【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(21〜30)
元日や 手を洗ひをる 夕ごころNEW!芥川龍之介
意外と知られていないことなのですが、芥川龍之介さんや夏目漱石さんらもたくさんの俳句を残しているのですよ。
これらの俳句は文人俳句と区分されることもあり、独特な雰囲気を持つ俳句も多いです。
この俳句もそんな一句。
俳句は「初詣、新年のあいさつ回り、お正月なのに今日はいろいろ忙しかったなあ。
ああ、もう夕方かあ」の内容。
「もう少しお正月気分を味わいたかった」というちょっと切ない気持ちも読み取れますよね。
みなさんの今年のお正月はどうでしたか?
鏡餅 暗きところに 割れて坐すNEW!西東三鬼
鏡餅に象徴される年神様や季節の移ろいを静かに見つめながら詠んだ俳句です。
「鏡餅」とは正月に飾る餅で、新しい年の豊かさや無事を願うものですが、「暗きところに割れて坐す」とあるように、光が届かない場所でひっそりと置かれ、少しだけ割れている様子が描かれています。
西東三鬼は、完璧ではないものにも年の終わりの趣や人生の現実を感じ、ありのままの姿に美しさや哀愁を見いだしたのでしょう。
静かに鏡餅を眺めると、季節の終わりと来る年への思いをしみじみ感じさせる一句です。
【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(31〜40)
去年今年 貫く棒の 如きものNEW!高浜虚子
「去年今年」は「こぞことし」と読み、この俳句のおかげで俳句の世界ではすっかり有名な季語となりました。
でも、実際俳句を詠むときにはなかなか使えない言葉なのです。
「年が明けて新年になっても自分という意思は変わらぬままだ」という強い決意を詠んでいると解釈されることもあります。
この句の解釈は読者によっていろいろあることでしょう。
でも「本当の名句とはそのようなたくさんの解釈を許してくれる句のこと」という俳人もいます。
みなさんはこの俳句をどのように読みましたか?
手毬唄 かなしきことを うつくしくNEW!高浜虚子
美しい糸で鮮やかな三角形や円など、幾何学模様に巻いて作られた手まり。
手まりは江戸時代から明治時代まで、お正月によく遊ばれていたそうです。
そのため、新年の季語にもなっていますよ。
きれいな手まりの歌をうたいながら、遊ぶ子どもたち。
ですが、この俳句が詠まれたのは第二次世界大戦が始まった時期だったそうです。
手まりで遊ぶ無邪気な子どもたちが歌ううたも、重く暗い内容だったのでしょう。
そのような内容の歌も、美しい子どもたちの歌声だったため、やり場のない気持ちになったのかもしれませんね。
高齢者の方も、日常のちょっとした出来事を詠むことの参考になりそうな俳句ですね。
草の戸に 賀状ちらほら 目出度さよNEW!高浜虚子
高齢者の方の中には年賀状を書いたり、いただくことがある方もいらっしゃることでしょう。
最近は、年賀状は少なくなったとはいえ、自宅に届いていると嬉しいものですよね。
年賀状が届いて嬉しいと思う気持ちはいつの時代も変わらないのかもしれません。
俳句からも、めでたい気持ちと嬉しい気持ちが伝わってきますね。
また、高齢者の方と、年賀状を一緒に作成するのもオススメですよ。
慌ただしい年末年始ですが、楽しいこともたくさんあります。
高齢者の方と、充実した時間を過ごしてくださいね。
通りをる 電車不思議や 酉の市NEW!久米正雄
11月のにぎやかな街の風景を眺めながら久米正雄が詠んだ俳句です。
「通りをる電車」とは、街中を忙しなく行き交う電車のこと。
その動きや音に、作者はどこか不思議な感覚を覚えています。
「酉の市」は、11月に開かれる商売繁盛の市で、露店や人々の活気が街を彩ります。
久米正雄は、電車の近代的な速さと、酉の市の昔ながらのにぎわいとを対比しながら、日常の中の非日常や、季節の移ろいを感じたのでしょう。
11月の街角で、懐かしさと新しさが入り混じる景色をやさしく味わえますね。
ポインセチア どの窓からも 港の灯NEW!古賀まり子
12月の街や港の静かな情景を思い描きながら古賀まり子が詠んだ俳句です。
「ポインセチア」は冬の訪れを感じさせる赤い花で、街の窓辺に彩りを添えています。
「どの窓からも」とあるように、家々や店先から見える港のあかりとともに、街全体がやわらかな光に包まれている様子が浮かびますよね。
古賀まり子は、冬の寒さの中でも、温かい光や花の色にほっとする気持ちや、人々の暮らしの温もりを感じていたのでしょう。
12月の夜、港の静けさと街のあたたかさを優しく味わえる、穏やかで心温まる一句です。






