【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(31〜40)
赤い椿 白い椿と 落ちにけり河東碧梧桐
椿は冬から春にかけて咲く花であることから「春を告げる花」と言われています。
また、俳句の世界でも椿は春を表す季語として使用されてきました。
こちらの句はそれぞれの木に咲き誇っていた赤色の椿と白色の椿の花が、次々に木から落ちてしまった様子を表現しています。
赤と白の花びらの色と、中央の黄色い花蕊との色のコントラストが目に浮かんでくるようですね。
まだまだ寒い日が続く2月は風も冷たく、咲いている花が少ない時期。
早春に咲いた椿が、落ちていく様子に寂しさも感じますが、春がすぐそこまで来ていると嬉しい気持ちにもなりますね。
はるかなる 地上を駆けぬ 猫の恋石田波郷
こちらの句の季語は「猫の恋」、春を表す季語のひとつです。
猫は冬から春にかけて交尾の時期を迎え、発情期の甘えた声や泣き叫ぶような声をあげることから猫の恋は春の季語として使用されるようになりました。
「はるかなる」とは、距離や時間が長いことや離れている様子を指します。
どこからか遠くの方から猫の声がする、発情期を迎えた猫たちだろうか。
地上を駆けるように響く猫たちの声に、暖かい春の訪れはもう近いという様子が感じとれますね。
いたづらに 古りゆく身かな 針供養高橋淡路女
針供養とは、折れたり古くなってしまった針を集めて供養すること。
今まで活躍してくれた針に感謝の気持ちを込めておこないます。
そのほか、裁縫の上達や針仕事が無事にできることも祈願するそうですよ。
針供養は毎年2月8日に開催されるため、俳句の世界では2月の季語として知られていますね。
「いたづらに」はむなしくや無駄に、「古りゆく」とは古くなってゆくと言う意味です。
高橋淡路女のこの句は、針仕事でむなしくも古くなり折れてしまった針たちに、感謝の意を込めて針供養をおこなう様子を詠んでいます。
初午や 古き幟 もののかず高橋淡路女
初午とは春の季語で、2月の最初の午の日におこなわれる稲荷神社の祭礼のこと。
稲がなることを意味する「稲なり、稲荷」から五穀豊穣や商売繁盛を祈願して、日本各地の稲荷神社で初午の祭りがおこなわれてきました。
新暦では2月ですが、旧暦で数える初午は2月よりももう少し春めいてきた暖かい時期のため、そんな暖かい春の陽気の中で参詣した際に詠んだ句でしょうか。
「幟」とはのぼりと読み、目印のために立てる旗のこと。
初午が開催されている神社に、それを知らせる古いのぼりがたくさん並んでいる様子が見てとれますね。
雪と雪 今宵師走の 名月か松尾芭蕉
こちらは松尾芭蕉が、師走の夜空を眺めながら詠んだ一句です。
「雪と雪」とは、降り積もる雪と、雪に反射する光や景色の重なりを表していると考えられます。
「今宵師走の名月か」とあるように、師走の忙しい時期でも、夜空には静かで美しい満月が輝き、雪景色とともに幻想的な光景を作り出しているのが伝わってきますよね。
芭蕉は、この句を通して、年の暮れの慌ただしさの中でも自然の美しさや静けさに心を留める感覚を表しています。
12月初めに読めば、冬の訪れと月夜の静かな喜びを味わえますよ。



