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踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム

アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?

ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。

そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!

もくじ

踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム(1〜20)

What Silence Knows

Down That RoadShara Nelson

マッシヴ・アタックが1991年にリリースした傑作デビュー・アルバム『Blue Lines』ががお好きな方であれば、‎シングル曲の『Safe from Harm』や『Daydreaming』などで聴くことのできる美しい女性ボーカルをすぐに思い出せますよね。

見事な歌唱力と多彩な表現力を持つこの女性、イギリスのシンガーソングライターのシャラ・ネルソンさんが1993年にリリースした記念すべきデビュー・アルバム『What Silence Knows』を紹介します。

洗練された英国ソウル~R&Bを軸としながらも、90年代という時代ならではのハイブリッドな感性が随所に発揮、ダウンテンポ~トリップホップの要素も取り入れ、アシッドジャズやグラウンド・ビートの名盤としても人気のある1枚です。

本作から発表されたシングルは5曲すべてがチャートのトップ40入りを果たし、アルバムも10万枚の売上を記録し、Mercury Music Prizeの最終候補にノミネートされるなどの高い評価を受けました。

シャラさんの歌声は耳に優しい響きを持っており、どの楽曲も心地良く聴けますから、女性ボーカルを好んで聴かれる音楽ファンなら、ぜひ推薦したいですね!

A Joyful Noise unto the Creator

Prince of PeaceGalliano

アシッドジャズの総本山的なレーベル、トーキング・ラウドの第一弾契約グループとしても知られているのが、ボーカリストのロブ・ギャラガーさんを中心とするイギリス出身のガリアーノです。

あのカーティス・メイフィールドさんの名曲『Freddie’s Dead』をサンプリングした1988年のデビュー・シングル『Frederick Lies Still』を、アシッド・ジャズ・レコーズの初のレコードとしてリリースしていることからも、アシッドジャズの歴史における重要なグループであることが分かりますよね。

そんな彼らが1991年にリリースしたセカンド・アルバム『A Joyful Noise Unto The Creator』は、当然ながらアシッドジャズの名盤として長く愛されている作品です。

スタイル・カウンシルなどの活動で知られるオルガン奏者のミック・タルボットさんがプロデュースを務め、英国ならではの洗練されたジャズ・ファンクにソウルやヒップホップのテイスト、さらにはレゲエやアフリカ音楽などの要素も巧みに融合させたハイブリッドなサウンドは、2020年代を生きる若い音楽ファンにこそ聴いてもらいたいセンスで満ちておりますね。

ごった煮サウンドながらも、あくまでスタイリッシュに聴かせるイギリスらしさに降参です!

Two Pages

Loveless4hero

アシッドジャズの生みの親の1人と言えるDJ、ジャイルス・ピーターソンさんによって1990年に設立されたレーベル、トーキング・ラウド。

このレーベルから多くのアシッドジャズの名盤が生まれましたが、90年代中盤から後半にはドラムンベースの名作も多くリリースしているのですね。

中でも、イギリスのベテラン・ドラムンベース・ユニット、4ヒーローがトーキング・ラウド移籍後の1998年に初めてリリースしたアルバム『Two Pages』は、ドラムンベースのみならず、ニュージャズやトリップホップの要素を取り入れ、時代の最先端の行く先鋭的なサウンドで歴史にその名を残す傑作です。

このアルバムは2枚組としてリリースされ、タイトル通りに4ヒーローが持つ2つの側面を表現した大作となっており、アシッドジャズとしての文脈であれば、複雑なブレイクビーツと生楽器を多用した、電子音と絡み合うようなアンサンブルが美しいディスク1をオススメします。

もちろん、攻撃的でいてどこか冷徹な電子音とビートが迫りくるディスク2も最高にクールでカッコいいですよ!

Conspiracy

Real LoveDrizabone

Real Love – Drizabone (1991 – Original Mix)
Real LoveDrizabone

2010年、突如復活を果たして新作をリリースしたことを覚えている方は、恐らく本作をリアルタイムで体験した方々でしょう。

ドリザボーンは、1990年代初頭から中盤にかけて活動していたダンス・ミュージック・グループです。

1991年のデビュー・シングル『Real Love』が英国チャートで16位をマークするなどのスマッシュ・ヒットを飛ばし、いくつかのシングル・リリースを経て発表されたのが、1994年のアルバム『Conspiracy』です。

大きな商業的成果には恵まれず、グループ自体もそのまま自然消滅してしまいますが、洗練された英国ソウル~アシッドジャズが楽しめる本作の素晴らしさは、ここ日本でも根強い人気を誇っています。

都会的でアーバンな雰囲気、チャーミングな女性ボーカル、往年のソウルやR&Bをクラブ世代のフィルターを通して昇華したサウンドは、2020年代を過ぎた今でも抜群にオシャレですね!

ドライブに合うオシャレなR&B~ソウルを探している、という方々にも大推薦の1枚です。

The Black, The White, The Yellow And The Brown (And Don’t Forget The Redman)

The Masterplan (Original Extended)Barry K Sharpe

1980年代後半、アシッドジャズと同時代に注目を集め始めた音楽スタイルとして、グラウンド・ビートの存在があります。

アメリカでもヒットを記録したソウル・II・ソウルが代表的な存在として知られ、ドラムマシンを用いたクローズド・ハイハットによる16分3連音符の音色を特徴としています。

そんなグラウンド・ビートをいち早く鳴らし、アシッドジャズの名盤としても人気の高いアルバムが、1992年にリリースされた『The Black, The White, The Yellow And The Brown(And Don’t Forget The Redman)』です。

グラウンド・ビートのオリジネイターの1人とも言われているバリー・K・シャープさんと、女性ボーカリストのダイアナ・ブラウンさんによるユニットが残した唯一のアルバムで、改めて聴くと、当時の英国クラブ・シーンがどのような音を鳴らしていたのか、本作の洗練されたアシッドジャズ~グラウンド・ビートに触れることで、その一端が理解できると言えるほどの作品だと断言しましょう。

スタイル・カウンシルで知られるミック・タルボットさんや、イギリスが誇る名ドラマーのスティーヴ・ホワイトさんなどが参加していることにも注目してほしいですね。