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踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム

アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?

ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。

そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!

踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム(21〜30)

Drive-Thru Booty

Turn On, Tune In, Cop OutFreak Power

イギリスが生んだアシッドジャズ界の重要な存在、フリーク・パワー!

後にファットボーイ・スリムとして世界的名声を得るノーマン・クックさんと、トロンボーン奏者のアシュリー・スレーターさんが中心となって1993年に結成されたグループです。

彼らが1994年にリリースしたデビュー・アルバム『Drive-Thru Booty』は、アシッドジャズ、ファンク、ソウル、トリップホップを見事に融合させた傑作となっています。

収録曲「ターン・オン、チューン・イン、コップ・アウト」がリーバイスのCMに起用されてUKチャート3位の大ヒットを記録するなど、商業的にも成功を収めました。

クラブシーンを意識したグルーヴィーなサウンドは、当時のパーティー世代に絶大な支持を得た歴史的な名盤です。

Clin d’oeil

Ease My Mind (feat. Tre Hardson, Fat Lip, Omni)Jazz Liberatorz

フランスはモー出身のプロデューサー・トリオ、ジャズ・リベレーターズ。

DJ Damageさん、Dustyさん、Madhiさんによって結成された彼らは、1970年代から1980年代のジャズやソウルへの深い愛情を込めたヒップホップを生み出す存在として知られています。

2008年にリリースされたデビュー・アルバム『Clin d’oeil』は、フランス国内で10万枚以上のセールスを記録した傑作であり、ジャズ・ヒップホップの名盤として語り継がれている作品です。

本作の魅力は、Fat LipさんやTre Hardsonさん、J-Liveさんといったアメリカの実力派MCたちとのコラボレーションに加え、70年代ジャズフュージョンのサンプリングとライブ楽器演奏を巧みに融合させたプロダクションにあります。

ジャズとヒップホップの架け橋的な音楽を求めている方や、本格的なジャズの要素を取り入れたヒップホップを探している方には特におすすめしたい一枚ですね。

Graffiti Blues

DoradoBlue Mitchell

アメリカ出身のジャズ・トランペット奏者にして、50年代から60年代にかけてモダンジャズ・シーンの中でブームとなったハード・バップ時代を代表する人気者、ブルー・ミッチェルさん。

多くの録音を残した彼のディスコグラフィの中でも、70年代の作品は後のアシッドジャズ・シーンに影響を与えたアルバムがあり、こちらの楽曲が収録されている『Graffiti Blues』は、まさにその1枚。

ファンク色の濃いグルーブ、渋めのハーモニカ、ジョー・サンプルさんのエレキ・ピアノ、歌心あふれるトランペットの音色……最高にクールなジャケットも含めて、押さえておくべき名盤ですよ。

São Paulo Confessions

Tantos Desejos (So Many Desires)Suba

セルビア出身でブラジルに移住した音楽プロデューサー、スバさんが1999年に発表した唯一にして最高のソロ・アルバムです!

エレクトロニカとブラジル音楽の融合という革新的なアプローチで、サンパウロの都市的熱気と情熱を見事に音楽化した傑作となっています。

シベルさんをはじめとする多彩なヴォーカリストたちとの共演も素晴らしく、ダウンテンポなビートに乗せて奏でられるボサノヴァやサンバのエッセンスは、まさに踊れるジャズの理想形と言えるでしょう。

『1001 Albums You Must Hear Before You Die』にも選出された本作は、アシッドジャズやエレクトロニカ好きはもちろん、ブラジル音楽やクラブ・ミュージックに興味がある方にもぜひ味わっていただきたい名盤です!

Zipless

Near The Black ForestVanessa Daou

アメリカ合衆国のヴァージン諸島出身のヴァネッサ・ダオさんは、シンガーソングライター、詩人、ビジュアルアーティストとして多彩な才能を発揮するマルチ・アーティストです。

コロンビア大学でダンスや詩を学んだ彼女は、夫でプロデューサーのピーター・ダオさんと共にバンド「The Daou」で活動後、ソロアーティストとして独自の道を歩み始めました。

1994年にリリースされたソロデビュー・アルバム『Zipless』は、作家エリカ・ジョングさんの詩にインスパイアされた革新的な作品です。

エレクトロニカ、トリップホップ、ニュージャズ、スポークンワードを融合させた独自のサウンドで、官能的かつ文学的な世界観を構築しています。

「Near The Black Forest」や「Sunday Afternoons」といった楽曲がVH1で頻繁にオンエアされ話題となりました。

文学と音楽の新たな可能性を示した本作は、知的で洗練された音楽を求める方、詩的な表現に魅力を感じる方にぜひオススメしたい名盤です!

The King Of Nothing Hill

Black AmourBarry Adamson

Barry Adamson – Black Amour (Official Music Video)
Black AmourBarry Adamson

イギリス・マンチェスター出身のバリー・アダムソンさんは、マガジンやニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズのベーシストを経て、1988年にソロ活動を開始したマルチ・ミュージシャンです。

ポストパンクからアシッドジャズ、映画音楽的なサウンドまで幅広い音楽性を持つアダムソンさんが2002年にリリースした『The King Of Nothing Hill』は、まさに「シネマティック・ソウル」とも呼ばれる彼独自のスタイルが全開となった名盤です。

ソウル、ジャズ、エレクトロニカ、ファンクを絶妙にブレンドした楽曲群は、まるで映画のサウンドトラックのような構成力を誇り、アイザック・ヘイズさんやカーティス・メイフィールドさんの影響も感じられる濃密なグルーブを生み出しています。

踊れるジャズとクールなサウンドスケープを求める方には絶対にオススメしたい傑作アルバムですね!

The Zone

Minha MenteTopaz

Topaz – Minha Mente (original version)
Minha MenteTopaz

アメリカ・テキサス州出身のマルチインストゥルメンタリスト、トパーズ・マクギャリグルさんが率いるTopazが2002年に発表したアシッドジャズの名盤です!

本作はVelour Recordingsから発表された2作目のアルバムで、「Minha Mente」や「I Can See It In You」といった代表曲を収録しています。

サックス奏者としてのトパーズさんの圧倒的な演奏技術はもちろん、ワーリッツァーやフェンダー・ローズを駆使したファンキーなサウンドが全編に渡って展開されており、生のバンド演奏とダンス・グルーヴが見事に両立した仕上がりとなっています。

PopMattersでは「過去10年で最高のジャズファンク盤の一つ」と絶賛されるなど、海外でも高い評価を獲得した逸品ですね。

クラブで踊れるジャズを求めている方や、グレイボーイ・オールスターズなどがお好きな方には特にオススメしたい作品です!