ハウス・ミュージック、省略して「ハウス」とも呼ばれる音楽は、1970年代のディスコ・ミュージックを起源としてクラブ・ミュージックのみならずポップスなどのポピュラー音楽にまで影響を与え続けているジャンルです。
ハウス特有のいわゆる「4つ打ち」と呼ばれる1小節ごとに4回のキック・ドラムが鳴らされるビート・スタイルは、意識せずとも一度は耳にしているはずです。
その定義や歴史などを短い文章で語ることは困難ではありますが、今回の記事ではそんなハウス・ミュージックの基本的かつ王道の名盤をピックアップ。
これからハウス・ミュージックを聴いてみたい、という方に向けたラインアップでお届けします!
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もくじ
- 【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚
- I Need You So MuchMoodymann
- Strings Of LifeRhythim Is Rhythim
- The Whistle SongFrankie Knuckles
- Sync/Swim808 State
- Sweet StickyTheo Parrish
- Club Lonely (Lonely People)LIl’ Louis, The World
- Acid TracksPhuture
- Day Of The OnionMarshall Jefferson
- I Can’t Get No Sleep ft. IndiaMasters At Work
- Hooked On LoveKerri Chandler
- Can You Feel ItFingers Inc.
- So SpecialBlaze
- HypnodelicFrancois K
- I’ll House YouJungle Brothers
- Do It Your WayMood II Swing
- Selfless StateSo Inagawa
- ExplosionKeita Sano
- World CliqueDeee-Lite
- HallelujahHappy Mondays
- HyperrealThe Shamen
- Everybody EverybodyBlack Box
- LoadedPrimal Scream
- EquationPalms Trax
- Precious HallKuniyuki Takahashi
- Free YourselfVirgo
- Sun ShoweredSoichi Terada
- Afro GenteGlenn Underground
- AllegoriaSapphire Slows
- Sky HighFreeTempo
- Disko PoloBOBO
- Bar A ThymKerri Chandler
- P.I.A.N.O.Daishi Dance
- NanairoJazztronik
- Go Bang! #5 (FRANCOIS K. MIX)Dinosaur L
- Beautiful feat. KarinDJ Kawasaki
- SapporoBlaze
- Do It AgainShinichiro Yokota
- VIDEO CRASHTyree
- TuskAnthony Naples
- SpetraTlaotlon
- ThirstinJack J
- CloserMood II Swing
- Tell You (Today)Loose Joints
【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚(1〜20)
I Need You So MuchMoodymann

アフロヘアーとヒゲ、丸いサングラスがトレードマークのムーディーマンさんは、デトロイト・テクノ~ハウスのカリスマとして活躍するDJ、アーティストです。
あらゆるブラックミュージックを基盤として、古典的なソウルやジャズを巧みにサンプリング、官能的で黒々としたスロウ・グルーブを生み出す手腕は世界的な評価を得ています。
メジャーなアーティストのミックスなども手掛けながら、自身は表舞台での露出を嫌っているそうで、あくまでアンダーグラウンド・シーンのアーティストという矜持を感じさせるスタンスが最高にクールですよね。
もともとはレコード・ショップの店員として勤務する傍ら、地元デトロイトのクラブにてレジデントDJを務めていた経歴も含めて、深すぎる音楽愛はムーディーマンさんのどの作品からも感じ取れるはず。
そんなムーディーマンさんが2004年に発表した『Black Mahogani』は、ファンの間でも名盤中の名盤として人気の高いアルバムです。
ブラックミュージックの歴史がハウスミュージックという形で再構築され、多くの名曲を生み出した本作を聴けば、ハウスの枠内をこえた豊潤なブラックミュージックの素晴らしさを再確認できることでしょう。
Strings Of LifeRhythim Is Rhythim

テクノミュージックの立役者であり、デトロイトテクノのオリジネイターにして生ける伝説として世界中のダンスミュージック・シーンに影響を与え続けるデリック・メイさん。
デリックさんは初期シカゴハウスのDJたちからの影響を独自に昇華した革新的なスタイルの作品を生み出し、結果的にハウスミュージックの進化に多大なる貢献を果たした存在でもあるのですね。
そんなデリックさんがリズム・イズ・リズム名義で1987年に発表した楽曲『Strings Of Life』は、テクノ~ハウスミュージックにおける古典的なアンセムとされる大名曲。
日本ではなぜか2000年代前半の人気番組「マネーの虎」で使用されていたこともあり、デリックさんの音楽だとは知らずに親しんでいた方も多いのではないでしょうか。
その『Strings Of Life』も収録されている、1996年にリリースされた『Innovator』はオリジナル・アルバムというわけではありませんが、80年代後半から90年代初頭にデリックさんが発表した楽曲を集めた編集盤であり、ハウス・ミュージックを聴く上でもデトロイトテクノの真髄を知る上でもマストな作品としてオススメですよ!
The Whistle SongFrankie Knuckles

