【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚
ハウス・ミュージック、省略して「ハウス」とも呼ばれる音楽は、1970年代のディスコ・ミュージックを起源としてクラブ・ミュージックのみならずポップスなどのポピュラー音楽にまで影響を与え続けているジャンルです。
ハウス特有のいわゆる「4つ打ち」と呼ばれる1小節ごとに4回のキック・ドラムが鳴らされるビート・スタイルは、意識せずとも一度は耳にしているはずです。
その定義や歴史などを短い文章で語ることは困難ではありますが、今回の記事ではそんなハウス・ミュージックの基本的かつ王道の名盤をピックアップ。
これからハウス・ミュージックを聴いてみたい、という方に向けたラインアップでお届けします!
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【4つ打ちの魅力】ハウス・ミュージックの名盤。基本の1枚(11〜20)
Hooked On LoveKerri Chandler

ハウスミュージックの中でも、ジャズやファンク、ソウルにゴスペルといったブラックミュージックの要素を持ち、110~124ほどのBPMで展開するダウンテンポのハウスは「ディープハウス」と呼ばれています。
その定義はEDMが登場して以降は変化しつつありますが、今回はEDM以前のディープハウスとして、アメリカはニュージャージー州が生んだUSディープハウス界の重鎮である、ケリー・チャンドラーさんが1996年に発表した『Hemisphere』を紹介します。
本作はケリーさんが本人名義でリリースしたコンセプチュアルな作品シリーズの1つであり、ケリーさんの地位を不動のものとした傑作。
ヘビーなベースと骨太なキックといったケリーさん特有のスタイルを軸として、中毒性の高いボーカルやウワモノの巧みな扱い方には脱帽してしまいますね。
決して派手というわけではなく、むしろシンプルな音作りだからこそケリーさんのオリジナリティあふれるセンスが際立ちますし、そのスタイルは後の2ステップといったジャンルへも多大な影響を及ぼしていますよ。
I Can’t Get No Sleep ft. IndiaMasters At Work

ルイ・ヴェガさんとケニー・ドープさんという、ニューヨークが生んだトップDJにして音楽プロデューサーの2人が組んだ最強のハウス・ユニットが、マスターズ・アット・ワークです。
ラテン音楽やアフリカン・ジャズなどのアフロ・ミュージックをルーツとするルイさん、ヒップホップやレゲエといったストリート発のサウンドを基盤とするケニーさんという、異なるバックグラウンドを持つ2人だからこそ作り出せるハウスミュージックは、ハウスミュージック好きだけではなく幅広い音楽ファンの間で高い人気を誇っていますね。
そんなマスターズ・アット・ワークが1993年にリリースした記念すべきデビュー・アルバム『The Album』は、Indiaさんをゲスト・ボーカリストに迎えて大ヒットを記録した歌モノのハウス名曲『I Can’t Get No Sleep』をはじめとして、初期の代表的な楽曲が多く収録された作品です。
本作の最大の特徴は、2枚組という形式の中でラガヒップホップ・サイドとハウス・サイドに分かれているという面ですね。
ハウスミュージックを期待する方はディスク2をオススメしますが、2枚合わせていかにも90年代初頭といった空気感が満載ですから、むしろ現代の若い音楽ファンであれば新鮮に感じられるかも?
So SpecialBlaze

1984年にアメリカはニュージャージー州にて結成されたブレイズは、ハウスミュージックを基盤として多くの人気曲・ヒット曲を生み出し、大物アーティストのプロデューサーなども手掛ける2人組。
ニューヨークハウス・シーンにおける重要アーティストのバーバラ・タッカーさんをシンガーとして迎えて、2004年に発表されたヒット曲『Most Precious Love』を覚えていらっしゃる方も多いのでは?
現在は残念ながらユニットとしての活動を停止しているようですが、ハウスミュージックを語る上ではやはり取り上げるべきグループの1つだということは間違いないでしょう。
そんなブレイズがボーカリストのクリス・ハーバートさんが在籍していたトリオ編成だった頃にリリースされた、名盤デビュー・アルバム『25 Years Later』を紹介します。
あのソウル・ミュージックの名門中の名門レーベルであるモータウン・レコーズが初めてリリースしたハウス・アルバムということでも話題を集めた本作、残念ながら商業的な成功を収めることはできませんでしたが、ソウル色の強いハウスといった趣が今もなお新鮮な傑作なのですね。
ハウス以降のビート感覚を軸としながらも、生楽器をふんだんに用いたアンサンブルと素晴らしいメロディが際立つ、古き良きソウル・ミュージックへの憧憬が込められた良質なブラックミュージックとして楽しめるはず。
Everybody EverybodyBlack Box

イタリア産のディスコである「イタロディスコ」とハウスを組み合わせたサウンドは「イタロハウス」と呼ばれ、80年代の後半から90年代の中盤まで欧州にて人気を博し、現在も一部の熱狂的なファンが多くいることでも知られているジャンルです。
日本国内では「ユーロビート」の扱いとなっている音楽ジャンルでもありますが、この「イタロハウス」の典型的なサウンドを鳴らしていたのが、イタリアのハウス・ユニットであるブラック・ボックスなのですね。
1989年にリリースされて大ヒットを記録した『Ride on Time』を聴いて、懐かしく当時を思い出す方々もいらっしゃるでしょう。
その『Ride on Time』が、実はディスコ時代のレディ・ソウルにおける人気シンガー、ロリータ・ハラウェイさんの楽曲『Love Sensation』を無断で引用したものという点も含めて、何となくうさん臭い雰囲気もまた魅力の1つと言ってもいいのかもしれません。
そんなブラック・ボックスが1990年にリリースしたデビュー・アルバム『Dreamland』は、前述した『Ride on Time』に加えてボーカルのクレジット表記で問題となった『I Don’t Know Anybody Else』や『Everybody Everybody』、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのカバー曲『Fantasy』などを収録した大ヒット作。
裏事情のあれやこれやはともかく、イタロハウスに興味のある方はまずこの1枚を聴いてみることをオススメします!
I’ll House YouJungle Brothers

1987年に結成されたジャングル・ブラザーズは、ジャズとヒップホップを組み合わせたサウンドを鳴らす先駆的な存在であり、同時にハウスミュージックとヒップホップを融合した「ヒップ・ハウス」というジャンルの作品を早い段階でリリースしたグループです。
グラミー賞ノミネートなど輝かしいキャリアを持つハウスミュージックの人気DJ、トッド・テリーさんがプロデュースした『I’ll House You』は、まさにヒップ・ハウス最初期の名曲として知られるクラシックなアンセムですね。
その『I’ll House You』も収録している彼らの1988年のデビュー・アルバム『Straight Out the Jungle』は、デ・ラ・ソウルやア・トライブ・コールド・クエストといったジャズに影響を受けたニュースクールなヒップホップ勢による「ネイティブ・タンズ」という一派の中では最初のリリースとしても知られており、ヒップホップの歴史におけるエポックメイキング的な作品として評価されています。
純然たるハウスミュージックを期待してはいけませんが、ハウスは聴くけどヒップホップは聴かない……という方もぜひ一度は手にしてもらいたいですね。


