踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム
アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?
ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。
そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!
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踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム(41〜50)
The ChildAlex Gopher

フランス出身のプロデューサー、アレックス・ゴーファーさん!
フレンチ・タッチ・ムーブメントの中心人物として活躍した彼は、高校時代にエアーのメンバーと共にバンド「オレンジ」を結成していたという経歴の持ち主です。
1999年にリリースされた代表作『You, My Baby & I』は、ハウスやファンク、エレクトロニカを巧みに融合させた洗練されたサウンドが特徴的な名盤となっています。
ビリー・ホリデイの楽曲をサンプリングした人気曲『The Child』は映画『アメリ』のサウンドトラックにも使用され、息子の誕生をきっかけに家庭で楽しめる「ホーム・ハウス」というコンセプトで制作された本作は、クラブ・ミュージックとしてはもちろん日常のBGMとしても最適な心地よさを持った、フレンチ・ハウスの歴史的な1枚です!
Loungin’Guru Featuring Donald Byrd

伝説的なヒップホップ・デュオのギャング・スターのメンバーとして知られるグールーさんは、1993年にソロ・プロジェクトとしてJAZZMATAZZを始動させます。
ドナルド・バードさんと共演したこちらの名曲が収録されている『Guru’s Jazzmatazz, Vol. 1』は、いわゆるネタとしてジャズを使用するのではなく、ヒップホップと生のジャズ・バンドを融合させるという革新的なサウンドを打ち出した先駆的な作品として高い評価を受けました。
同時代に人気を博していたイギリスのアシッドジャズともリンクしており、両者の歴史を知る上でも欠かせない作品と言えましょう。
Killer Inside MeMC 900 Ft. Jesus

アメリカ・ケンタッキー州出身のマーク・グリフィンさんのプロジェクト、エムシー・ナインハンドレッド・フット・ジーザス!
クラシック音楽の訓練を受けたトランペット奏者というバックグラウンドを持つグリフィンさんが、ヒップホップとジャズ、エレクトロニカを融合させた実験的な音楽で1990年代に注目を集めました。
1991年にリリースされた2ndアルバム『Welcome to My Dream』は、前作よりもジャズ色を強めた意欲作となっています。
レヴィスのCMに使用された「Falling Elevators」や、U2にサンプリングされた「The City Sleeps」といった楽曲を収録し、スポークンワード的な語り口とジャズの即興性が絶妙にブレンドされた、まさにアシッドジャズとヒップホップの架け橋的な傑作です。
実験的な音楽や多ジャンル融合サウンドがお好きな方にオススメしたい1枚ですね。
Black AmourBarry Adamson

イギリス・マンチェスター出身のバリー・アダムソンさんは、マガジンやニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズのベーシストを経て、1988年にソロ活動を開始したマルチ・ミュージシャンです。
ポストパンクからアシッドジャズ、映画音楽的なサウンドまで幅広い音楽性を持つアダムソンさんが2002年にリリースした『The King Of Nothing Hill』は、まさに「シネマティック・ソウル」とも呼ばれる彼独自のスタイルが全開となった名盤です。
ソウル、ジャズ、エレクトロニカ、ファンクを絶妙にブレンドした楽曲群は、まるで映画のサウンドトラックのような構成力を誇り、アイザック・ヘイズさんやカーティス・メイフィールドさんの影響も感じられる濃密なグルーブを生み出しています。
踊れるジャズとクールなサウンドスケープを求める方には絶対にオススメしたい傑作アルバムですね!
City FolkloreV.A.

日本におけるジャズ~クロスオーバー・シーンの中でいち早く活動を開始、世界的にも著名なDJユニットが、沖野修也さんと沖野好洋さんによるKYOTO JAZZ MASSIVEです。
2000年にリリースされたデビュー・シングル『ECLIPSE /SILENT MESSENGER』がイギリスのBBCラジオZUBBチャートで3週連続の1位を獲得するなど、その活躍は冒頭で述べたように日本に留まらず世界へと広がっています。
そんなKYOTO JAZZ MASSIVEにとってファースト・プロダクションとなったのが、1994年にリリースされたコンピレーション・アルバム『KYOTO JAZZ MASSIVE』です。
モノクロの上半身裸の女性のジャケットがあまりにも印象的な本作には、大沢伸一さんによるソロ・プロジェクトのMONDO GROSSOや、DJクラッシュさん、マンデイ満ちるさんなどが参加、ジャズもヒップホップもボサノバもハウス・ビートも同一線上に並ぶ、当時の日本のクラブ・シーンの熱気を味わえるような作品となっております。
ちなみに8曲目の『City Folklore』は、永瀬正敏さんが主演を務め、後にテレビ・シリーズ化して人気を博した『私立探偵濱マイク』シリーズの原点となった映画『我が人生最悪の時』のテーマ曲のリミックス版です。
Istanbul TwilightBrooklyn Funk Essentials

