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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介

俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。

寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。

特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。

今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。

目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。

面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?

【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(41〜50)

山里は 万歳遅し 梅の花松尾芭蕉

山里は 万歳遅し 梅の花松尾芭蕉

町中から離れた山里には、年が明け梅の花が咲いた頃にようやく万歳師がやってくる……という内容の句ですね。

万歳とは、新年を祝う言葉を歌唱して家々をまわる芸能のことで、現在の漫才の元祖とも言われていますよ。

また、お気づきの方もおられるかもしれませんが、この一句には「梅の花」と「万歳」の2つの季語が使われています。

季重なりは基本的に避けるべき技法です。

しかしこの句に関しては、主題となる季語がはっきりしており、俳句の内容が損われていません。

さすが俳聖と呼ばれる松尾芭蕉ですよね。

梅が香に のつと日の出る 山路哉松尾芭蕉

梅が香に のつと日の出る 山路哉松尾芭蕉

梅の花は、2月に開花の時期を迎えることが多い花です。

小さな花ですが、冷たい春先の風の中でも咲いている姿が印象的ですよ。

梅の花の香りもすばらしく、春の予感も感じられそうですね。

俳句では人だけではなく、太陽も梅の香りに誘われたと表現しています。

それだけ、すべてを魅了するような香りなのでしょうね。

梅の木の近くを歩いていると、視覚と聴覚から季節の移ろいを楽しめそうです。

高齢者の方の中にも、梅の花の開花を楽しみにしている方もいらっしゃるかもしれませんね。

雪残る 頂ひとつ 国境正岡子規

雪残る 頂ひとつ 国境正岡子規

冬の間山に雪が積もり、雪山になったところもあるのではないでしょうか?

最近は雪不足と言われており、雪山を想像するのが難しい方もいるかもしれませんね。

山に積もった雪が解けて見えなくなると、春が来たことを感じられます。

春先の頃は、山の山麓のほうは雪が溶けて、山頂だけに雪が積もっている姿がみられますよ。

寒いと思っていても、少しずつ季節はめぐって変わっていきます。

ちょっとした日常の季節を感じられることは、高齢者の方と会話にもいかせそうですね。

春浅き 水を渡るや 鶯一つ河東碧梧桐

春浅き 水を渡るや 鶯一つ河東碧梧桐

田んぼや川で餌を探し食べるサギを見たことがある高齢者の方も、多いのではないでしょうか?

サギはゆっくりと、久川の浅いところを一足ひとあし歩く姿が特徴的な鳥です。

2月の川の中は、まだ冷たい時期です。

そこを、特徴のある歩き方をしているサギを見ていると、川の水がとても冷たく感じられます。

サギにとっては、いつもと変わらない餌をとるときの様子ですが、見ている人の感覚でサギの状態がかわっていくところも面白いですね。

日常の中で、寒さを感じるものを見つけて、自分の心情と合わせて俳句を作ってみてはいかがでしょうか?

如月や 身を切る風に 身を切らせ鈴木真砂女

如月や 身を切る風に 身を切らせ鈴木真砂女

最近は冬でも暖かな日も多くありますよね。

ですがかつての日本は、2月の寒さが厳しく感じられることの方が多かったそうです。

吹く風も冷たく、厚着をしていても身を切るような寒さだったことでしょう。

こういった冬の体験をした高齢者の方も多いのではないでしょうか?

冬や2月の体験は、高齢者の方との会話のきっかけにもなりそうです。

そこから幼かった頃の話や、家族と過ごした頃の思い出を振り返る方もいらっしゃるかもしれませんよ。

会話をしながら、俳句を詠むことで楽しい時間が過ごせそうですね。

折りかけし 枝もありけり 猫柳鈴木花蓑

折りかけし 枝もありけり 猫柳鈴木花蓑

この句の季語は、猫柳……初春の季語の1つですね。

猫柳とは、水辺に自生する事が多いヤナギの1種です。

白い綿毛で包まれる花芽が特徴的で、それが猫のしっぽのようだと言われていますよ。

この句はそんな猫柳の姿をつづったものですね。

猫柳は枝が細く、風の力が強いと折れてしまうことがよくあります。

そんな猫柳のありのままの姿が浮かんできて、猫柳を身近に感じたことのある方なら「そうそう!」と思わず共感し、外遊びの懐かしい思い出もよみがえる句ではないでしょうか。

藤橋や 重き身を越す 孕鹿高井 几菫

藤橋や 重き身を越す 孕鹿高井 几菫

鹿は通常、夏ごろに出産をするそうですよ。

2月や3月頃の母親鹿のおなかは、赤ちゃんがいることがわかるほど、ふくらんでます。

野生の動物の世界でも、2月は寒さを感じる季節です。

母親鹿も、おなかの中の子供を守るように寒さをしのいでいることでしょう。

現代の日本では薄れつつある感覚ですが、かつては植物や動物などから、季節の移りかわりを察知していたようです。

俳句作りを通して、高齢者の方とご一緒に身近なところで四季の雰囲気を探してみるのも面白いかもしれませんね。

薄氷の 草を離るゝ 汀かな高浜虚子

薄氷の 草を離るゝ 汀かな高浜虚子

薄く張った氷が溶けて、水辺に生えている草が見えるようになるという情景をつづった俳句ですね。

薄氷というのは、冬に見られる分厚い氷ではなく、春先に見られる薄く張った氷のことです。

子供のころ、日差しですぐに溶けてしまうような薄氷を割って遊んだ記憶があるのではないでしょうか?

薄氷は昔冬の季語でしたが、明治時代以降から春の季語として使われるようになりました。

はかなく繊細な印象を受けるとともに、あたたかでやわらかい気配を感じられる一句です。

光琳の 屏風に咲くや 福寿草夏目漱石

光琳の 屏風に咲くや 福寿草夏目漱石

ここでの季語は「福寿草」で、新年を表す季語です。

福寿草は早春にいち早く黄金色の花を咲かせるため、春の訪れを告げる「春告げ花」として人々に親しまれてきました。

尾形光琳は江戸時代の画家で、光琳が屏風に描いた福寿草の花の絵を夏目漱石詠んだ句が「光琳の 屏風に咲くや 福寿草」です。

福寿草の花言葉は「永久の幸福」や「幸せを招く」で、新年にふさわしい福寿草の花が描かれた屏風を眺めながら、新しい年に期待を膨らませていたのかもしれませんね。

正月の 子供になって 見たき哉小林一茶

正月の 子供になって 見たき哉小林一茶

1月は新年の季語と冬の季語、どちらも楽しめる俳句愛好者には嬉しい季節。

寒さをものともせず吟行に出掛けるのもまた乙なんですよね。

一茶さんのこの俳句は子供の無邪気さをうらやましく思うもの、この軽さもまた実に一茶さんらしい詠み。

お正月のおせち料理、お年玉、お正月ならではの遊びであるたこ揚げやすごろく、子供なら1日中笑顔でいられることでしょう。

食事の後片付けや雪かきで忙しい大人とはずいぶん様子が違いますね。