【2025】邦楽プログレ・プログレッシブロックの名曲まとめ
1970年代に欧米で大きな盛り上がりを見せたプログレッシブロックは、曲の構成や演奏技術の面で実験的かつ野心的な音楽性を追求するロックの一つのジャンルです。
日本でも70年代以降、多くのミュージシャンに影響を与え、独自の発展を遂げてきました。
近年では新しい世代のバンドも続々と登場し、現代的な解釈で新たな魅力を生み出しています。
この記事では、プログレの魅力に触れたい方に向けて、クラシックな名曲から最新の注目作まで、日本のプログレッシブロックの世界をご案内します。
【2025】邦楽プログレ・プログレッシブロックの名曲まとめ(1〜10)
一触即発NEW!四人囃子

スリリングな展開と構築美が融合した、まさに日本のプログレ史に輝く金字塔的な名曲です!
「日本のピンクフロイド」とも称された四人囃子による、1974年6月リリースの名盤『一触即発』の表題曲ですね。
12分超という長尺の中で描かれるのは、崩壊寸前の危うさといつ爆発してもおかしくないエネルギーがせめぎ合う、緊張感に満ちた世界観ではないでしょうか。
森園勝敏さんのハスキーな歌声がその切迫感を加速させ、3拍子のリフを軸にしたアンサンブルは聴く者を圧倒します。
スタジオの階段で板を落とした音を効果音として使うなど、実験的な音作りへの探究心も感じられますよね。
音楽に深く没入し、知的な興奮を味わいたい方にこそ聴いてほしい一曲です。
イリュージョンNEW!NOVELA

日本のプログレッシブハードロックバンド、NOVELAのファーストアルバム『魅惑劇』の記念すべき1曲目を飾る楽曲で、アルバムのリリースは1980年3月。
まず何と言ってもボーカルの五十嵐久勝さんの独特なハイトーンボイスに、心を鷲掴みにされますよね。
夢の中では自由なのに現実はままならない、という幻想と現実の狭間で揺れる切ない心情が、ツインギターの重厚なサウンドと絡み合い、耽美的な世界観を構築しています。
本作が収録された名盤『魅惑劇』は、当時「ジャパニーズ・ロックの奇跡」とまで評されました。
ドラマティックな曲展開とハードロックのダイナミズムを併せ持つサウンドは、物語性の高い音楽が好きな方に特に刺さるかもしれません。
複雑な構成のなかに宿る、詩的な美しさを味わってほしいナンバーです。
鬼NEW!新月

静寂の中から立ちのぼるようなアコースティックギターと、霧のように美しいメロトロンの響きに引き込まれるシンフォニックロックです。
「和製ジェネシス」と評されたプログレッシブロックバンド、新月による楽曲で、1979年7月発売のデビューアルバム『新月』の冒頭を飾ります。
人の心に潜む根源的な恐怖を民話になぞらえて描いており、北山真さんの透明感と憂いを帯びた歌声が、物語の緊張感を高めてくれますよね。
制作に300時間以上をかけたという逸話が示すように、静と動がドラマチックに交錯する9分超の構成はまさに芸術的です。
物語性の高い音楽に浸りたい方や、日本のロックが持つ叙情性の真髄に触れたい方にはぜひ聴いていただきたい名曲です。
ADELHEIDNEW!XOXO EXTREME

プログレッシヴ・ロックを基盤とした音楽性で独自の道を切り拓くアイドルユニット、XOXO EXTREME。
COALTAR OF THE DEEPERSなどで活躍するNARASAKIさんが作詞作曲を手がけた本作は、ジェントを大胆に取り入れた重厚なギターリフが強烈ですよね。
近未来の荒廃した世界で戦うヒロインの、悲しみや覚悟といったエモーショナルな感情が激しいサウンドにのせて響きます。
2022年6月にリリースされたシングルで、メンバーの復帰というドラマティックな背景も、その世界観に深みを与えています。
日常を忘れて物語に没頭したい時や、気分を奮い立たせたい時に聴くのがおすすめ。
アイドルソングの常識を覆す、攻撃的かつドラマティックなナンバーです。
Look Up The Sky (Featuring Keiji Haino)NEW!マジカル・パワー・マコ

12分を超える壮大なスケールで聴く者を異次元へと誘う、瞑想的なサウンドスケープが印象的ですよね。
日本のアンダーグラウンドシーンを切り拓いたマジカル・パワー・マコさんによる楽曲です。
1974年4月発売のデビューアルバム『MAGICAL POWER』の最後を飾る本作は、反復されるフレーズとドローン的な持続音をフィーチャーした静謐なアンサンブルが耳に残りますよね。
ここに盟友である灰野敬二さんの「声」が加わることで生まれる高揚感は、まるで祈りのようです。
1973年に二人がテレビ番組で共演し物議を醸した逸話は、当時の前衛的な姿勢を感じられるのではないでしょうか。
空を見上げることで得られる解放感を表現した、壮大な音の旅に浸りたい人にぴったりの一曲です。
NivraymNEW!高円寺百景

ドラマーであり作曲家である吉田達也さんが率いる高円寺百景。
2001年に国内で発表されたアルバム『Nivraym』の表題曲は、後に海外でも高く評価されることになる作品です。
フランス由来の音楽性“Zeuhl”を基盤に、ジャズの洗練とハードコアの衝動を融合させたサウンドは、まさに圧巻の一言。
変拍子を駆使した迷宮のような曲展開と、オペラを思わせる荘厳なコーラスの応酬は、聴いているだけで異次元に引き込まれるような感覚がありますよね。
架空言語で歌われる本作は、意味を超えて古代の儀式や壮大な物語を想起させ、聴く者の想像力をかき立てます。
圧倒的な情報量を持つ音の洪水に身を委ねたい時に聴いてみてください。
Satori Part INEW!FLOWER TRAVELLIN’ BAND

東洋的な旋律とヘヴィなサウンドがぶつかり合う、魂を揺さぶるナンバーです。
日本のロック史に名を刻むFlower Travellin’ Bandの名盤『Satori』の冒頭を飾る本作は、聴く者を一気にその世界観に引き込みます。
ジョー・ヤマナカさんのオペラティックなボーカルと、石間ヒデキさんの呪術的なギターリフが絡み合い、言葉を超えた精神の高まりや内なる葛藤を描いているように感じられますよね。
この楽曲が収録されたアルバムは1971年4月に公開、カナダのチャートにも入るなど海外でも評価されました。
また、映画『新・仁義なき戦い 組長の首』でアルバム全編が使用されたことでも知られています。
日常を忘れて音楽の世界に深く沈み込みたい、そんな夜に聴いてみてはいかがでしょうか。