【ロック好きにも!】ビッグ・ビートの人気グループ、アーティスト
「ロックとテクノの融合」といったうたい文句は全く珍しいものではないですし、現代のロックやポップスは何らかのエレクトロな要素が取り入れられていますよね。
今回紹介する「ビッグ・ビート」は、90年代後半から00年代前半にかけてブームが巻き起こったテクノ・ミュージックのサブ・ジャンル。
ロック・バンドがテクノの要素を取り入れるのではなく、テクノ側から激しいブレイクビーツにラウドなギターを乗せるなど、ロック的なダイナミズムを大々的に盛り込んだサウンドが特徴です。
世界的にメジャーな存在も多くいるビッグ・ビートの主要なアーティストやグループを、この機会にぜひチェックしてみてください!
【ロック好きにも!】ビッグ・ビートの人気グループ、アーティスト(11〜20)
AbsurdFluke

1988年にルームメイトだったという3人によって結成されたフルークは、他のビッグビートの大物たちと比べると知名度という点で劣ることは事実ですが、1つのジャンルにとらわれない姿勢から生まれた独自のエレクトロ・ミュージックは高い評価を得ています。
ニュー・オーダーやビョークさんといった超大物ミュージシャンのリミックスを手掛けるなど、裏方としても活躍していた彼らが残した5枚のアルバムは、どれも違った色を持つ個性的な作品ばかりです。
1991年のデビュー・アルバム『The Techno Rose of Blighty』は、オアシスやマイ・ブラディ・ヴァレンタインを輩出した名門クリエイション・レコーズからリリースされていたのですから驚きですよね。
ビッグ・ビートとしての彼らであれば、1997年にリリースされた通算4枚目のアルバム『Risotto』をぜひ聴いてもらいたいです!
彼らの作品の中ではとくに評価の高い1枚でもあり、オープニングトラックの『Absurd』は多くの映画やタイアップなどで使われていますし、2曲目の『Atom Bomb』はビデオゲーム『Wipeout 2097』のサウンドトラックに起用されています。
どこかひんやりとした質感を持った、クールなビッグ・ビートをぜひ味わってみてください。
Leave You Far BehindLunatic Calm

こちらの記事で紹介している『Leave You Far Behind』を聴いて、なんとなく聴いたことがあると思われた方は多いのでは?
『マトリックス』や『モータルコンバット2』を始めとして、さまざまな映画やビデオゲームのサウンドトラックとして起用されたこちらの楽曲を発表したのは、ロンドン出身のエレクトロニック・ミュージックのグループであるルナティック・カームです。
1996年に結成された3人組で、翌年にはデビュー・アルバム『Metropol』をリリース、2002年にはラスト・アルバムとなった『Breaking Point』を発表しています。
残念ながら大きな成功を収めることはなく解散してしまいましたが、ダークなサイケデリアやトリップホップ的な要素を内包し、ビッグ・ビートの枠内に収まらない幅広い音楽性は今も高く評価されているのですね。
余談ですが、メンバーは大学時代にあのレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークさんと「ヘッドレス・チキン」というバンドで活動していたそうですよ。
Pieces (feat. Plan B)Chase & Status

ビッグ・ビートの著名なグループのほとんどが90年代に活動を開始しているのですが、こちらのチェイス・アンド・ステイタスは2003年に結成されたエレクトロニック・ミュージック・デュオです。
2011年にリリースしたセカンド・アルバム『No More Idols』が全英チャート2位を記録、続く2013年のサード・アルバム『Brand New Machine』も同じく2位をマークするなど、2000年代後半以降の英国ダンス・ミュージック・シーンを代表する存在となった彼らの音楽性は、攻撃的なブレイクビーツとロック的なダイナミズムを軸として、ドラムンベースにヒップホップ、そしてダブステップなどを盛り込んだ強烈なテンションで迫りくるサウンドを特徴とします。
リミキサーやプロデューサーとしても高い評価を得ており、リアーナさんやジェイ・Zさん、ザ・プロディジーなど多くの大物の楽曲を手掛けています。
彼らのヒット曲はさまざまなシンガーをフィーチャーしたものが多く、しっかりとしたメロディがあって聴きやすいですし、ビッグ・ビートの影響がどのような形で現代の音楽へとつながっているのかを知る上でも、ぜひチェックしてもらいたいグループですね!
BattleflagLo Fidelity Allstars

