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踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム

アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?

ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。

そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!

もくじ

踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム(1〜20)

Dad Man Cat

ChowdownCorduroy

1990年代の、いわゆる渋谷系とされるムーブメントのリアルタイム世代ならば、イギリス出身の4人組インストゥルメンタル・グループ、コーデュロイの作品を青春の1枚として挙げられる方はいらっしゃるでしょう。

彼らの作品は、あのフリッパーズ・ギター~コーネリアスとして著名な小山田圭吾さんが主宰していたレーベル、トラットリアから国内リリースされていたことも踏まえて、ザ・ジェームス・テイラー・カルテットと並んで、当時の空気感を象徴するバンドの1つと言えそうですよね。

そんなコーデュロイの記念すべきデビュー・アルバム『DAD MAN CAT』は、ジャズやソウル、60年代のスパイ映画のサントラから着想を得たような、ファンキーでヒップなインスト曲がずらりと並んでおり、小憎らしいほどにしゃれた味わいのサウンドは、まさに踊れるジャズと呼ぶにふさわしい内容です。

強調しておきたいのは、キャリアのある実力派のバンドとはまた違った、若いミュージシャンならではのみずみずしい感性と、良い意味でのB級感が味わえることでしょう。

作品をリリースするごとに洗練され、演奏技術も明らかに向上した後の作品にはない、デビュー作ならではの魅力をぜひ味わってみてください。

In the Hand of the Inevitable

Love Will Keep Us TogetherJames Taylor Quartet

アシッドジャズという音楽ジャンルのオシャレなイメージを象徴するようなグループの筆頭として挙げられるのが、ザ・ジェームス・テイラー・カルテットです。

1980年代に、いわゆるネオ・モッズ・シーンから頭角を現したハモンド・オルガン奏者のジェームス・テイラーさん率いる実力派グループで、2020年代を過ぎた現在も、バリバリの現役として活躍中なのですね。

多くの名盤を世に送り出した彼らのディスコグラフィの中でも、アシッドジャズ・レコーズ史上最大のヒット作と言われている、1995年リリースの大傑作『In The Hand of The Inevitable』はとくにオススメの1枚です。

アーバンな英国ソウル・シンガーのアリソン・リメリックさんを迎えた大名曲『Love Will Keep Us Together』を始めとして、最高にグル―ヴィでファンキーかつヒップな楽曲がずらりと並ぶ、まさに90年代英国アシッドジャズ~ファンクの金字塔!

80年代のシティポップの再評価の流れで、90年代の渋谷系が若い音楽ファンの間で注目を集めている2020年代という時代だからこそ、改めて本作のような名盤に目を向けてもらいたいですね。

Made in Sweden

It Should Have Been YouBlacknuss

Blacknuss – It Should Have Been You (feat. Titiyo & Jennifer Brown)
It Should Have Been YouBlacknuss

アルバムのタイトル通り、スウェーデン出身の大所帯ジャズ・ファンク・バンドによるデビュー・アルバムです!

スウェーデンにあるジャズ・クラブをルーツとする彼らが1994年にリリースした本作は、70年代~80年代ソウル・ミュージックの楽曲を取り上げて、イギリスらしい洗練されたジャズ・ファンクへと昇華したアシッドジャズの名盤として根強い人気を誇っている作品なのですね。

アリサ・フランクリンさんやスティービー・ワンダーさんといった超大物アーティストのバック・ボーカルを務め、ソングライターとしても才能を発揮したグウェン・ガスリーさんが1982年にリリース、ガレージ・クラシックとしてクラブ世代に人気の高い『It Should Have Been You』を始めとして、90年代ヒップホップの名曲『Hey Mr. D.J.』のサンプリング・ネタとして知られる『Risin’ to the Top』など、センスの良いカバー曲が実にクールでカッコいい。

ジャズ・クラブのハウスバンドという出自ならではの演奏能力とアンサンブルで、全曲通して心地良く安心して聴ける1枚ですよ。

ドライブのお供としてもオススメです!

We the People

Lift OffGroove Collective

アシッドジャズのアーティストやグループは、発祥の地であるイギリスが中心ではありますが、こちらで取り上げているグルーヴ・コレクティヴは、アメリカはニューヨーク出身の大所帯ジャズ・ファンク・グループです。

アメリカにおけるアシッドジャズをけん引した存在の1つでもあり、確かな実力を持つメンバーによるバンド・アンサンブルは、ジャズの自由な精神を軸として、ラテンからクラブ・ミュージックにいたるまで、ジャンルを問わないビートを取り入れた幅広いサウンドを展開。

そんな彼らの評価を決定付けた、1996年リリースのセカンド・アルバム『We The People』を紹介します。

グループによるセルフ・プロデュースとなった本作は、アシッドジャズ的な色彩が強かった前作と比べて、よりリズムが多彩となり、先鋭的なジャズ・ファンク・グループとしての自信を感じさせるような作品となっています。

ニューヨークという土地ならではの、さまざまな要素が入り乱れながらも一本筋の通った音楽として昇華された、力強い名盤です!

Road to Freedom

Apparently Nothin’ (Soul River)Young Disciples

アルバムのオープニングを飾る『Get Yourself Together』における、冒頭の最高にソウルフルかつスモーキーなボーカルが耳に飛び込んできた瞬間、この作品の素晴らしさを確信する方は多くいらっしゃるのでは?

1991年にトーキング・ラウドよりリリースされた傑作『Road to Freedom』は、作品の質の高さでアシッドジャズのファンのみならず、90年代ソウル・ミュージックを愛する音楽ファンから熱狂的な支持を集めるヤング・ディサイプルズが残した唯一のアルバムです。

イギリス人男性デュオにアメリカはテキサス出身のボーカリスト、カーリーン・アンダーソンさんというトリオ編成のグループで、解散後もカーリーンさんはソロ活動や多くのグループの客演をこなすなど、シーンに欠かすことのできない存在として活躍しておりますね。

The Marvelettesの『Here I Am Baby』のリズムを引用、全英チャートで13位を記録した名曲『Apparently Nothin’』を始めとして、ソウルやファンク、R&Bのみならずヒップホップの要素を大胆に導入した楽曲群は、アシッドジャズというジャンルを決定付けただけでなく、いわゆるネオソウル系のアーティストにも影響を与えました。