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ベルリオーズの名曲。人気のクラシック音楽

かつてその肖像画がフランスの10フラン札にもなったロマン派の巨匠、ルイ・エクトル・ベルリオーズ。

ベルリオーズの生み出した楽曲には『幻想交響曲』を筆頭に、さまざまな文学作品に影響を受けて作られたものがあります。

また、楽器編成の大規模な拡張や、色彩的な管弦楽法によってロマン派音楽の動向を先取った作曲家でもあり、今回はそんなベルリオーズの原点となった作品を楽章ごとにもわけてリスト化してみました。

ぜひお聞きいただけたらと思います。

ベルリオーズの名曲。人気のクラシック音楽(11〜20)

序曲『ウェイヴァリー 』作品1Louis Hector Berlioz

エクトル・ベルリオーズの作品の中でも原点となる楽曲です。

ウォルター・スコットの小説に着想を得て作られたこの序曲は、ダイナミックな音楽表現で物語の世界観を見事に描き出しています。

大胆なオーケストレーションと劇的な展開が特徴で、若き日のベルリオーズの才能が光る一曲となっています。

1828年5月に初演された際には、賛否両論の反応がありましたが、現在ではベルリオーズの初期の重要作品として高く評価されています。

ロマン派音楽に興味がある方や、文学作品と音楽の関係性に関心がある方におすすめの曲です。

葬送と勝利の大交響曲より第1楽章Louis Hector Berlioz

Grande symphonie funebre et triomphale 3. Apotheose : Louis Hector Berlioz(葬送と勝利の交響曲3/ベルリオーズ)
葬送と勝利の大交響曲より第1楽章Louis Hector Berlioz

フランス革命とナポレオン戦争の英雄たちへの鎮魂と賞賛を込めた壮大な作品です。

全3楽章で構成され、悲哀と勝利の両方を描き出しています。

第1楽章の荘厳な葬送行進曲は、小太鼓のリズムから始まり金管楽器が応じる形で展開します。

第2楽章では、テナー・トロンボーンの独奏が印象的です。

最後の楽章は、華やかなファンファーレと合唱が加わり、勝利を祝う祝祭的な音楽となっています。

ロマン派音楽の特徴が色濃く反映された本作は、大規模なオーケストラ編成による迫力がある音楽表現が魅力です。

フランス革命期の音楽に興味がある方や、壮大な管弦楽曲を楽しみたい方におすすめの1曲です。

劇的交響曲「ロメオとジュリエット」第2部よりLouis Hector Berlioz

シェイクスピアの悲劇を音楽で描く、革新的な交響曲です。

オーケストラのみで構成される第2部は、ロメオの孤独やキャピュレット家の饗宴を鮮やかに表現します。

エクトル・ベルリオーズは1839年にこの作品を完成させ、従来のオペラ的手法を超えた音楽表現を追求しました。

特に「愛のシーン」では、歌唱ではなく器楽のみで二人の愛情を描写する斬新な試みがなされています。

ロマン派音楽に新風を吹き込んだ本作は、クラシック音楽の新たな可能性を感じたい方におすすめです。

レクイエムより第10曲:アニュス・デイLouis Hector Berlioz

ルイ・エクトル・ベルリオーズの『レクイエム』より第10曲は、深い祈りと慰めに満ちた宗教音楽の傑作です。

神の慈悲を求める歌詞と、静謐で荘厳な音楽が見事に調和しています。

1837年に作曲されたこの曲は、オーケストラと合唱の繊細な対話が特徴的で、聴く人の心に強く訴えかけます。

死者の魂の安息を願う普遍的なテーマは、宗教を超えて多くの人々の共感を呼ぶでしょう。

心に慰めを求める方や、荘厳な宗教音楽に興味がある方におすすめの一曲です。

幻想交響曲より第5楽章Louis Hector Berlioz

Berlioz, symphonie fantastique (finale), par Sir john eliot Gardiner
幻想交響曲より第5楽章Louis Hector Berlioz

『幻想交響曲(Symphonie fantastique)作品14より、第5楽章:魔女の夜宴の夢(Songe d’une nuit du Sabbat)』です。

本楽曲の最終楽章で、第5楽章では、グレゴリオ聖歌「怒りの日」が主題に用いられています。

曲想は幻想とつくくらい重々しく、4楽章で亡くなった主人公である『病的な感受性と激しい想像力に富んだ若い音楽家』の葬儀に集まってくる亡霊の様子を表しています。

特殊奏法として曲の終結部近くでは弓の木部で弦を叩くコル・レーニョ奏法が用いられている楽章であることも有名です。

コル・レーニョ奏法がある代表する楽曲です。

どんな音がするのかは聞いて確かめてみてくださいね!

幻想交響曲より第3楽章Louis Hector Berlioz

H.ベルリオーズ / 幻想交響曲作品14第3楽章(指揮:シルヴァン・カンブルラン)H. Berlioz:Symphonie fantastique op.14(Cond : S.Cambreling)
幻想交響曲より第3楽章Louis Hector Berlioz

『幻想交響曲(Symphonie fantastique)作品14より、第3楽章:野の風景(Scène aux champs)』です。

エクトル・ベルリオーズはこの作品の中で自分が恋に落ちた女性を表す旋律を、さまざまな場面で使用しています。

3楽章はあまり評価が得られなかった楽章で初演の翌年の1831年に大幅に改定されています。

また、この楽章にはロッシーニの『ウィリアム・テル』序曲の第3部のアルプス地方の牧歌や、この楽章の主要旋律はベルリオーズの破棄するつもりだった自作『荘厳ミサ』や他の曲にも使用されているので、お気に入りのフレーズなのでしょうね。

ベルリオーズの名曲。人気のクラシック音楽(21〜30)

魔王(エクトル・ベルリオーズ編曲)Franz Schubert

深い森の闇を疾走する馬の蹄の音が、オーケストラの迫力がある響きによって鮮やかに描き出されます。

息子の不安げな叫び声、父親の必死の励まし、そして不気味な魔王の誘惑的な囁きが、オーケストラの多彩な音色によって見事に表現されており、聴く者の心を揺さぶります。

1860年頃にベルリオーズが手掛けた編曲版では、フルートが魔王の甘美な誘いを奏で、弦楽器群が馬の疾走感を生み出すなど、原曲の持つ緊張感がより一層引き立てられています。

親子の愛情と死の不可避性という普遍的なテーマを持つ本作は、ドラマチックな展開と豊かな音楽表現により、物語性のある音楽作品を求める方や、オーケストラ音楽の魅力を存分に味わいたい方にお勧めの一曲です。