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【ロック好きにも!】ビッグ・ビートの人気グループ、アーティスト

「ロックとテクノの融合」といったうたい文句は全く珍しいものではないですし、現代のロックやポップスは何らかのエレクトロな要素が取り入れられていますよね。

今回紹介する「ビッグ・ビート」は、90年代後半から00年代前半にかけてブームが巻き起こったテクノ・ミュージックのサブ・ジャンル。

ロック・バンドがテクノの要素を取り入れるのではなく、テクノ側から激しいブレイクビーツにラウドなギターを乗せるなど、ロック的なダイナミズムを大々的に盛り込んだサウンドが特徴です。

世界的にメジャーな存在も多くいるビッグ・ビートの主要なアーティストやグループを、この機会にぜひチェックしてみてください!

【ロック好きにも!】ビッグ・ビートの人気グループ、アーティスト

Stop and PanicCirrus

ザ・クリスタル・メソッドと並んでアメリカを代表するビッグ・ビートのグループとして知られるシーラスは、1995年から2003年まで活動していた2人組です。

ビッグ・ビート全盛期の1998年、あのファットボーイ・スリムが発表したライブ・アルバム『On The Floor At The Boutique』に彼らの楽曲が取り上げられたこともありますが、正直マイナーな存在かもしれません。

彼らの音楽性は本稿で取り上げた楽曲『Stop and Panic』を聴いてもわかるように、自由奔放に飛び交う電子音とブレイクビーツ、アゲアゲになりすぎない適度なテンションがカッコいいまさに「ビッグ・ビート」らしさにあふれたもの。

先述した『On The Floor At The Boutique』に収録されている名曲『Cirrus』はギターのファンキーなカッティングをフィーチャーしていますし、ライブでは生の楽器を取り入れたパフォーマンスを行っていたようです。

リリースされたアルバムは計3枚ですから、興味を持たれた方はすべての作品をチェックしてみても損はないでしょう。

Born too slowThe Crystal Method

ビッグ・ビートは基本的に発祥の地と言えるイギリス出身のミュージシャンを中心としたムーブメントですが、本稿で紹介するザ・クリスタル・メソッドはアメリカはロサンゼルスを拠点とするユニットです。

1993年にケミカル・ブラザーズに触発されたというスコット・カークランドさんとケ ン・ジョーダンさんの2人によって結成され、1996年に発表したバキバキのビッグ・ビート・アンセム『Keep Hope Alive』がスマッシュ・ヒットを記録して知名度を上げます。

こちらの楽曲は後に公開された映画『リプレイスメント・キラー』のサウンドトラックにも収録されていますね。

翌年の1997年にリリースされたデビュー・アルバム『Vegas』もヒットし、アメリカ発のビッグ・ビートのパイオニア的な存在として認知されるにいたりました。

ラウドなロックのダイナミズム、攻撃的なエレクトロ・ビート、ヒップホップ譲りの強じんなグルーヴにファンクやアシッドハウスまでを盛り込んだ彼らの強烈なサウンドは、ロック・リスナーの耳にも必ずや届くはず!

Bentley’s Gonna Sort You OutBENTLEY RHYTHM ACE

Bentley Rhythym Ace – Bentley’s Gonna Sort You Out
Bentley's Gonna Sort You OutBENTLEY RHYTHM ACE

エレクトロ・ビートとパンクやラップなどを融合させた先駆的なバンド、ポップ・ウィル・イート・イットセルフのベーシストだったリチャード・マーチさんが在籍しているベントレー・リズム・エースも、ビッグ・ビートを語る上では欠かせない存在です。

1997年の時点でデビュー・アルバムとなった『Bentley Rhythm Ace』をリリース、ビッグ・ビートのブームの先駆けとして英国チャートで13位とスマッシュ・ヒットを記録。

2000年に発表したセカンド・アルバム『For Your Ears Only』はあまり商業的な成功を収めることはできずに事実上の解散状態となっていましたが、2010年には再結成ライブを実現させています。

そんな彼らのサウンドは、ダンス・ミュージックの持つ理屈抜きの楽しさを全面に押し出したもので、あらゆるジャンルから縦横無尽にサンプリングされた音が飛び交う様は、何も考えずにひたすら踊りたいという方にもぴったりはまるはず。

ライブ・パフォーマンスではベースやドラムといった生楽器を使用、ロック的なダイナミズムもしっかり盛り込まれていますから、まさにこれぞ「ビッグ・ビート」と呼べる音をぜひ堪能してみてください!

DoomsdayOverseer

イギリス出身のDJ兼プロデューサーであるRob Overseerさんは、映画やテレビゲームにテレビのCM曲からバラエティ番組など、さまざまなメディアで使われる楽曲を手掛けるミュージシャンです。

1995年の活動開始からいくつかのEP作品をリリースしていますが、アルバムのリリースとしては2003年にOverseer名義で発表された『Wreckage』のみ。

冒頭で述べたように、どちらかといえば裏方の職業作曲家のような立ち位置で活躍するアーティストなのですが、そんな彼の音楽性はビッグ・ビートの中でもとくにロック色の強いサウンドを特徴としています。

ロック・ギターを大胆に導入し、フックたっぷりの歌メロもあり、もちろんアグレッシブなブレイクビーツも聴けますが、楽曲構成を含めてどちらかといえばロック寄りなのですね。

リリース時期的にもビッグ・ビートのブームからは外れていますし、プロディジーやケミカル・ブラザーズのファンはもちろん、いわゆるデジロックがお好きだった方もこのアルバムを聴き逃している人は多いかもしれません。

この機会にあらためてチェックしてみることをオススメします!

Ain’t Talkin’ ‘Bout DubApollo 440

Apollo 440 – Ain’t Talkin’ ‘Bout Dub (HQ)
Ain't Talkin' 'Bout DubApollo 440

ギリシャ神話に登場するアポロと、コンサート・ピッチの周波数を組み合わせたグループ名が特徴的なアポロ440。

結成は1990年と古く、ビッグ・ビートのブームが訪れる以前からイギリスのダンス・ミュージック界において活動を続けていた大ベテランです。

そんな彼らの名前を一躍世に知らしめたのが、あのヴァン・ヘイレンの楽曲の特徴的なギターのリフをサンプリングして全英チャート10位入りを果たした1997年のヒット曲『Ain’t Talkin’ Bout Dub』です。

リミックス仕事などで高い評価を得ていたにもかかわらず、なかなかオリジナル楽曲でメジャーフィールドでの成功をつかめなかった彼らは、この楽曲でようやく多くの音楽リスナーからの知名度を得ることとなるのですね。

全英チャート10位を記録、日本でもビッグ・ビートやデジロックの文脈でクラブヒットした1999年作の『Stop the Rock』はステイタス・クォーの名曲『Caroline』にインスパイアされた曲ですし、メンバーのギタリストであるNokoさんはあの布袋寅泰さんの盟友のような関係ということもあり、アグレッシブなブレイクビーツの中に込められたロック魂はテクノに抵抗のある方でも聴きやすいと言えそうです。