1980年代後半から1990年代前半にかけてブームとなったアシッドハウスの代表格、ハッピー・マンデーズやストーン・ローゼスの後継者とも呼ばれたバンドが、1996年にロンドンで結成されたローフィディリティ・オールスターズです。
残念ながら先人の偉大なバンドほどの成功は得られませんでしたが、ビッグ・ビートの全盛期と言える1998年に発表されたデビュー・アルバム『How to Operate with a Blown Mind』は、アシッド・ハウスにファンクやヒップホップ、パンクの要素を融合したサウンドで高い評価を受けて人気を博しました。
ロック・サイドからクラブ・ミュージックの要素にアプローチしたような音楽性ですから、ビッグ・ビートの中ではロック色が強いと言えそうです。
冒頭で述べたように、アシッド・ハウスの時代に活躍したバンドがお好きな方も要チェックです!
We Have ExplosiveThe Future Sound of London

何とも大胆なグループ名ですが、その名前にふさわしい先鋭的なサウンドを作り続けている、マンチェスター大学にて電子工学を学んでいたというブライアン・ドーガンズさんとゲイリー・コバインさんの2人が1988年に結成したプロジェクトです。
結成から30年以上が過ぎた今もバリバリの現役であり、数え切れないほどの別名義でも作品を発表し続けている彼らのスタイルは実験的で、トランス・テクノからアンビエント、ブレイクビーツにいたるまで作品によって違った作風となっていることも特徴的なのですね。
その全貌を追うことはなかなか難しいのですが、ビッグ・ビートの記事ということでここでは初期ブレイクビーツの傑作シングル『Papua New Guinea』や、チャート10位以内にランクインした1994年のヒット・アルバム『Lifeforms』、1995年の映画『モータルコンバット』にも起用された名曲『We Have Explosive』を収録した1996年のアルバム『Dead Cities』辺りをまずは聴いてみてはいかがでしょうか。
Destroy 2000 Years Of CultureAtari Teenage Riot

このバンドをビッグ・ビートの文脈で語るのは語弊が生じますが、耳をつんざくようなデジタル・ビートとハードコアの攻撃性、過激なメッセージをアジテイトするボーカルを融合させた存在としてここ日本でも熱心なファンの多いドイツ出身のアタリ・ティーンエイジ・ライオットをぜひ紹介させてください。
1992年にカリスマティックなフロントマン、アレック・エンパイアさんを中心としてベルリンにて結成、2001年にメンバーの急死が原因で活動を停止するまでに3枚のアルバムをリリースしており、2010年の再始動後には新作のリリースや再来日公演もおこなっています。
彼らの音楽性は冒頭で述べたように過激極まりないものであり、デジタル・ハードコアの始祖とも評される爆音が特徴です。
彼らの最初の活動時期とビッグ・ビートのブームの時期が被っていることもあって、日本ではいわゆるデジロックを愛聴している音楽ファンの間でも高い人気を誇っていましたね。
彼らの思想などを知ることでより理解が深まることはもちろんですが、単純にプロディジーよりもさらに過激なデジタル・ビートが聴いてみたい、という方にもオススメします!
おわりに
ロックやポップスなどのジャンルにエレクトロ・ミュージックの要素を取り入れたサウンドに慣れている若い方々であればこそ、原始的なビートをダイナミックに取り入れた「ビッグ・ビート」は新鮮だと感じられるのではないでしょうか。
ここを起点として、ドラムンベースなどロック的なアプローチと相性の良いジャンルなど、よりディープな音楽を深掘りしてみるのも楽しいですよ!