【日本の伝統音楽】雅楽・神楽の名曲。おすすめの日本の伝統音楽
古より伝わる日本の伝統音楽の美しさに、あなたはどれだけ触れたことがありますか?
雅楽や神楽には、現代の音楽では味わえない荘厳な雰囲気と深い精神性が宿っています。
千年以上の時を超えて受け継がれてきた日本の伝統音楽には、私たちの心に響く普遍的な魅力があるのです。
この記事では、日本の古典音楽の中から、心を洗われるような美しい調べの数々をご紹介します。
現代では耳慣れない音色かもしれませんが、きっとあなたの心に深く染み入るはずです。
【日本の伝統音楽】雅楽・神楽の名曲。おすすめの日本の伝統音楽(11〜20)
舞楽「陪臚破陣楽」

唐代の軍陣舞に由来する勇壮な武舞です。
4人の舞人が太刀や鉾、盾といった武器を手に、笙や篳篥、龍笛の荘厳な調べに合わせて舞う姿は圧巻。
平調の調べで奏でられる本作は、聖徳太子が物部守屋との戦いに際して演奏し敵陣を破ったという伝説や、源義家の義光が合戦の際に七返繰り返したという逸話が残されています。
四天王寺や唐招提寺では今も特定の法要日に舞われているのだそう。
日本の伝統芸能の奥深さに触れたい方や、荘厳な雰囲気を味わいたい方は、ぜひ聴いてみてください。
管絃さくら野津輝男

千年以上の時を超えて受け継がれてきた雅楽の伝統を、現代の技術と演奏家の感性で再創造した作品です。
笙の美しい和音が幾重にも重なり、まるで春の宵に舞い散る花びらのようなはかなさと静ひつさを表現しています。
篳篥が奏でる旋律線は柔らかく抒情的で、打物が加わることで雅楽ならではの荘厳な空間性が生まれています。
雅楽の神秘的な響きに触れてみたい方や、日本の四季の美しさを音で感じたい方にぜひ聴いていただきたいですね。
越天楽今様文帝
雅楽の代表曲に歌詞をあて、今様形式で歌われるようになった作品。
平安時代以降、宮廷や法会の場でさまざまな詞章が付けられて歌い継がれてきました。
春の山々を覆う桜の情景を和歌風にうたいあげた歌詞からは、日本の美しい自然への憧れと季節のうつろいへの深い感慨が伝わってきます。
平調の安定した旋律に乗せて歌われる荘厳な響きは、現代の音楽では味わえない精神性を宿していますね。
能楽の演目『梅枝』では古い譜をもとに復元された本作が舞台で披露される例もあり、伝統芸能の奥深さを体験できるでしょう。
万歳楽則天武后

「万歳楽(まんざいらく)」は中国から日本に伝来した唐代の「唐楽」のひとつで、平調、中曲、延八拍子、拍子十、新楽で舞(舞人4人、文舞)もある雅楽です。
則天武后が飼っていたオウムが「万歳」と鳴くため、その鳴き声をとって作曲したと言われています。
次第は平調調子・品玄(舞人登場)、当曲(当曲舞)、調子・臨調子(退場)で、番舞は延喜楽です。
現在でもよく舞われ、左方平舞の代表的なもので天皇即位の大礼においても「饗宴の儀」において太平楽とともに舞うことがあります。
「越天楽」と並び雅楽を知りたい方の入門的存在です。
平調 皇麞急 龍笛独奏中宗

「皇麞(おうじょう)」とは、中国から伝来した雅楽による唐楽の一種です。
平調、大曲、新楽で舞(舞人6人)もあります。
唐楽四大曲の1つで、皇麞の他、春鶯囀、蘇合香、万秋楽があります。
日本へ伝えられた経緯は不明です。
遊声、序、破、急の4つからなる曲でしたが、現在は厳粛な雰囲気の急のみが管絃で演奏されています。
漢字「麞」は訓読みでは「のろ」で鹿の一種を指しますが、鹿のことを指しているのではなく中国の地名である黄麞谷から来ているようです。
雅楽の様式、中国から伝来した唐楽の姿を知りたい方におすすめです。
舞楽 陪臚斑朗徳

「陪臚(ばいろ)」とは唐楽の一種でベトナムから伝わった雅楽の一つです。
平調、中曲、早只八拍子、拍子十二、古楽で舞(舞人4人)があり、天平8年(西暦736年)に婆羅門僧正と林邑(現在の南ベトナム)の僧の仏哲が、日本に伝えたと言われています。
管絃の合奏では只拍子で演奏しますが、舞楽では夜多羅拍子で演奏します。
武器を持って舞うことから武舞の代表的な曲目としても知られています。
日本の雅楽の由来やベトナムなど外国にある文化、伝統を学びたい方におすすめです。
【日本の伝統音楽】雅楽・神楽の名曲。おすすめの日本の伝統音楽(21〜30)
太食調 長慶子 龍笛独奏源博雅

長慶子(ちょうげいし、ちょうげし)は唐楽、太食調、小曲、早四拍子、拍子十六、新楽で舞はありません。
管絃の合奏曲で、舞楽公演の締めくくりに演奏される後奏曲として有名です。
参加者はこの曲を聴きながら退出するのが通と言われています。






