【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介
俳句には、冬の季節ならではの味わい深さがありますよね。
寒月や初時雨、雪のふわりとした様子など、情景を豊かに詠み込んだ名句の数々。
特に高齢者の方にとって、懐かしい風景や思い出が詰まった俳句との出会いは、心を温かく潤してくれるものです。
今回は、松尾芭蕉や与謝蕪村など、日本を代表する俳人たちが詠んだ冬の俳句をご紹介します。
目を閉じれば、情景が浮かぶような美しい句を厳選しました。
面白い表現や言い回しにも注目しながら、ゆったりとした気持ちで俳句の世界に浸ってみませんか?
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【高齢者向け】冬の俳句。有名な俳人が詠む美しい名作をご紹介(51〜60)
日本が ここに集まる 初詣山口誓子
信仰心と行事がちぐはぐだとたまに指摘を受ける日本人。
クリスチャンでもないのにクリスマスに大騒ぎすることなどは典型的なその1つ。
そういう意味では神道とは縁のない人でも神社に初詣に出掛けますね。
ちなみに初詣の人出ランキング1位は明治神宮で約300万人らしいです。
人は人が集まる所が大好き?
なのかなと、この俳句はやや一歩引いた場所から詠まれている、そんな気もしますよね。
俳人の山口誓子さんは昭和初期に活躍した「ホトトギス4S」の1人。
この句の他「ピストルがプールの硬き面にひびき」の句も有名です。
凛々と 目覚時計 寒波来日野草城
スマートフォンの普及で腕時計や目覚まし時計が売れなくなったとのニュースを目にしたことがあります。
自分の好きな曲で爽やかに目覚めるのもいいですが、「ジリリリリ-」とけたまましく起されるのもそれなりに風情がありますよね。
「ジリリリリ-」はいかにも昭和っぽいかな。
寒波が来て寒くて起きられない、ただそれだけの内容をここまで調べ高い俳句に仕立てられるとは。
日野草城さんは女性のエロスや無季俳句を作ったことでも有名。
昭和初期の新興俳句運動の旗頭ともなった人です。
元日や 晴れてすゞめの ものがたり服部嵐雪
新しい一年の始まりである元日の朝は、すがすがしい気持ちを感じますよね。
新しい年を迎えた朝に、外からすずめのさえずりが聞こえてきたら、さらに爽やかな気持ちにもなれそうです。
初日の出や、初詣など新しい年をイメージできる言葉で、俳句を詠んでみるのもいいですね。
特別な雰囲気を感じる元日の朝やお正月にふさわしい俳句が、高齢者の方も作れるのではないでしょうか?
俳句を作って詠みながら、高齢者の方も新しい年や季節を感じられますよ。
そこから、お正月の話題も広がりそうですね。
元日や おもへばさびし 秋の暮松尾芭蕉
松尾芭蕉さんの名前を聞かずに大人になった人はいないでしょう。
小学校から高校の教科書まで、芭蕉さんの名前が出てこない教科書はないのですから。
この句は芭蕉さん40歳の作といわれています。
大みそかまでなんだかんだと新年の用意にバタバタとしていたが、新年になると打って変わって水を打ったように静かになる、この寂しさはどこかあの秋の夕暮れに似ているなあ……と。
最近の日本は元旦から騒がしい?
ので、芭蕉さんのようにしんみりとはならないかな。
門松や おもへば一夜 三十年松尾芭蕉
歳月の流れをしみじみと感じながら松尾芭蕉が詠んだ俳句です。
「門松や」とは、正月に家の門先に飾る門松のことで、新しい年の訪れを告げます。
「おもへば一夜三十年」とあるように、正月の一夜を迎えるたびに、あっという間に三十年もの歳月が過ぎたことを思い返しています。
芭蕉は、年の移ろいの早さや自らの人生の長さを、門松という季節の象徴を通して深く感じ、静かに感慨にふけったのかもしれませんね。
お正月に読み返すと、時間の尊さや新しい年への思いをやさしく感じさせてくれますよ。
いくたびも 雪の深さを 尋ねけり正岡子規
みなさんは「前書き」というのをご存じですか?
俳句の前に置かれている添え書きみたいなもの。
「山梨にて」や「母逝く」などその俳句を詠んだ背景を読者に知らせる効果もあります。
この俳句にも「病中雪」という前書きがあります。
病でとうとう体も自力では起こせられなくなった、傍に入る人に「庭の雪の様子はどうだろうか」としきりにその雪を気にする、そんな内容の俳句。
雪に対して特別な思いがあった正岡子規さんを代表する一句。
同時にあと二句詠まれていますので、お時間御座いましたらどうかお調べになってご鑑賞ください。
とてもいい句ですよ。
元日や 手を洗ひをる 夕ごころ芥川龍之介
意外と知られていないことなのですが、芥川龍之介さんや夏目漱石さんらもたくさんの俳句を残しているのですよ。
これらの俳句は文人俳句と区分されることもあり、独特な雰囲気を持つ俳句も多いです。
この俳句もそんな一句。
俳句は「初詣、新年のあいさつ回り、お正月なのに今日はいろいろ忙しかったなあ。
ああ、もう夕方かあ」の内容。
「もう少しお正月気分を味わいたかった」というちょっと切ない気持ちも読み取れますよね。
みなさんの今年のお正月はどうでしたか?
鏡餅 暗きところに 割れて坐す西東三鬼
鏡餅に象徴される年神様や季節の移ろいを静かに見つめながら詠んだ俳句です。
「鏡餅」とは正月に飾る餅で、新しい年の豊かさや無事を願うものですが、「暗きところに割れて坐す」とあるように、光が届かない場所でひっそりと置かれ、少しだけ割れている様子が描かれています。
西東三鬼は、完璧ではないものにも年の終わりの趣や人生の現実を感じ、ありのままの姿に美しさや哀愁を見いだしたのでしょう。
静かに鏡餅を眺めると、季節の終わりと来る年への思いをしみじみ感じさせる一句です。
去年今年 貫く棒の 如きもの高浜虚子
「去年今年」は「こぞことし」と読み、この俳句のおかげで俳句の世界ではすっかり有名な季語となりました。
でも、実際俳句を詠むときにはなかなか使えない言葉なのです。
「年が明けて新年になっても自分という意思は変わらぬままだ」という強い決意を詠んでいると解釈されることもあります。
この句の解釈は読者によっていろいろあることでしょう。
でも「本当の名句とはそのようなたくさんの解釈を許してくれる句のこと」という俳人もいます。
みなさんはこの俳句をどのように読みましたか?
手毬唄 かなしきことを うつくしく高浜虚子
美しい糸で鮮やかな三角形や円など、幾何学模様に巻いて作られた手まり。
手まりは江戸時代から明治時代まで、お正月によく遊ばれていたそうです。
そのため、新年の季語にもなっていますよ。
きれいな手まりの歌をうたいながら、遊ぶ子どもたち。
ですが、この俳句が詠まれたのは第二次世界大戦が始まった時期だったそうです。
手まりで遊ぶ無邪気な子どもたちが歌ううたも、重く暗い内容だったのでしょう。
そのような内容の歌も、美しい子どもたちの歌声だったため、やり場のない気持ちになったのかもしれませんね。
高齢者の方も、日常のちょっとした出来事を詠むことの参考になりそうな俳句ですね。



