【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚
ハウス・ミュージック、省略して「ハウス」とも呼ばれる音楽は、1970年代のディスコ・ミュージックを起源としてクラブ・ミュージックのみならずポップスなどのポピュラー音楽にまで影響を与え続けているジャンルです。
ハウス特有のいわゆる「4つ打ち」と呼ばれる1小節ごとに4回のキック・ドラムが鳴らされるビート・スタイルは、意識せずとも一度は耳にしているはずです。
その定義や歴史などを短い文章で語ることは困難ではありますが、今回の記事ではそんなハウス・ミュージックの基本的かつ王道の名盤をピックアップ。
これからハウス・ミュージックを聴いてみたい、という方に向けたラインアップでお届けします!
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【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚(11〜20)
Do It Your WayMood II Swing

1990年代のニューヨークハウスのレジェンドとして、近年は再評価が進んでいるハウスミュージック・デュオがムード・トゥ・スウィングです。
同じくニューヨーク出身のマスターズ・アット・ワークと並んで、数え切れないほどのリミックスやプロデューサーとして大いに活躍した彼らの名前は、ダンスミュージックの愛好家であればどこかで一度は目にしているはず。
オリジナル・アルバムのリリースは残念ながらありませんが、彼らの偉大なキャリアに興味を持たれた方には2016年にリリースされた最強のコンピレーション盤『Strictly Mood II Swing』をぜひオススメします!
さまざまなアーティストのリミックス仕事はもちろん、1996年に発表された90年代ディープハウスの名曲『Do It Your Way』をはじめとする彼ら名義によるオリジナル楽曲も多数収録されており、1990年代から2010年代までを駆け抜けた彼らの素晴らしい仕事ぶりを存分に楽しめる内容となっておりますよ!
I’ll House YouJungle Brothers

1987年に結成されたジャングル・ブラザーズは、ジャズとヒップホップを組み合わせたサウンドを鳴らす先駆的な存在であり、同時にハウスミュージックとヒップホップを融合した「ヒップ・ハウス」というジャンルの作品を早い段階でリリースしたグループです。
グラミー賞ノミネートなど輝かしいキャリアを持つハウスミュージックの人気DJ、トッド・テリーさんがプロデュースした『I’ll House You』は、まさにヒップ・ハウス最初期の名曲として知られるクラシックなアンセムですね。
その『I’ll House You』も収録している彼らの1988年のデビュー・アルバム『Straight Out the Jungle』は、デ・ラ・ソウルやア・トライブ・コールド・クエストといったジャズに影響を受けたニュースクールなヒップホップ勢による「ネイティブ・タンズ」という一派の中では最初のリリースとしても知られており、ヒップホップの歴史におけるエポックメイキング的な作品として評価されています。
純然たるハウスミュージックを期待してはいけませんが、ハウスは聴くけどヒップホップは聴かない……という方もぜひ一度は手にしてもらいたいですね。
Selfless StateSo Inagawa

自身も運営に加わっているCabaret Recordingsから2013年にリリースした名盤の名曲。
2005年にフランスのレーベルTelegraphよりデビューして以来、国内外のハウスレーベルから数多くリリースし、どれも世界的に多大な評価を得てきました。
ExplosionKeita Sano

それまでほぼ無名であった日本は岡山在住の新世代天才ハウスミュージッククリエイターKeita Sanoが、ニューヨークの注目のハウスのレーベルMister Saturday Night Recordsから彗星のように現れリリースした名盤の名曲です。
HyperrealThe Shamen

1980年代後半のアシッドハウスのムーブメントに影響を受け、独自のエレクトロニック・サウンドで人気を博したバンドがスコットランド出身のザ・シェイメンです。
もともとはギターが主体のサイケデリック・ロック風のサウンドを指向していたのですが、前述したようにアシッドハウスの洗礼を受けて音楽性をシフト、1992年にリリースされたアルバム『Boss Drum』は全英チャート3位を記録するなどのヒットを飛ばしました。
大ヒットを記録したシングル曲『Ebeneezer Goode』で彼らの存在を知った、というリアルタイム世代の方々も多いのでは?
本稿では、彼らが大ブレイクを遂げる以前、転換期と言える1990年のアルバム『En-Tact』を取り上げます。
不幸にもMV撮影時の事故でこの世を去ってしまった中心人物の1人、ウィル・シノットさんが在籍していた最後の作品でもある本作では、ネオサイケ時代とアシッドハウスからの影響を融合させた独自のダンスミュージックを提示、高い評価を得た作品です。
後のテックハウスへとつながる音作りの新鮮さはもちろん、1990年初頭の英国インディーズ・シーンの空気感をたっぷり味わえますね。
余談ですが、オリジナルのUK盤と前述したシノットさんが亡くなった後にリリースされたUS版では曲順だけではなくリミックスもかなり違ったものですから、可能であれば2バージョンとも聴き比べてみることをオススメします!
LoadedPrimal Scream

ハッピー・マンデーズと同じく、ハウスの括りでプライマル・スクリームを挙げてしまうのはテーマ違いというのを承知の上で、英国アシッドハウスの影響をロック・サイドからダイレクトに取り入れた先駆的なバンドとして、ここは取り上げさせていただきます!
そもそもプライマル・スクリームはアルバムをリリースするたびに音楽性を変えるカメレオン的なバンドとして知られているのですが、本稿で紹介している1991年リリースの大傑作『Screamadelica』は、当時のイギリスの音楽シーンを席巻していたアシッドハウス~マッドチェスターの影響を受け、ロックとアシッドハウスの融合を試みた先鋭的な作品です。
テクノ・サイドからアンドリュー・ウェザオールさんやジ・オーブ、60年代から多くの大物ロック・バンドを手掛けたジミー・ミラーさん、といった両極端なプロデューサー陣を迎え、ロックンロールのダイナミズムとアシッドハウス譲りのトリップ感が完成度の高い楽曲として成立させた手腕はやはり革新的の一言。
アルバムの中でもアシッドハウス色の濃厚な『Slip Inside This House』は、60年代のサイケデリック・バンドである13th Floor Elevatorsのカバー曲ということも踏まえて、ロックとアシッドハウスの双方が持つ幻惑のサイケデリック感を味わえる逸品とも言えるかもしれませんね。
【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚(21〜30)
World CliqueDeee-Lite

著名な音楽プロデューサー、アーティストとして2020年代の現在もシーンの第一線で活躍するテイ・トウワさん。
近年では豪華なメンバーが集まったMETAFIVEの一員としても活動するテイ・トウワさんにとって、最初の音楽キャリアとなったのがディー・ライトです。
トウワさんが渡米後に加入したアメリカのハウス・バンドであり、日本国内より先に海外でデビューを果たしたということがスゴイですよね。
ディー・ライトはアンダーグラウンドの音楽だったハウス・ミュージックをメジャーのシーンに持ち込み、ポピュラー音楽として成功させた最初のグループの1つとも言われています。
全米チャートで4位を記録した大ヒット曲『Groove Is In the Heart』を聴けば、当時をよく知る世代であれば「あの曲か」と思い当たるのではないでしょうか。
そんなディー・ライトが1990年にリリースした『World Clique』は、前述した『Groove Is in the Heart』も収録されたデビュー・アルバムです。
メンバーのサイケデリックなファッション・センスはPファンクからの影響も強く、サンプリング世代によるファンカデリックを意味する「サンプラデリック」などと称したのも納得のサウンドを展開。
ロック・バンドではなく、DJやプロデューサーのセンスで作られた極上のポップ・アルバムといっても過言ではないキラーチューン満載の大傑作です!