2014年の3月31日に惜しくもこの世を去ったDJ兼音楽プロデューサーのフランキー・ナックルズさんは、ハウスの起源とされるシカゴのクラブ「Warehouse」のレジデンスDJであり、ハウスの立役者として「ハウスの父」と呼ばれるほどの偉大なオリジネイターであり、1997年にグラミー賞の中で初めて設立された「最優秀リミキサー賞」の初の受賞者であり、数え切れないほどの功績と偉大なキャリアを持つ存在です。
自身の楽曲でも多くのヒットを生み出したフランキーさんですが、今回は全米ビルボード・チャートやイギリスのポップ・チャートでも好成績を収めたハウスミュージックのクラシック・ナンバー『The Whistle Song』を収録したデビュー・アルバム『Beyond The Mix』を紹介します。
1991年に発表されたオリジナル・アルバムであり、メジャー配給でリリースされたことも含めてハウスミュージックの歴史におけるエポックメイキング的な作品であると言えますね。
収録されている名曲たちはクラブユースというだけではなく、ハウスというジャンルにこだわらずにオシャレなBGMとしてさらりと聴けてしまうバランス感覚を持ち合わせており、その洗練されたセンスは2020年代の今も色あせることはありません。
Sync/Swim808 State

ハウスミュージックの中から派生したサブ・ジャンルは多く存在していますが、現在も高い人気を誇るのがアシッドハウスです。
シカゴを拠点とするDJピエールさんがパイオニアとされているアシッド・ハウスはアメリカだけではなくイギリスはロンドンにも波及、いわゆる「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ばれる1980年代後半におけるダンスミュージックのムーブメントへと発展していくのですね。
そんなアシッドハウスの代表的なグループの1つに、マンチェスター出身の808ステイトがいます。
ドラムマシンの名機「Roland TR-808」から取ったグループ名を持ち、日本では「808」を「やおや」と呼ぶファンもいる808ステイトが1988年にリリースしたデビュー・アルバム『Newbuild』は、まさにアシッドハウスの歴史におけるクラシックな名盤として知られる1枚。
次作以降のキャッチーなメロディなどはほぼ見られず、無機質なテクノ・ビートとアシッドハウスのブームでは欠かせないローランドの名機TB-303による即興性の強い電子音が乱れ飛ぶ、シカゴハウスの影響がダイレクトに出た純然たる英国アシッドハウス作品となっています。
あのエイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスさんが、自身のレーベルであるRephlex Recordsで本作を2005年にリイシューしたことからも、後続のアーティストへの影響の大きさが理解できるはず。
Sweet StickyTheo Parrish

アメリカはワシントンDC出身、幼少期をシカゴで過ごしたという1972年生まれのセオ・パリッシュさんは、デトロイトテクノ~ハウス・シーンにおける重要人物の1人。
13歳という若さでDJ活動をスタートさせ、1994年にはデトロイトに移住して本格的な音楽活動を開始しています。
1997年にムーディーマンさんやリック・ウィルハイトさんとともに結成された、デトロイトハウスの最強ユニット「3 Chairs」での活動でも知られていますね。
1998年に発表された記念すべきデビュー・アルバム『First Floor』は、ムーディーマンさんらとはまた違うパリッシュさん独自のセンスが爆発した名盤です。
イギリスの名門レーベル「Peacefrog Records」よりリリースされた本作、アンダーグラウンドの香りが漂うアルバム・ジャケットのデザインもさることながら、フロアを熱狂させるダンスミュージックとは一線を画すミディアムテンポのビート、スモーキーかつざらついた音像、ジェームス・ブラウンさんの楽曲の大胆な引用など、世界中でリスペクトされ続けるパリッシュさん節はこの時点で確立されていたことがわかる逸品ですね。
深夜に目を閉じてこの音楽を聴いているだけで、どこか別世界へと連れ去られてしまいそうなほどの呪術的なトリップ感を味わえますよ。
Club Lonely (Lonely People)LIl’ Louis, The World

セクシーな女性の声と楽曲の途中でピッチダウンするミニマルなトラックで世界中で何と600万枚もの売上を記録した問題作『French Kiss』で知られる、シカゴハウスが生んだ鬼才リル・ルイスさん。
ブルース・ミュージシャンの父親を持ち幼少期から楽器演奏を経験するも、もともとはスポーツ少年だったというルイスさんですが、1974年に12歳という若さでDJを経験して以降は音楽へとのめり込み、自らの信じた道を突き進みながら商業的にも大きな成功を収めた偉大なアーティストです。
本稿で取り上げている『Journey With The Lonely』は1992年にリリースされたセカンド・アルバムで、ニューヨークに移住した際に得たインスピレーションを基に作り上げたハウスミュージックの傑作。
ジャジーな香りも漂うメロディアスな歌モノのヒット・シングル『Club Lonely』をはじめとして、人気のハウス・クラシックが多数収録されており、ハウスミュージック初心者でも聴きやすい作品ですよ。
1989年リリースのデビュー・アルバム『From the Mind of Lil’ Louis』と合わせて、ハウスミュージック好きなら必聴の1枚です!