【2025】カナディアン・ロックの魅力~カナダ出身のおすすめ人気バンド
洋楽ロックに詳しくなればなるほど、アメリカやイギリス以外のバンドに興味が生まれるものですよね。
ジャスティン・ビーバーさんやアヴリル・ラヴィーンさん、ザ・ウィークエンドさんといった世界的なアーティストを輩出したカナダも、実は素晴らしいロック・バンドが多く生まれた土地なのですよ。
本稿では、ロックはもちろんインディーポップやメタル、ポストロックなどさまざまなジャンルから選び抜かれたカナダ出身のバンドをご紹介します!
ロック史に残る伝説的なバンドから注目すべき若手まで、新旧を問わないバラエティ豊かなラインアップをぜひお楽しみくださいね。
【2025】カナディアン・ロックの魅力~カナダ出身のおすすめ人気バンド(1〜10)
PhotographNickelback

2000年代以降、商業的に最も成功したロック・バンドの1つがカナダ出身のニッケルバックです。
ベーシストのマイク・クルーガーさんが、スターバックスでアルバイトを務めていたときに「5セントのお返しです」という言葉をよく口にしていたことからバンド名が誕生したというエピソードはとても有名ですよね。
ニッケルバックの結成は1995年のことであり、翌年の1996年にはデビュー・アルバムとなる『Curb』をリリースしています。
地道にツアーを回っていた彼らの転機となったのが、2001年にリリースされた3枚目のスタジオ・アルバム『Silver Side Up』の先行シングルとなった『How You Remind Me』の大ヒットです。
グランジ~オルタナティブロック譲りのハードなギター・サウンドと、フロントマンで作詞と作曲を担うチャド・クルーガーさんの艶っぽく力強い歌声が絶妙にマッチした、ニッケルバックの王道と言えるキラーチューンであり、ここから彼らは一気にトップバンドへと上り詰めます。
あまりにも売れすぎたがゆえに批判も多い彼らではありますが、たとえば2005年の大ヒット曲『Photograph』のようなノスタルジックな熱いバラードを聴くだけでもわかるように、ぶれることはなく誰もが口ずさめるような曲を生み出し続ける彼らの魅力を、つまらない先入観で知らずにいるというのは本当にもったいないです。
ベスト盤も出ておりますから、まずはそこから聴いてみるのもいいですよ!
Still WaitingSUM41

2000年代初頭のポップパンク・ブームをけん引し、長きに渡ってシーンの最前線で活躍するも2023年5月に解散を表明したSum 41。
当時は高校生だったメンバーが、アメリカで最も有名なパンク・フェス「ワープド・ツアー」を見て感銘を受けて活動を開始したのがバンドの始まりです。
2001年にリリースされたデビュー・アルバム『All Killer No Filler』は、最高にポップでやんちゃな彼らの魅力が100%詰まった名盤中の名盤ですね!
ポップパンクながらも、ヒット曲『In Too Deep』などメタリックなギター・ソロを導入したミクスチャー風の楽曲もあり、彼らのバンドとしての高いポテンシャルが伺えますよね。
「THE」の付いたガレージロック・バンドが一種のムーブメントとなった、00年代初頭のシーンを茶化すようなMVが印象的な『Still Waiting』が収録されたセカンド作『Does This Look Infected?』では、よりソリッドなギター・サウンドを手にしています。
メタリックな要素を担っていたギタリスト、デイヴ・バクシュさんの脱退後はより音楽性を広げた作品作りを展開、フロントマンのデリック・ウィブリーさんは一時期あのアヴリル・ラヴィーンさんと結婚していましたね。
そんな彼らは、近年の00年代ポップパンク・リバイバルを鑑みても、今後はますます再評価が進んでいくことでしょう!
PerfectSimple Plan

Sum 41と並んで、ここ日本においても絶大な人気を誇るカナダ出身のポップパンク・バンドと言えばシンプル・プランですよね。
シンプル・プランとしての結成は1999年の話ですが、前身となるバンドはメンバーがローティーンだった90年代前半までさかのぼります。
「リセット」というバンドでアルバム・デビューまで果たしていたそうなのですが、メンバーの脱退や再会などを経て1999年にシンプル・プランを結成、本格的な活動を開始します。
2002年にリリースされたデビュー・アルバム『No Pads, No Helmets…Just Balls』は、日本ではストレートに『シンプル・プラン』としてリリースされ、世界中で大ヒットを記録しました。
同年には日本でも来日を果たし、ルックスの良さもあってポップパンク好き以外の層にも大人気でしたね。
2003年には日本でのライブの模様を収録した『Live in Japan 2002』もリリースされ、その後も定期的に来日を果たした親日家のバンドとしても知られています。
アルバムをリリースするたびに、初期の若さあふれるポップパンクから音楽性の幅を広げたサウンドを展開、2016年にはあのネリーさんをフィーチャーした『I Don’t Wanna Go To Bed』といったファンキーなポップロック風の楽曲も発表していますが、彼らの音楽で最も重要な「素晴らしいメロディと歌心」は変わることなく貫かれていますね。
I Hate Everything About YouThree Days Grace

