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踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム

アシッドジャズと聞いて、当時のブームの熱気をよく知っている世代の方々はともかく、若い音楽ファンの中には「オシャレなイメージだけど実際にどのような音楽なのかいまいち分からない」と感じている方は多いのでは?

ジャンルというよりは、クラブ世代が生み出した一種のカルチャーそのもの、というべきアシッド・ジャズは、日本においてもSuchmosなどのバンドの登場もあって、にわかに再評価の波が来ているように感じます。

そこで今回は、アシッドジャズのブームを盛り上げた往年の名盤を中心として、2020年代を過ぎた今だからこそ聴きたいアルバムを集めてみました!

踊れるジャズ!~アシッドジャズの名盤・オススメのアルバム(41〜60)

DUKE

T-JamGeorge Duke

ジャズ・フュージョン界の人気ピアニスト、ジョージ・デュークさんは、ジャズに限らずファンクやR&Bにクロスオーバーと、ジャンルの枠内をこえた活動を続けていたアーティストです。

その多彩な才能は、アシッドジャズのアーティストからも慕われており、インコグニートは自分たちの作品にデュークさんを招いたりもしています。

そんなデュークさんの膨大な作品群の中でも、2005年にリリースされた『DUKE』は、円熟した演奏を軸として、歌モノからインストゥルメンタルまで、ファンキーでピースフルなサウンドの数々はどれも高いクオリティを誇っています。

晩年に近い時期の彼を知る上でも、重要な1枚と言えるかもしれません。

FRESH OUT

The Lope SongEddie Russ

オルガン~エレクトリック・ピアノの名手にしてデトロイト産ジャズの至宝、エディ・ラスさんが1974年にリリースした初のリーダー作にして傑作アルバム『FRESH OUT』は、アシッドジャズのルーツを探る上では欠かせない作品です。

割れた卵からひょっこり姿を見せる、そり頭のルックスがとてもファニーなアルバム・ジャケットでもおなじみみですよね。

ヤング・ディサイプルズがサンプリングしたことでも有名なフルート・ファンクの名曲『The Lope Song』を始めとして、メロウでファンキーなナンバーがずらりとそろったレアグルーブの古典的名盤です。

The Balistic Brothers vs. The Eccentric Afros Volume 1

BlackerBallistic Brothers

イギリスのハウス・シーンを代表するDJ兼プロデューサーにして、X-PRESS 2などの名義でさまざまな素晴らしい実績を残してきたアシュリー・ビードルさんを中心として、1990年代に活動していたユニットが、BALLISTIC BROTHERSです。

そんな彼らが1994年にリリースした『The Balistic Brothers vs. The Eccentric Afros Volume 1』は、定番のネタ元としても有名な、スティーヴ・ミラー・バンドの『Fly Like An Eagle』のギターフレーズの引用や、ハービー・ハンコックさんの『Chameleon』のサンプリングなど、縦横無尽にジャンルを横断するセンスが見事に落とし込まれた名盤となっておりますよ。

Looking Up

Show Me The WayGregg Karukas

フュージョンやクロスオーバーから派生したサブジャンル、いわゆるスムーズジャズと呼ばれるサウンドをメインに活動しているピアニスト兼プロデューサー、グレッグ・カルーカスさんの作品は、アシッドジャズに興味がある方にも触れてみてほしいアルバムが多くあります。

80年代から息の長い活動を続けるグレッグさんですが、今回紹介するのは彼が2005年にリリースしたアルバム『Looking Up』です。

専売特許と言えるキャッチーで軽やかなピアノが全曲に渡って楽しめることはもちろんのこと、グレッグさん自身の打ち込みによるリズムトラックが、若干のチープさはあるものの、生楽器とはまた違った味わいを感じられるでしょう。

KYOTO JAZZ MASSIVE

City FolkloreV.A.

Kyoto Jazz Massive – City Folklore
City FolkloreV.A.

日本におけるジャズ~クロスオーバー・シーンの中でいち早く活動を開始、世界的にも著名なDJユニットが、沖野修也さんと沖野好洋さんによるKYOTO JAZZ MASSIVEです。

2000年にリリースされたデビュー・シングル『ECLIPSE /SILENT MESSENGER』がイギリスのBBCラジオZUBBチャートで3週連続の1位を獲得するなど、その活躍は冒頭で述べたように日本に留まらず世界へと広がっています。

そんなKYOTO JAZZ MASSIVEにとってファースト・プロダクションとなったのが、1994年にリリースされたコンピレーション・アルバム『KYOTO JAZZ MASSIVE』です。

モノクロの上半身裸の女性のジャケットがあまりにも印象的な本作には、大沢伸一さんによるソロ・プロジェクトのMONDO GROSSOや、DJクラッシュさん、マンデイ満ちるさんなどが参加、ジャズもヒップホップもボサノバもハウス・ビートも同一線上に並ぶ、当時の日本のクラブ・シーンの熱気を味わえるような作品となっております。

ちなみに8曲目の『City Folklore』は、永瀬正敏さんが主演を務め、後にテレビ・シリーズ化して人気を博した『私立探偵濱マイク』シリーズの原点となった映画『我が人生最悪の時』のテーマ曲のリミックス版です。

Guru’s Jazzmatazz, Vol. 1

Loungin’Guru Featuring Donald Byrd

伝説的なヒップホップ・デュオのギャング・スターのメンバーとして知られるグールーさんは、1993年にソロ・プロジェクトとしてJAZZMATAZZを始動させます。

ドナルド・バードさんと共演したこちらの名曲が収録されている『Guru’s Jazzmatazz, Vol. 1』は、いわゆるネタとしてジャズを使用するのではなく、ヒップホップと生のジャズ・バンドを融合させるという革新的なサウンドを打ち出した先駆的な作品として高い評価を受けました。

同時代に人気を博していたイギリスのアシッドジャズともリンクしており、両者の歴史を知る上でも欠かせない作品と言えましょう。