドイツの後期ロマン派を代表する作曲家です。
シュトラウスの代表曲、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」は映画『2001年宇宙の旅』のテーマ曲として知られています。
また作曲された交響詩で『マクベス』や『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』は吹奏楽でもよく演奏されて、吹奏楽経験者にもおなじみの作曲家でもあります。
初期はシュトラウスの父の影響でモーツァルトやシューマンであるようなクラシックの様式を守った作品が多く、ワーグナーの姪の1人と結婚したアレクサンダー・リッターと出会い革新的な作品を作曲するようになっていきます。
今回は古典的な一面と交響詩の巨匠としての変化していくシュトラウスを楽しめる作品たちを紹介していきます。
時代をなぞって聴くと作風の変化が楽しめるので、作られた時代を気にしながら聞いてみて頂けたらと思います。
リヒャルト・シュトラウスの名曲。人気のクラシック音楽(1〜10)
サロメリヒャルト・シュトラウス

この曲は1905年に初演されたオペラで、新約聖書の挿話を基にした物語です。
官能的で背徳的な内容が特徴で、初演当時は物議を醸しました。
主人公サロメ役は、可憐さと狂気を併せ持つ難しい役柄として知られています。
豊かなオーケストレーションと深い心理描写が魅力的で、特に「7つのヴェールの踊り」は有名ですね。
世界中のオペラハウスで上演され、多くの人々を魅了し続けています。
人間の欲望と狂気を描いた深遠なテーマは、現代でも色褪せることなく、観る人の心に強い印象を残すはずです。
英雄の生涯小澤征爾&バイエルン放送交響楽団

ドイツ・ミュンヘンの作曲家リヒャルト・シュトラウスが書いた、最後の交響詩です。
シュトラウスは当初、保守的な音楽教育を受けており、その影響からか伝統的な楽式ある作品に興味がありましたが、優れたヴァイオリン奏者で、ワーグナーの姪の1人と結婚したアレクサンダー・リッターと出会ったあと、新しい音楽に興味を持ち始めます。
初めて作曲した交響詩『ドン・ファン』が成功し、以降は新しい作風の試みをしながら、1898年に最後の交響詩として誕生したのがこの『英雄の生涯』です。
演奏には100名を超える巨大なオーケストラが必要であり、また演奏時間も40分を大きく超えるもので、シュトラウス最後の交響詩ということもあって最高のオーケストレーションを持つ曲とも言われています。
この「英雄」とは誰とは明示されていませんが、作品を順に聞き続けていくと、まるでシュトラウスのことを指すのかと思うような集大成だと実感します。
13管楽器のためのセレナード広上淳一指揮京都市交響楽団

リヒャルト・シュトラウスが世に出るきっかけとなった出世作です。
当時、人気ドイツの指揮者であったハンス・フォン・ビューローがこの曲を気に入ってコンサートで演奏した事で、まだティーンエイジャーだったシュトラウスの名が知れ渡るようになったと言われています。
シュトラウスが幼い頃は、ミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者で父親のフランツ・シュトラウスの影響で保守的な音楽教育を受けています。
革新的な交響詩の親ともいえるシュトラウスですが、この頃の作品を聞くと父の影響からか結構古典的様式美を守った作品だと伺えます。
和声的であり、各楽器がとてもきれいに鳴っていて美しいですね。
シュトラウスの中でもクラシックらしい作品で、管楽器奏者であれば一度は聴くべきであり、演奏しておくべき作品です。
リヒャルト・シュトラウスの名曲。人気のクラシック音楽(11〜20)
エレクトラリヒャルト・シュトラウス

ドイツが誇る後期ロマン派の巨匠リヒャルト・シュトラウスの傑作オペラから、ギリシャ悲劇をモチーフにした作品を紹介します。
この曲は複雑な音楽構造で知られていますが、海外でも評価が高く、クラシック音楽ファンの間で人気ですね!
1幕構成の大規模なオーケストラ編成で、不協和音や多調性を駆使して登場人物の心理を表現しています。
テーマは復讐と狂気。
父を殺害された主人公の激しい感情が音楽に反映されているので、その心情を想像しながら聴くとより楽しめるでしょう。
1909年1月にドレスデンで初演された本作は、賛否両論を呼びましたが、今ではシュトラウスの代表作として世界中で上演されています。
ナクソス島のアリアドネリヒャルト・シュトラウス

交響詩『ドン・ファン』や『マクベス』でおなじみのリヒャルト・シュトラウスは、父はミュンヘン宮廷管弦楽団の首席ホルン奏者であり、その父による音楽教育によってシュトラウスは6歳から本格的に作曲を始めました。
幼い時から作曲も行っていることもあり、シュトラウスは200曲を超える歌曲をはじめ多数の作品を残しています。
本作は、ギリシャ神話を題材にしたオペラで、悲劇と喜劇の融合が特徴です。
小編成のオーケストラながら、シュトラウスの巧みな音楽表現が光ります。
1916年10月4日にウィーン宮廷歌劇場で初演された改訂版が、現在でも上演されています。
クラシック音楽に興味のある方や、オペラの新しい魅力を発見したい方におすすめの1曲です。
メタモルフォーゼン~23の独奏弦楽器のための習作リヒャルト・シュトラウス

第二次世界大戦末期の1945年4月に完成したこの曲は、23人の弦楽器奏者のために書かれた変奏曲風の作品です。
戦争による文化的喪失への深い悲しみが込められており、ベートーヴェンの『英雄』交響曲第2楽章の動機が引用されています。
緻密で複雑な音の織りなすハーモニーが特徴的で、シュトラウスの芸術的探求心が感じられます。
クラシック音楽ファンはもちろん、戦争と音楽の関係に興味がある方にもおすすめの1曲です。
アルプス交響曲Bernard Haitink/Vienna Philharmonic Orchestra

リヒャルト・ワーグナーとフランツ・リストの後継者と言われているリヒャルト・シュトラウスの名曲を紹介します。
この曲もタイトルこそ交響曲ですが、実際には交響詩とも言ってもよい内容です。
アルプスの山の中に入り、山を登り、嵐が来て、最後には山頂に至るという高峰登山の様子が、音楽で写実的に、そして見事に表現されています。
吹奏楽でも演奏される名曲で、この曲をコンクールや定期演奏会のために半年も1年も練習した人もいらっしゃるのではないでしょうか。
交響曲には珍しく楽章が1つしかない単楽章の曲ですが、演奏には50分もかかり、数小節ごとに曲をイメージさせるタイトルがつけられ、各部分は切れ目がなく演奏されます。
数小節ごとにタイトルがあることから、楽譜から演奏するところと作曲者のイメージがつきやすい1曲です。