たとえばニッケルバックなどもそうですが、カナダには北米のいわゆるポスト・グランジ~オルタナティブ・メタルと呼ばれるサウンドに影響を受けた名バンドが多く存在しています。
本稿の主役、スリー・デイズ・グレイスはまさにその代表格といっても過言ではない人気バンドです!
彼らの結成は1997年にまでさかのぼり、当時はトリオとして活動していました。
2003年にはギタリストが加入して4人組となり、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリース。
こちらのアルバムは現在世界中で200万枚以上という売り上げを記録し、彼らは一気にトップ・バンドの仲間入りを果たします。
2021年の現時点で計6枚のアルバムを発表しており、そのどれもが高いクオリティを誇る作品で、商業的にも安定した成績を収めているのですね。
ミッドテンポでグランジやオルタナ譲りの静と動のダイナミズムを駆使したギター・サウンドを軸として、内省的な歌詞をハスキーな声質のボーカルがメロディアスに歌い上げるスタイルは、なかなか日本では広まりにくいものではあるのですが、その分熱狂的なファンも多く存在していますよ。
近年はよりスケールの大きなロック・サウンドを手に入れた彼らですから、まずは初期の作品を聴いてから、順を追って彼らの音世界に触れてみることをオススメします。
The WeightThe Band

バンド・メンバー5人の内、カナダ出身のメンバーが4人含まれるザ・バンドは、卓越した技術を持った名プレイヤーたちが集まった、ロックの歴史において非常に重要な存在です。
アメリカで「リヴォン&ザ・ホークス」として活動を続けていた彼らは、1965年にフォークシンガーの新星として人気を博していたボブ・ディランさんのバック・バンドに抜擢されます。
ディランさんの音楽性がエレキギターを用いたフォークロック路線へと移行していた時期と重なっていたことは、偶然ではなく必然だったと言えるでしょう。
ディランさんとの活動を経て、バンドは1968年に「ザ・バンド」と改名し、名盤『Music from Big Pink』で本格的なデビューを果たします。
サイケデリック・ミュージックが盛り上がっていた1968年という自体において、あえてルーツ・ミュージックに着目してカントリーやフォーク、R&Bなどを融合させた渋いサウンドは同業者の間でも高い評価を得ます。
以降、1976年の活動休止までロック史にその名を残す名盤を多く発表する彼らの音楽に初めて触れるという方であれば、前述したデビュー作、1969年リリースのセカンド作『The Band』や『南十字星』という邦題でも知られている1975年の『Northern Lights – Southern Cross』辺りがオススメです!
同時に、彼らの解散ライブの模様を収録した『The Last Waltz』と、同名の伝記映画は60年代~70年代のロックに興味がある方であれば必ずチェックすべき傑作ですよ。
Tom SawyerRush

1968年に結成されたラッシュは、カナダが世界に誇るロック・トリオであり、北米プログレッシブ・ロックの先駆け的な存在としても知られる国民的なグループです。
結成以降、地道な活動を続けていた彼らがプロとして本格的なデビューを果たしたのは1974年のこと。
当時は世界中を席巻していたレッド・ツェッペリン的なハードロックを指向した音楽性でしたが、デビュー・アルバム『閃光のラッシュ』のリリース直後にドラムスのニール・パートさんが加入して以降は、ニールさんによる文学的な素養を感じさせる哲学的で難解とも評される歌詞が持ち込まれたことも踏まえて、サウンドもプログレッシブ・ロックなものへと変化します。
70年代におけるプログレ期の名盤と呼ばれる1976年のアルバム『2112』は、20分をこえる表題曲を中心とした大作主義的なアルバムでアメリカだけでも300万枚という売り上げを記録。
しばらくはプログレッシブ・ロックを追求する作品が続きますが、1980年にリリースした『Permanent Waves』ではテクニカルでありながらもポップなメロディも導入し、レゲエなどの新機軸も見せた作品で全米チャート4位をマークしています。
ベースを弾きながら歌うゲディー・リーさんの強烈極まりないハイトーン・ボーカル、さまざまな技法を駆使したギター・プレイで緻密な音世界を作り上げるアレックス・ライフソンさん、手数の多さと要塞のようなドラム・セットも特徴的なニール・パートさん……卓越したミュージシャンがそろったラッシュは、2018年に長きに渡る活動を終えて、2020年には残念ながらニールさんが病気のため逝去されました。
Take It OffSoftcult

元々はカーレッジ・マイ・ラヴとして活躍していたカナダ、オンタリオ州出身の双子の姉妹デュオ、ソフトカルトはグランジとシューゲイズやドリームポップを融合させる音楽性で知られています。
2021年4月にデビューEP『Year of the Rat』をリリースし、90年代のオルタナティブ・ロックを彷彿とさせる重厚なフズギターと幻想的なメロディーで注目を集めました。
彼女たちの音楽は、自身の経験や人間性を反映し、聴き手に世界や自分について問い直すよう促す力強いメッセージ性を持っています。
ソフトカルトは、音楽を通じて包摂性とマイノリティの代表性を強調し、社会問題についての意識を高めることを目指しているのです。
90年代のグランジやドリームポップに影響を受けた彼女たちの音楽は、重厚なギターサウンドと幻想的なメロディーを求める方にぴったりですね。