1980年代後半からイギリスで流行し始めたUKアシッド・ジャズ・ブームに影響され、アメリカのニューヨークで結成されたジャズ・ファンク・グループがBrooklyn Funk Essentialsです。
1995年のアルバム『Cool and Steady and Easy』でデビューを果たし、1990年代にニューヨークのクラブシーンを沸かせました。
また1998年にリリースされたアルバム『In the Buzz Bag』は、イスタンブールのバンドとの共作で、トルコの民族楽器を使用したエキゾチックなサウンドが魅力なんですよね。
Givin’ It UpIncognito

アシッドジャズの代表格にして、1979年にイギリスで結成された長寿バンド、インコグニート。
リーダーのジャン・ポール・ブルーイ・モーニックさんを中心とする彼らが1993年に発表した『Positivity』は、まさにアシッドジャズの黄金期を象徴する名盤です!
ジャズ、ファンク、ソウル、R&Bを巧みに融合させたサウンドは、クラブ・シーンからの支持も絶大で、特にメイサ・リークさんの歌声が華を添える楽曲群は圧倒的な完成度を誇ります。
全14曲約66分という充実のボリュームで展開される洗練されたアレンジとホーンセクションの力強さは、リリースから30年以上経った現在でも全く色あせることなく、むしろその真価を発揮し続けているのではないでしょうか。
Elevate My MindStereo MCs

ステレオMC’Sという、なんだかとぼけたような名を名乗る彼らは、1985年の結成以来、長きに渡ってジャンルレスなクロスオーバー的なサウンドをいち早く実践してきた、イギリスが誇る名グループです。
ヒップホップやソウル、ファンクといったアメリカ産のブラック・ミュージックに影響を受けながら、あくまでポップに仕上げる見事なソングライティング・センスを持ち、生のドラムを擁する屈指のライブ・アクトとしても人気を博した彼らの影響下にある後続のグループは多く存在しています。
今回取り上げているのは、彼らの名前が本国イギリスではなくむしろアメリカで知られるきっかけとなった、1990年にリリースされたセカンド・アルバム『Supernatural』です。
翌年の1991年にシングル・カットされた『Lost in Music』が、何と全米のダンス・チャートで1位を記録し、同時にそれはグループにとっての初のヒットでもありました。
アルバム自体も、生ドラムを駆使したキャッチーなヒップホップを中心として、ジャズ・ファンクやレゲエにダブ、ソウルなどのサウンドがごった煮となった最高にクールでカッコいい作品です!
当時を知る方々にとっては懐かしく感じる音ではありますが、むしろ若い音楽ファンにとっては新鮮に聴こえるかも?
Space CowboyJamiroquai

イギリス・ロンドン出身のジャミロクワイは、ジェイ・ケイさんを中心としたアシッドジャズ・ファンクの代表的バンドです。
1994年にリリースされたセカンド・アルバム『The Return of the Space Cowboy』は、デビュー作の方向性を継承しつつ、より複雑で成熟した楽曲構成が特徴となっています。
制作中にジェイ・ケイさんが創作的なスランプに陥るなど困難を極めましたが、その葛藤と再生を乗り越えて完成させた意欲作です。
アシッドジャズ、ファンク、R&B、ソウルポップを融合したサウンドは70年代ファンクの影響を色濃く受け、イギリスでは2位のヒットを記録しプラチナ認定を獲得。
踊れるグルーヴとオシャレな都会的センスを兼ね備えた、アシッドジャズ史に残る重要な名盤となっております。
Brother SisterThe Brand New Heavies

イギリスが生んだ、アシッドジャズ~ファンク・グループの代表格、ザ・ブランド・ニュー・ヘヴィーズ!
彼らの音楽を聴くだけで、気分が上がる音楽ファンはたくさんいるでしょう。
多くの名盤を生み出したグループですが、今回は1994年に発表された3枚目のスタジオ・アルバム『Brother Sister』を紹介します。
『Dream On Dreamer』や『Spend Some Time』といったヒット曲も収録された、まさにアシッドジャズの歴史的な名盤となっております。
リードボーカルのエンディア・ダヴェンポートさんが参加した最後のアルバムであり、彼女のソウルフルな歌声とバンドの卓越した演奏が融合した至福の音楽体験を味わえます。
UKアルバムチャートで最高4位を記録し、プラチナ認定を受けたことからも分かるように、商業的にも批評的にも成功を収めた傑作です。
おわりに
さまざまな音楽ジャンルの要素が盛り込まれたアシッドジャズは、聴けば聴くほど元ネタやルーツを探ってみたくなるところも魅力ですよね。
同時に、冒頭でも述べたように、現在活躍中の新世代ジャズ・シーンにおける若手ミュージシャンの多くが、アシッドジャズからの影響を公言していたりもします。
過去と今をつなぐアシッドジャズの素晴らしい世界の中で、ぜひあなたも踊ってみませんか?


