【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(41〜50)
柚子風呂に 浸す五体の 蝶番NEW!川崎展宏
12月の冬至の頃、温かい家庭の風景をユーモアを交えて川崎展宏が詠んだ俳句です。
「柚子風呂」とは、冬至の日に柚子を浮かべて入るお風呂のことで、体を温め、無病息災を願う日本の伝統です。
「五体の蝶番」とは、体の関節を蝶番にたとえ、自分の体を丁寧に温める様子を面白く表現しています。
川崎は、冬の寒さの中でも、家庭の温もりや日常の小さな楽しみを大切に感じていたのでしょう。
12月の寒い日に、柚子の香りと温かさで体も心もほっとする、ユーモアとやさしさが伝わる一句ですね。
初時雨 人なつかしく 待ちにけりNEW!星野立子
星野立子は明治期の俳人で、高浜虚子の次女として生まれました。
「初時雨 人なつかしく 待ちにけり」、ここでの季語は「初時雨」。
秋から冬にかけて降るにわか雨のことです。
そんな雨の降る少し肌寒い天候のなか、人恋しく愛しい人が来るのを待っている姿を詠んだ句です。
どのくらいの時間を待っているのでしょうか。
現代のように簡単に連絡がとれなかった時代に、ただひたすら愛しい人が来るのを待つ、そんな切なくも儚げな様子が読み取れますね。
木がらしの 吹き行くうしろ 姿かなNEW!服部嵐雪
服部嵐雪は江戸時代の俳人で、松尾芭蕉の高弟として俳諧を学んだ人物とされています。
そしてこの「木がらしの 吹き行くうしろ 姿かな」は師匠である松尾芭蕉が旅立つ際に、服部嵐雪が詠んだ一句です。
ただ単に木枯らしに吹かれているというものではなく、その旅立ちの前途を祝福し、送別の気持ちを込めて詠まれました。
「木枯らし」とは木の葉を吹き散らすほど強く吹く、冷たい風のこと。
「吹き行く」という表現から、旅立つ松尾芭蕉の後ろ姿に力強さを感じられます。
小春日や 石を噛み居る 赤蜻蛉NEW!村上鬼城
冬が始まる前の穏やかな「小春日和」を詠んだ句です。
「小春日」とは、冬の初めに見られる春のようにあたたかな日差しのこと。
「石を噛み居る赤蜻蛉」とは、ひだまりの中で赤とんぼが石にとまり、まるで石を口にしているかのようにじっとしている様子を表していますよ。
寒さの中でも、ほんのひとときのぬくもりを楽しむ赤とんぼの姿に、自然のいのちのたくましさと静けさが感じられます。
11月のやわらかな日差しを受けながら、季節の移ろいと小さな命のぬくもりを味わうことができる、あたたかな一句ですね。
初雪や かけかかりたる 橋の上NEW!松尾芭蕉
松尾芭蕉が詠んだ、冬のはじめの静かな情景を描いた俳句です。
「初雪」はその年に初めて降る雪。
まだ地面を白く覆うほどではなく、そっと空から舞い降りてきたばかりの雪です。
「かけかかりたる橋の上」とは、ちょうど橋を渡りかけたところ。
旅の途中に初雪に出会った芭蕉は、橋の上でふと足を止め、冬の訪れをしみじみと感じたのでしょう。
寒さの中にある静けさ、そして季節のうつろいを受け入れる心の落ち着きを感じます。
11月の初雪にふさわしい、旅人の感慨と自然の美しさがやさしく重なった一句ですね。
蛤の いける甲斐あれ としの暮NEW!松尾芭蕉
松尾芭蕉が晩秋から初冬、年の暮れの情景をしみじみと詠んだ俳句です。
「蛤のいける甲斐あれ」とは、蛤の味わいや価値をしっかり感じ、手間をかけて楽しむことの喜びを表していますよ。
年の暮れに、食卓に蛤を添えることは、季節の移ろいを感じ、日々の暮らしを豊かにするささやかな楽しみですね。
芭蕉は、この句を通して、年の終わりに自然の恵みを味わう喜びや、日常の小さな幸せに目を向ける心を表しています。
冬の気配を感じながら、年の暮れを静かに迎える気持ちが伝わってきますよね。
雪と雪 今宵師走の 名月かNEW!松尾芭蕉
こちらは松尾芭蕉が、師走の夜空を眺めながら詠んだ一句です。
「雪と雪」とは、降り積もる雪と、雪に反射する光や景色の重なりを表していると考えられます。
「今宵師走の名月か」とあるように、師走の忙しい時期でも、夜空には静かで美しい満月が輝き、雪景色とともに幻想的な光景を作り出しているのが伝わってきますよね。
芭蕉は、この句を通して、年の暮れの慌ただしさの中でも自然の美しさや静けさに心を留める感覚を表しています。
12月初めに読めば、冬の訪れと月夜の静かな喜びを味わえますよ。






